百醜千拙草

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少子化問題

2007-05-07 | Weblog
子供の日の後にちょっと不適切なような気もしますが、最近、日本の少子化問題についての意見を二三のサイトで目にしましたので書いています。この少子化問題に関連した話題を目にするたびに、私には、「少子化が本当に望ましくないことなのか?」という疑問がいつも湧いてきます。きっと、世の中には私と同じように疑問を感じる人が多くいるに違いないと思います。国のレベルで考えると、若年の人口が減ると国の経済力が低下するであろうことは考えられます。そうすると非生産人口へ対する福祉などが悪影響をこうむるのは分かります。確かに急激な人口減少は年齢層のバランスが悪くなり、どこかにひずみがでるのは間違いないでしょう。しかし地球的規模で見ると、過去一世紀は、人類が誕生してからかつてなかった勢いで人口が増加した人口爆発が起こっており、そのためにまた信じられないような速度で環境が破壊され、地球は温暖化していっています。環境汚染、とくにすべてが蓄積する海洋の汚染のために後百年もすれば、海産物は危険で何も食べれなくなる可能性があるそうです。人間の数およびその活動(特に経済のための活動)の増加が急激に地球を破壊しつつある今、環境破壊に最も寄与している先進産業国で人間の数の増加に歯止めがかかりつつあるというのは、地球の恒常性の維持という観点からみれば、好ましいことではないだろうかとも思うのです。人間の視点でごく利己的に見れば、もちろんいろいろ困ったことがあるでしょう。しかし有史以来の人間と地球のかかわり具合を考えると過去一世紀は異常でした。地球を一人の人間、人間をそこに寄生する細菌というように例えてみると、最近の異常な人口の増加と環境破壊は、いわば細菌の変異(産業革命など)による異常増殖によって地球の生命が危険にさらされつつある状況とみても良いのではないかと思います。人口が減少せず、世界で「先進産業化」が進めば、地球はやがて死に、当然そこに寄生している人類もやがて死ぬことになると思います。そうなれば、その過程で世界的食料危機が訪れることになると考えられます。食糧危機はおそらく戦争を生み劇的な人口減少につながるでしょう。現在何百種という生物種が毎年、絶滅していっていることを考えると、人類もいずれは滅亡すると私は確信しています。地球上の特に先進国での人間の数が減ることは、逆に滅亡への道のりをゆるやかにするであろうと思います。少子化で先進国の人口が減らないと、いずれは戦争による殺し合いで人口を減らすことになるだろうと思うのです。先進国の人口を減らすことは人類の未来のために必要だと思います。そして少子化は最も穏やかな方法だと思うのです。日本だけを眺めてみると、この国は自分の国民を自力で食わせていけるような食料自給力がありません。江戸時代から比べてもとんでもない人口の増加があり、近代の産業化によって自然がどんどん失われました。今や、日本人が食っていくためには工業製品を売ったお金で食料を買わねばならないわけですが、私は将来的には世界的規模で食料の絶対不足がおこると思いますので、そうなるとお金の力は失われてきて、日本は飢え死にせざるを得なくなってしまいます。私は日本の将来のためにも、日本の人口は減少するべきだし、金もうけばかりにうつつを抜かさず、脱産業化を図るべきだし、食料自給率を上げる努力をすべきだと思っています。少子化はミクロでみれば確かに問題ですが、長期的には日本の将来という点で好ましいことであろうと思うのです。
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