新年早々、グラントのリジェクトのメールが来ました。これで昨年書いたグラントは3本とも全敗に終わりました。このグラントは結構イケそうな予感がしていたので、ちょっとがっかりです。ただ、書くのに時間はかなり費やしたもの、アイデア段階で応募したので、物質的、金銭的なダメージはあまりありません。いろいろ勉強させてもらう機会になったと前向きに捉えたいと思います。当たっていたら、一緒にやってくれている若い子たちの給料ももうちょっと払って上げられるのになあと、取らぬ皮でいろいろ妄想していたのですけど、がっかりでした。めげずに、前向きにやるしかないですね。下手な鉄砲もなんとやらです。研究は、論文とグラントが飯の種、それにつけても金の欲しさよ。
ところで、アイオワでの共和党党員選挙、ロン ポール、ロムニー、サントーラムの順を予想したのですが、外れました。アイオワ人を過大評価したのかも知れません。結局、ロムニーとサントーラムが8票差という僅差で25%ずつ、ポールが22%でした。サントーラムの大躍進は特筆に価します。アイオワでのキャンペーンに力を入れていたという話は聞いていましたが、あわや一着になるところでした。アイオワでの結果は必ずしも最終結果に直結するものではないですが、保守的なアイオワでロムニーが僅差で勝ったということをどう解釈するかです。莫大な資金力で大々的なキャンペーンを張ったのにサントーラムとほぼ横並びであったということが、ロムニーがそれほどアイオワ人に好かれていないという解釈も成り立つでしょうし、キリスト教右派が主体の保守的なアイオワでモルモンのロムニーが首位をとったというを、それだけロムニーに期待する人が多いと解釈することもできるでしょう。私の想像では、アイオワでの選挙は党員による投票で、彼らはロムニーを選ぶのに抵抗があったのだろうと思います。ロムニーを嫌った票がサントーラムに流れて、サントーラムの大躍進に繋がったのではないでしょうか。党員選挙でない州、例えば、次のニューハンプシャーなどでは、一般人による投票なので、金をかけてTVなどのコマーシャル枠を多く取った候補に有利だと思います。そういう理由もあって、次のニューハンプシャーではロムニーの優位は動かないと思います。今後、他の候補者がどれだけ差を詰められるか、それから、間もなくdrop outするであろうペリーやギングリッチが残る誰をサポートするかで随分、勝負の帰趨はかわるでしょう。とくにギングリッチとロムニーはどう見ても感情的にお互いを嫌っている様子なので、ギングリッチがロムニー以外の候補を支持することになると興味深いことになりそうです。ギングリッチがロン ポールを支援することは多分ないと思うので、ギングリッチがドロップアウトした後、サントーラムがまだ残っていれば、サントーラムを支援して、最終的にサントーラムが残るという劇的な結果になるかも知れません。一方、ロン ポールはネットでの人気は他の候補者を凌駕しているようです。全米でのTwitterでの共和党候補者の名前の出てくる頻度を調べたら、ポールは二位に三倍ぐらいの差をつけてトップだったという話を聞きました。このネットでの人気と一般調査での人気に差があるのは、大多数の人々はまだまだ、情報をマスコミに頼っていて、沢山TVに出ていてコマーシャルで名前が連呼される人に投票する、という状況を示しているのかも知れません。これは日本でも同じ状況だと思います。テレビに出ている人や知名度の高い人は選挙で有利です。しかも、日本の場合はマスコミの殆どが政府広報の広告収入や大企業の広告収入によって縛られているので、政府(トドのつまりは財務省官僚)と経団連の意向を反映した記事しか載りません。また、TVと新聞のオーナーが同じだったりするので、独立したマスメディアというものは基本的に存在しません。とりわけ、財務省からの日銀への天下り人事を妨害した小沢氏に対する財務省の恨みは強いようで、官僚が仕掛ける国家権力とマスメディアを使った小沢氏の人格破壊攻撃のすさまじさと、ネットでの小沢氏に対する評価とは天と地ほどの差があります。
というわけで、懲りずに当たらない選挙予想、ニューハンプシャーのプライマリーでは、マッケインの支持表明もあって、ロムニーが40%強をとり、ポールがかなりひきはなされての二位、サントーラムはアイオワでの結果で多少支持を上げるかも知れませんが、多分、もっとはなされての3位という感じになるのではないでしょうか。ドロップアウトしたバックマンの票がロムニー以外に流れるでしょうが、その影響は少なそうです。しかし、ロムニー、ニューハンプシャーは楽勝と思ったのか、選挙までまだ5日もあるのに、早々と次の選挙地であるサウス カロライナへ向かってキャンペーンを始めるという話。こういう態度が私は嫌いです。なんだか誠実さに欠けるように思います。そういえば、ギングリッチもロムニーを噓つき呼ばわりしていました。
大統領選と言えば、驚きのニュース。次のセネガルの大統領選に、ユッスー ンドールが立候補するという話。二十年ほど前の青春時代、私も彼の音楽に魅了されました。CDも数枚もっていました。ンバラと呼ばれる重厚かつ繊細であでやかなダンス音楽のリズムを奏でる彼のグループ、スーパー エトワール の音楽は今も新鮮です。当時、日本でもそこそこ流行ったのではないでしょうか。ユッスー ンドールは日本のTVコマーシャルにも出ていた覚えがあります。アフリカ諸国はヨーロッパによる支配から今も完全に独立していません。セネガルもフランス植民地でした。強い民族意識と独立への思いが、ウォロフ語によって歌われるンバラという形にもなったのだと思います。そのセネガルそしてフランスの音楽界のスターであるユッスー ンドールが大統領を目指すというのは興味深いです。日本ではまずありえません。頑張ってもらいたいと思います。
セネガル ナショナルサッカーチームの応援歌としてヒットした「The Lion(Gainde)」、繊細で重厚かつ複雑なリズムセクションが渾然となって美しい、昔好きだった曲、「Sinebar」をYouTubeで拾ったので、リンクをしておきたいと思います。