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挨拶はしっかりやらなくてはいけません

2007年06月07日 | 雑記帳
 M先生の葬儀に参列した。
 ちょうど一年前まで市の教育長をしておられた。直接教えを受けたわけではないが、高校生のときに同学年の学級担任もなさっていた縁もある。

 昨年4月、年度初めの会でお会いすることがあった。
 着任の挨拶をしたら、「どうですか」と感想を求められた。
 職場内外のセレモニー的な挨拶の多さに少し辟易していた自分は、こんなことを言った。
 「ええ、挨拶挨拶でたいへんです。こんなに何度もしなくてはいけないと思うと…」
 その言葉を遮るように、M先生はこうおっしゃった。

 「挨拶は、しっかりやらなくてはいけません。それが仕事です。」

 トレードマークともいうべき大きく太い眼鏡の奥の目が鋭かった。
 すぐに柔らかな表情にもどり、「じゃ、がんばって」と席を離れたM先生。
 思えば、それが私にとっては最後の姿となった。

 自分の役割を全うせよ、と諭された気がする。仕事の価値を考えることに早くも慣れ始めた心を戒められたのだ。

 M先生のご専門が社会教育であることは知っていたが、若い自分にも県庁にお勤めになられ、全国に先駆けて生涯学習センターの設立に奔走なされたことを、弔辞によって初めて知った。
 当時の同志による別れの言葉が心に沁みた。
 合掌。