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地味にスゴイ!ドラマ

2016年11月12日 | 雑記帳
 視聴率はあまり良くないようだが、秋のドラマでは『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』を面白く観ている。先日、誰かも言っていたような記憶がある(酔っていたので定かでない)。石原さとみのファンではないのだが、あの『シン・ゴジラ』と打って変わって主人公役に実にマッチしている。脳と口の直結か。


 校閲のための、というより偏執的に興味ある事を語る調子がいい。2話だったか見終わって「ああこれは、」と気づいた。彼女のデビュー間もないときの主演作、NHKの朝ドラ『てるてる家族』の末娘役とかなり似ているのだ。思ったことを口にしたい性分、どこまでも前向きに実行していく、ある意味ではうるさい。


 うるさいことが魅力になるって凄いなあ、と感心しつつ、ビジュアルの関係なくそういう女優や芸人が結構いることに気づいた。まあもちろんうるさいばかりでなく、そこに濃淡を入れ、時に真逆な面を見せることも考えているからだろう。特徴を生かすとは計算なり、と改めて考える。反対の要素をどこで見せるか。



 このドラマの重要要素として「出版業界」を扱っていることが挙げられる。御多分に漏れず、漫画が原作になっているようだ。どうやら、出版を描くこともちょっとブームらしい。『重版出来』というTBSの夏ドラマもあった。これは再放送で見たが実に面白く、質も高かった。一般人として覗きたい世界なのだろう。


 『校閲ガール』も『重版出来』も、今まで知らなかったことが次々と出てくる。本や雑誌を我々が手にするまで、どんな段階があるか大まかには知っていても、なかに数知れぬドラマがあることを感じさせてくれる。そして、いずれにも見えるのが、個の持つ志や誇りと見栄や権力とのせめぎあい。よく描きだしている。