すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

最適化を拒んでみること

2008年09月04日 | 読書
 『グーグルが日本を破壊する』(PHP新書 竹内一正著) ずいぶんと物騒なタイトルである。
 しかしその中身は、広告を中心とするビジネスモデルのあり方といった類のものである。

 グーグルの飛躍的な普及には、確かに自分自身も恩恵に与っていると言えるのだが、それは一面ではグーグルで検索するもの全てに商業的な価値があり、ターゲットにされる要素が広がっていることには違いないのである。
 日々、そうした自覚で画面に向き合っているわけではないが、知らず知らずに取り込まれていくことの怖さを時々思い起こしていくことは大切だ。

 マイクロソフトや新聞社、テレビ局等との比較はなかなか面白かったが、開発技術に関する文章は正直ちんぷんかんぷんの部分も多い。
 そんな中で、情報への接し方、向き合い方を考えたときに、はああっと思わされる箇所が二か所あった。どちらも引用されている文章がもとになっているのだが、この点に自覚的であるかどうかはずいぶんと大きな問題と思う。
 
 日本人の弱気の遺伝子

 環境に最適化した生物は、その環境が激変したときに生きていられなくなる


 巨大なものの言うことに逆らえずに(あきらめて)安心して、グーグルで検索しながら目に入った広告をもとにしてモノを買い続ける日本人に、激変の刃はどう突きつけられるか。

 時々強気になって逆らって、最適化を拒んでみること。
 それがある意味で「生きる実感」なのかもしれない、などという考えが浮かぶ。