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騒動や新しさより日常を

2021年05月11日 | 雑記帳
 高齢者なので、ワクチン接種予約をしなければと思っていた。4月下旬から受付は始まっていたが、どうせ混むだろうと(案の定、こんな小さい町でも混乱したと聞いた)連休明けから動くことにした。初日午後の複数回電話が駄目で、翌日、退勤後に直接申込しにいったら終了という。そこから電話しようやく取れた。



 接種は再来週に始まるのだが、私への割り当ては8/18だという。そこまでとは予想していなかった。しかし順番はきちんと守るものだと、親や学校の先生はいつも教えてくれたので当然かと思う。ただその夜の首相会見で7月末まで2回目接種を終了させる旨を聞くと、改めて地方の実態は蚊帳の外かと感じてしまう。


 コロナ感染が本格化しパンデミックと囁かれだした頃、戦争の知らない自分たちの世代も、大文字の歴史に位置づけられる騒動に生まれたことになるか、と変な感慨を抱いた。ただ戦時下もおそらくそうであったように、都会と田舎のギャップは大きい。情報化ゆえに混在、混乱もあるが、人口密度は状況を左右する。


 最近では『この世界の片隅に』が描いたように、どんな状況にあっても「暮らし」こそが、一人一人の本質であり守るべき価値だろう。広く世界を見渡した時の隔差や多様性について頭の中に留めるにしても、「いま・ここ」の問題に向き合うことなしに、充実感は得られない。TVやネットの世界は泡のようだと思う。


 藤原智美著の『この先をどう生きるか』にも「暮らしを第一のテーマにする」が提起される。具体的には食などの家事のルーティン化を挙げる。自分の場合は甚だ心許ない現実だが、それが「土台」であるとしみじみ感じる。仮に「騒動」が身近に迫ってきても、急に叫ばれる「新しさ」に振り回されず日常を続ける。