すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

大暑も処々で読書

2021年07月25日 | 読書
 一応、五輪競技にも目を通したいし、こういう時は薄めの本を手にとって…


『秋田学入門』(あんばいこう  無明舎出版)

 筆者は県内出版社社長。「秋田学」と題してどんな事を語っているのだろうと興味があった。新聞連載のエッセイをまとめた内容だ。目次には「久保田藩か佐竹藩か秋田藩か」を初めに興味深い話題が並んでいる。しかし正直「学」と呼べるほど深く突っ込まず、「入門」を促すトリビア的な中身だ。「ええふりごぎ」と「せやみこぎ」の項では、2つの県人を象徴する方言を挙げ、他県との比較から「根拠のない『県民の負の性向』ステレオタイプ」と言いきったことに共感した。



『読み聞かせは心の脳に届く』(泰羅雅登  くもん出版) 

 来週からインターンシップなどの計画もあり、図書に関する知識点検の意味合いも込めて読んでみた。100ページ足らずの本だが収穫があった。読み聞かせが聞き手に与える影響は脳科学的にどうか、その検査過程と結果が記される。キーワードは紛れもなく「心の脳」。前頭連合野が活性化するという仮説を立てて検証したが実は違っていて…。この結果には納得がいった。とすれば…と考えも浮かび、実に参考になった。そして語り手(笑)は、確実に前頭連合野が活性化するそうだ。



『木皿泉DVDブック スペシャルブック』(河出書房新社)

 DVD化されたドキュメンタリーの監督との対談を中心に、その番組内に入れ込まれたドラマの脚本などで構成されている。「無敵感」の漂う夫婦の話は実に面白い。番組作りの直接的な裏話より、二人が繰り出してくるエピソードが興味深いのだ。特にアマゾンの奥地にいるピダハン族の言語のこと、恐怖について子供を使ったある実験など、つい人に言ってみたい衝動にかられる。「しあわせのカタチ」と訊ねられた時、即座にいくつポンと差し出せるか、そんなことも考えた。