すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

一年後のクルーズとは…

2021年02月03日 | 雑記帳
 去年の今日のことである。
 厚生労働省の報道発表(2020.2.5付)によると…

 2月3日に横浜港に到着しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」については、海上において検疫を実施中ですが、これまで新型コロナウイルスに関する検査結果が判明した31名のうち、10人については、新型コロナウイルス検査の陽性が確認されたため、神奈川県内の医療機関へ搬送されました。


 そこから2ケ月余り、報道のなかで「クルーズ船」という言葉を聞かなかった日があったのだろうか。その時は、高齢者の一つの夢であった(笑)クルーズという響きが色褪せ、逆に危険を孕むようなイメージが刷り込まれたような気もする。いつかは…と田舎者が持っていた憧れがしぼんだのは残念だった。そこで…。


 と思いついたわけではないが、書棚整理で見つけた10年以上前のコミックで楽しむことにする。その題名は『クルーズ』。ビッグコミック連載だったという。矢島正雄原作は見つけると手に入れていた時期なので、たった2巻で終わっていたが、やはり矢島テイストを感じる。乗り物を舞台にすると、一層映えるようだ。



 将来を嘱望される名医が白い巨塔ではなく別の道を選択するというストーリーはありがちである。しかし、昔からずっと繰り返されていることを考えると医者の役割の何たるかを多くの人が求めている証でもあろう。舞台が洋上、船上である設定は、人生に重なる物語が繰り広げられ、ドクターはそれを見守る役目だ。


 全16話で医師が大きく関わる話は稀で、多様な登場人物たちを理解し、そっと手を差し伸べ、明日を促す役割が多い。それはクルーズにある特性が支えている。ゆったり流れる時間、ゆとりある空間、先々に見え迫りくる絶景…過去と未来にじっくり思いを馳せられる今がそこにはある。少し乗りたくなってきた。