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特色を転がしてみる

2008年09月20日 | 雑記帳
 ごく普通の言葉を、たまには少し転がしてみるのもいいか。

 特色

 むろん、よく目にする「特色ある学校づくり」などという文言から浮かんだものだ。

 まず、この熟語のでき方は「特→色」であろう。つまり「特な色」。
 特とは「ことにぬきんでること・他とは別であること」
 色とは多義な言葉であるが、広辞苑によればおそらく第四義「ものの趣」の中の「②けはい、きざし、様子」それに「③調子、響き」あたりが当てはまるのではなかろうか。
 従って、同じく広辞苑では「特色」は「①他と異なるところ ②他よりすぐれたところ」と解される。

 講談社の類語大辞典ではどうだろう。
 「性質」の欄に書かれてある。
 「同じ種類の物事において、他とは特に異なっている性質」そして「◇ふつう、すぐれた点についていう」という説明も加えられている。
 あれっと思うのは「性質」なんだ、ということ。性質というとあらかじめ備わっているというイメージが強いが、後天的という場合もあるだろうし、そこはあまり関係ないか。

 「特色を出す」という言い方があるが、これはもともと備わっている、長い期間すぐれた点として認められていることを出すということだろうか。
 「特色を作る」となると、新たにという意味付けか。そもそもある物事に特色があるのかないのか、誰が判断するのか、という思いも浮かぶ。

 ふと、人の特色っていう言い方はしないなあ、と気づく。ただ集団になると、あのチームの特色と言ったりする。ただ兄弟や家族にはそういう使い方はしないから、これはやはり意識的に作られた集団なのだろう。地域の特色という言い方もある。これも歴史的背景や政策などによって形づくられるものだろう。何かの指標に照らし合わせて優れているとか、評判が拡大しているとか、そうして経緯が必ずあるのだと思う。

 さて、「特色ある学校づくり」である。
 そもそも「学校」は特色を持つべきところなのか、という疑問が少し浮かんだりする。
 しかし、それは法令に載っているものである。大切なことに違いない。
 では、なぜ大切なのか。何のメリットがあるのか。
 出すべきものか、それとも作り出すものか。
 そうした学校づくりを進めていくとすれば、一番肝心なことは何なのか…

 と、少しおぼろげながら見えてくることがありました。