百醜千拙草

何とかやっています

数え満貫的論文

2007-05-29 | 研究
そろそろ今やっていることを論文にまとめなければいけなくなってきました。期待したようには話はふくらまず、そこそこの仕事です。面白い話にならないかと思っていろいろ検討してみましたが、満塁場外ホームランの可能性は低そうです。心の中で、今あるデータから結論できることとその結論の価値を計算して、どこのジャーナルをトライするかを考えていました。以前出した論文を読んでくれた人とたまたま話をする機会があって、「あの論文はあれで打ち上げですね」みたいなことを言われたことがあります。つまりその論文の内容の研究を継続的に発展させようという様子が読み取れなかったと言われたのですが、言外には「なんとか形にした」という青息吐息の様が見て取れたというような意味が含まれているのです。私は図星をつかれてちょっとひるんでしまったのですが、読む方もそういう「何とか形にした」みたいな論文は読みたくないのだろうなと申し訳ないような気になりました。確かにこの論文はあるところまで来て、行き詰まってしまっていたのです。他の事に力を入れていたのでしばらくほったらかしになっていました。たまたま手にいれた変異マウスとの複合変異の解析データが出たので、論文を書く条件がなんとか整ったというような感じでした。大学時代にはたまに麻雀をすることがありましたが、麻雀で言えばメンタンピンドラドラぐらいの手でした。小さな手が重なってなんとか点数になったような論文だったのです。九蓮宝燈とは言いません。四暗刻ぐらいの役萬で上がるのが理想です。数え満貫ではちょっとインパクトが弱いです。今回の論文のネタは、扱っている主題にすでにドラがついていますので論文出版という点では有利ですが、このドラもおそらく今年限りですから急がないといけません。データが自然に整合性のあるモデルに収まってくれて、きれいなストーリーが出来上がるようなことはなかなかないものですね。きれいな話にはならないようですが、今回、最後にやってきたデータは、将来的に面白くなる可能性のあるネタを含んでいるので、次回のお楽しみになりそうです。
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