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10年前の週刊誌をめくる

2021年03月11日 | 雑記帳


 あの大震災の翌週に買った2冊の週刊誌だ。

 様々な雑誌に手を伸ばしていた時期があり、今はその処理(廃棄が多い)を毎年のように行っている。
 しかし、この雑誌は少し残しておこうと思った。
 時が経って、どんな思いで自分が眺められるか興味があった。

 今日、改めて開いてみる。


 
 当日から一週間目までの記事。
 それでも、これらの週刊誌は相変わらずの姿勢だなと正直思ってしまった。

 確かに、状況を乗り越えようとする提言や激励的な内容はあるのだが、やはり政府批判と危機感についての煽情的な記事が目立つ。
 それがこうした週刊誌のパターンと言ってしまえばそれまでだが…。

 唯一、あの時読んだ際も心に染み入った伊集院静の寄稿が救いだ。
 1ページ5段の体裁で、8ページにわたって震災当日から7日間の様子や思いを綴っている。
 仙台市内の自宅で地震に遭いながら「私は被災者ではない。」と言い切る目で、報道を見つめていた。


 もう一冊、ちょうど一ヶ月後に緊急増刊として出された雑誌も残っていた。



 「私たちは どう生きていけば いいのか」と題され、識者、専門家27人の提言が並んでいる。

 冒頭のページは、養老孟司そして内田樹
 どんな時にも、いかなる事態にも通用するコトバを差し出す二人を、改めて敬服したい。

「探すべきものは『答え』ではない。この震災から『問われているものは』は何かということだ」(養老)

「物語が教える教訓はまことにシンプルである。『金より命』『マニュアルより直感』」(内田)