すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

バーコードリーダーから警告

2021年02月18日 | 雑記帳
 学校に勤めていた頃、図書室の本の点検をした記憶はあるけれど、ずいぶん昔のことだと思う。町の図書館に勤めて蔵書点検」という作業を今週行うことになった。昨年度は前年春に実施しており見送ったので、私にとっては初めての経験である。勤務者の少ない館なので、もちろん私自身も実働部隊の一員である。



 分担を決めての単純労務を続けていくと、改めて気づくことがある。今さらだがバーコードの偉さである。当然貸出の時に使用してはいる。しかし点検のように量をこなす時の圧倒的なその便利さに舌を巻く。これを発明した人は凄いなあ。正確に真っ直ぐ光を当てなくても、次々に読み取っていける対応能力に驚く。


 識別・管理という面における機械化の進歩。おそらく蔵書点検を手作業(番号を見て突き合せチェックしていく)でするとしたら、20倍いや30倍以上は手間がかかるのではないか。臨時休館をして行う困難さは計り知れない。まあそれだけシステム構築に税金がかかっていることは確かだし、仕事の変容は進行していく。


 ベテラン職員さんはまた作業が速い。私も真似てある程度までは出来るようになった。しかし、分担した箇所(やや希望もあって)が絵本・紙芝居等だったので、いつも言っている整理下手の原因が、業務中にも時折顔をのぞかせる。つまり「見てしまう」。もちろん本の中味までは見ないが、題名・表紙に目がいく。


 そのわずかな動作が効率を落とす。ふだんからコーナーで選書しているとはいえ、順番に一冊ずつ確実に触れる機会は稀で、思わぬ題名などを目の片隅で捉えると少し見入ってしまう。「あ、あの作家が書いた絵本だ」「この奇妙な絵は何?」…そんな感情を警告するように、バーコードリーダーの赤い光が点滅する。