オバマ政権の政策の目玉であるヘルスケアリフォーム法案が、ついに議会を通過しました。これは、先進国で唯一公的健康保険制度をもたず、健康保険会社の利益優先のために病気を持つ社会的弱者が切り捨てられてきたアメリカという国が成長していく上で不可欠のプロセスであったと私は思います。過去、何十年と、この問題を解決しようという試みがあり、その都度、失敗してきました。昨年死亡したテッドケネディーの悲願でもありましたが、それがついに議会を通りました。とはいうものの、投票では共和党は全員一致で反対票を投じ、民主党も30票ほどの反対票で、230対211という僅差でしたから、この法案に対する両党の間での温度差は相当なものがあります。とにかく金がかかることが、共和党の反対の根拠であり、ただでさえの財政困難な時期に更に借金を上乗せすることに共和党は反対しています。しかし、オバマが言ったように、経済が順調であった時でさえも、誰も健康保険制度改革をやろうとしなかったのです。現在、経済的に困難な状態でこれをやらねばならなくなったのは、好ましいことでないことは、民主党もわかっています。しかし、いずれやらねばならないことですから、やるのは正解なのだと思います。時期を待っていてはいつまでたってもなされません。私は、これは現代の奴隷解放だと思っています。奴隷解放に南部が反対したように、健康保険制度に国が大きく介入して税金を注ぎ込むのは保守派白人の利益とならないと共和党は考えているのでしょう。しかし、本当に民主主義の多民族国家として長期繁栄を望むなら、今やマイノリティーに転落しつつある保守派白人の利益だけを考えていてはいけません。そういう風に世の中が動いていこうとしているのです。残念ながらそのような大きな世界の流れとビジョンをもってこの法案を考えることができた共和党員はいなかったようです。目減りしていく自分たちの地盤を守りたいという気持ちにとらわれ、歴史的、世界的見地から自分の国を見る目を自ら閉ざしてしまっているのかも知れません。
さて、日本の民主党の話ですけど、先日の民主党副幹事長であった生方氏の更迭事件、小人の為す不善というものは困ったものです。親の心子知らずなのか、獅子身中の虫となって民主党内部でのテロが目的であった確信犯なのか、ただの愚か者なのかわかりません。
この事件は副幹事長であったにもかかわらず、幹事長、党執行部を外部で批判したことに対して高嶋筆頭副幹事長に副幹事長を解任処分されたということなのですけど、ネットで人々が指摘している大きな問題点は、この高嶋筆頭副幹事長とのやりとりを、どうも隠しマイクで録音していて、それをさらにマスコミに流したという点です。これはかなり悪質と言わざるを得ません。隠しマイクで録音するというような姑息なマネをし、幹事長会議ではほとんど発言さえしないくせに、ウラでは悪口を言う、という卑怯な態度には怒りがわいてきます。もともと読売出身ということもあって、ネットでは生方氏は民主党破壊工作員であろうというコンセンサスのようです。その後もさらに、「執行部批判をしてはいけないというのは言論の自由がない、民主党は独裁だ」という批判を「外部」でまき散らしているようで、とても見苦しいです。
執行部批判を建設的な目的でするつもりなら、どうして、執行部幹部にまず言わないのか、文句があるなら本人にまず言うのが筋でしょう。それを、まず外部に向かって民主党の悪口を言って、その行為をとがめられたら「言論の自由がない」と開きなおるのですから、アホです。言論の自由には、まずその言論に責任を取る義務があって始めて許されるもので、なんでも好き勝手に無責任にしゃべってよいというものではありません。 言論の自由を「何でも好き勝手にしゃべってよい」ということとするならば、 風説の流布とか名誉毀損とか詐欺とかの犯罪はなくなってしまいます。自分の無責任な言動(あるいは意図的なサボタージュ)に対する処分を受けて、反省するどころか開き直るというところが、始末におえません。
「ベンチがアホやから野球がでけへん」と監督批判したピッチャーは、そのシーズンで引退しました。自民党執行部批判をした園田さんは、まず幹事長代理を辞任してから、批判しました。自らの属する組織を批判するには、それだけの覚悟をもってするものです。
おそらく、皆の想像通り、この人はウラで反民主グループと通じていて、今回の事件はすべて、民主党への支持低下を謀るための行為で、最初から筋書きがあったのでしょう。自分の党内の人間と話をする時に隠しマイクを持ち込んでマスコミに売るぐらいの人ですから。小沢氏が、その辺のことを前もって知らないわけがないのです。誰が危ない人間かぐらいは当然すべて知っていて、なおかつ、小沢氏は彼らを要職に起用しているのだと思います。あえて自分に反感をもっている人間を使って、与党の要職をつとめさせることで、多様な人間を含むより包容力のある党として成長することを目指しているのだと思います。であるのに、困り者の渡部爺とか前原氏とか今回のこの人とかには、日本の政治全体も小沢氏のビジョンも見えていないわけで、政治は昔から派閥間権力闘争で、自己利益のためには誰かを追い落とすしかないとでも思っているのでしょう、志が卑しくて、それがまた丸見えなので、見苦しいのです。
生方氏の更迭の決定を聞いて、小沢氏は「残念だ」と言いました。この読売出身の人にも、派閥間権力闘争のような低次元のことにとらわれず、日本の国をよくするためにもっと大きな目標を見てもらいたい、と小沢氏は考えて、そのために副幹事長という役職を与えて力を発揮する機会を与えたのでしょう。しかし、親の心子知らず、小人の目は曇ったままであった、そのことに対して、「残念だ」と言ったのだろうと私は思いました。
ネットでの大勢の意見は、生方氏は党除籍処分に値する、こういう組織の人間としての自覚もなく、辞職の覚悟もないくせに、執行部の悪口を本人ではなく、外部メディアに向かって垂れ流す、そういう害虫を党においておいてはいけない、という当然の反応です。しかし、小沢氏のビッグピクチャーには、こういう反小沢勢力も日本の政治のプレイヤーとして折り込んであるのだろうと思います。だから、これからも小沢氏は、反小沢派の人間も、多分、可能な限り引き続いて重用していくのであろうと私は思います。問題は、小人が自ら気がついて成長するのを、小沢氏はじっと耐えて待つしかできないということです。人は自ら気づかないと成長しないのです。いくらよい先生がよいアドバイスを与えても、聞く耳をもたなければどうしようもありません。
さて、日本の民主党の話ですけど、先日の民主党副幹事長であった生方氏の更迭事件、小人の為す不善というものは困ったものです。親の心子知らずなのか、獅子身中の虫となって民主党内部でのテロが目的であった確信犯なのか、ただの愚か者なのかわかりません。
この事件は副幹事長であったにもかかわらず、幹事長、党執行部を外部で批判したことに対して高嶋筆頭副幹事長に副幹事長を解任処分されたということなのですけど、ネットで人々が指摘している大きな問題点は、この高嶋筆頭副幹事長とのやりとりを、どうも隠しマイクで録音していて、それをさらにマスコミに流したという点です。これはかなり悪質と言わざるを得ません。隠しマイクで録音するというような姑息なマネをし、幹事長会議ではほとんど発言さえしないくせに、ウラでは悪口を言う、という卑怯な態度には怒りがわいてきます。もともと読売出身ということもあって、ネットでは生方氏は民主党破壊工作員であろうというコンセンサスのようです。その後もさらに、「執行部批判をしてはいけないというのは言論の自由がない、民主党は独裁だ」という批判を「外部」でまき散らしているようで、とても見苦しいです。
執行部批判を建設的な目的でするつもりなら、どうして、執行部幹部にまず言わないのか、文句があるなら本人にまず言うのが筋でしょう。それを、まず外部に向かって民主党の悪口を言って、その行為をとがめられたら「言論の自由がない」と開きなおるのですから、アホです。言論の自由には、まずその言論に責任を取る義務があって始めて許されるもので、なんでも好き勝手に無責任にしゃべってよいというものではありません。 言論の自由を「何でも好き勝手にしゃべってよい」ということとするならば、 風説の流布とか名誉毀損とか詐欺とかの犯罪はなくなってしまいます。自分の無責任な言動(あるいは意図的なサボタージュ)に対する処分を受けて、反省するどころか開き直るというところが、始末におえません。
「ベンチがアホやから野球がでけへん」と監督批判したピッチャーは、そのシーズンで引退しました。自民党執行部批判をした園田さんは、まず幹事長代理を辞任してから、批判しました。自らの属する組織を批判するには、それだけの覚悟をもってするものです。
おそらく、皆の想像通り、この人はウラで反民主グループと通じていて、今回の事件はすべて、民主党への支持低下を謀るための行為で、最初から筋書きがあったのでしょう。自分の党内の人間と話をする時に隠しマイクを持ち込んでマスコミに売るぐらいの人ですから。小沢氏が、その辺のことを前もって知らないわけがないのです。誰が危ない人間かぐらいは当然すべて知っていて、なおかつ、小沢氏は彼らを要職に起用しているのだと思います。あえて自分に反感をもっている人間を使って、与党の要職をつとめさせることで、多様な人間を含むより包容力のある党として成長することを目指しているのだと思います。であるのに、困り者の渡部爺とか前原氏とか今回のこの人とかには、日本の政治全体も小沢氏のビジョンも見えていないわけで、政治は昔から派閥間権力闘争で、自己利益のためには誰かを追い落とすしかないとでも思っているのでしょう、志が卑しくて、それがまた丸見えなので、見苦しいのです。
生方氏の更迭の決定を聞いて、小沢氏は「残念だ」と言いました。この読売出身の人にも、派閥間権力闘争のような低次元のことにとらわれず、日本の国をよくするためにもっと大きな目標を見てもらいたい、と小沢氏は考えて、そのために副幹事長という役職を与えて力を発揮する機会を与えたのでしょう。しかし、親の心子知らず、小人の目は曇ったままであった、そのことに対して、「残念だ」と言ったのだろうと私は思いました。
ネットでの大勢の意見は、生方氏は党除籍処分に値する、こういう組織の人間としての自覚もなく、辞職の覚悟もないくせに、執行部の悪口を本人ではなく、外部メディアに向かって垂れ流す、そういう害虫を党においておいてはいけない、という当然の反応です。しかし、小沢氏のビッグピクチャーには、こういう反小沢勢力も日本の政治のプレイヤーとして折り込んであるのだろうと思います。だから、これからも小沢氏は、反小沢派の人間も、多分、可能な限り引き続いて重用していくのであろうと私は思います。問題は、小人が自ら気がついて成長するのを、小沢氏はじっと耐えて待つしかできないということです。人は自ら気づかないと成長しないのです。いくらよい先生がよいアドバイスを与えても、聞く耳をもたなければどうしようもありません。