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もっと「外の闇」を

2008年09月19日 | 読書
 『しつけに使える 学校の妖怪・こわい話』(中嶋郁雄著 学陽書房)を読んだ。

 「教育的な視点」で書かれた、「妖怪伝説」「怪談」の本

と書かれてある。面白い発想の本だと思う。
 たぶん昔からの言い伝えや伝説には、そうした意図で語られたものは多いはずだし、最近(でもないか)では、「もったいないお化け」という強烈なキャラクターもいた。

 小学生に話を聞かせるときに、イメージをどう形づくるかが大切なことで、その点コミカルなタッチで妖怪を列挙しているこの本は活用できるだろう。
 もちろん、総数35の妖怪をすべて登場させてはパニックになるだろう(笑)から、学級の実態に合わせて登場願う数名のお方に絞るべきだろう。担任教師のいい助手役になるかもしれない。

 ところで、私の周囲では最近学校にあまり怪談話が聞かれなくなった。というより、学校でのキャンプや肝試しがあまり行われなくなってきている。
 個人的には最後にやったのが7年前になるだろうか。
 
 昔の木造校舎はもちろん、最近の近代的な校舎であっても理科室、音楽室、そしてトイレなどは絶好のスポットで、恐怖をあおる役回りとしては実にやりがいのある?仕事だった。
 肝試し前のお話役も何回かしているが、これも表現力を鍛えるのには絶好の場だった。

 子どもたちには「闇の体験」が必要だと思う。自然体験としては当然だが、それだけでなく、学校という建物が持つ歴史や因習がそのために利用されてもいいのではないか。人間の集まる所はいついかなる時でも明るくて楽しいものだけではないという真実に気づく場、といったら少し大袈裟か。

 そしてそれを「外の闇」と呼ぶならば、そうした体験が少ない子は「内の闇」を増殖させいくのではないか…そんな考えも浮かぶ。