いろいろ〆切のある雑用が込み合っているのに体調を崩してしまい、気持ちはあせるのに体がついて行かないこのごろです。体調が回復しつつあるので、〆切の仕事をやろうとするのですが、いざコンピュータに向かうと、ついニュースとか選挙速報とかブログとかに逃避してしまい、やっぱり一歩も進みません。
今週は、小沢氏の裁判で小沢氏自らの証言。この裁判が今だに続いているというバカさ加減が腹立たしいです。天木直人さんの言う通り、これは、いいがかりと捏造証拠に基づいた検察審査会による起訴であり、しかも一市民T氏の追求のように、検察審査会は事実上は最高裁の下部組織であり、その審査員の選択に不正があった可能性が極めて高いでっちあげの魔女裁判です。そんなバカげた裁判に税金が使われ、一方で、全く無能でドアホどもの民主党執行部がどうどうとバカをやり続けている現実があります。
植草氏によると、野党時代に、ドジョウは、国会でのアホウ内閣不信任案に賛成して、「年間4500の法人に25000人の国家公務員が天下りをし、12兆円以上の税金が使われている。税金にシロアリが群がっている構図があり、そのシロアリを退治して働きアリの政治を実現しなければならない」と発言したそうです。そのドジョウ内閣は、ムダな公共事業として一旦は中止された八ツ場ダム工事の再開を決め、財務省の口車に乗って、社会保障のためとは口先だけの消費税増税に邁進しようとしています。この変わり身の早さは何なのか。われわれはドジョウがその場しのぎの二枚舌を使うのを何度か目の当たりにしましたが、もうこのような卑怯者はウンザリです。空きカンといいドジョウといい、野党生活が長いためか、その場しのぎと他人への攻撃だけはうまくても、自分自身が責任のある立場になると何もできないのです。無能ならやめればいいのに、取り繕って、問題を隠してやり過ごそうとするから逆にますます状況を悪化させてしまうのです。アメリカと日本国内にドジョウ内閣が二枚舌を使ったTPP交渉参加で、小沢氏は「ああいうことをすると、信用を失う」と言いました。福島原発では、ウソ丸出しの収束宣言で、「誰も収束など信じていない」と、本来、原発容認派の福島県知事からも強い抗議がでました。加えて、ドジョウのやろうとしている消費税増税は、マニフェストで「しない」と約束したことです。また、内閣改造をやれば野党も消費税に乗ってきてくれると思うその浅はかさも見苦しいです。こういう自分ことしか考えていない連中が国を運営しているのですから悲しいです。
さて、話かわって、アメリカ大統領選。ニューハンプシャーのプライマリーは、ロムニー39%、ポール23%という結果でした。この勝利を受けて、ロムニーは「歴史がつくられた」と勝利スピーチをしました。しかし、私は逆にこの結果をみて、アメリカ経済にとんでもないことが今後おこらない限り、ロムニーが大統領になる線は消え、オバマの再選が決まったと感じました。選挙前調査では、ロムニーは40%以上を取ってぶっちぎりで勝利し、ポールは20%に届かないだろう、という予想でした。結果はロムニーは40%に届かず、逆にポールは予想より3%以上、上乗せしてきたということです。このことがロムニーの支持がじりじり落ちて行っていることを示唆しているように感じたのが一点。そして、二点目は「歴史がつくられた」ほどの低投票率です。これは即ち、ニューハンプシャーの有権者は共和党の候補に興味がない、ということを示しているのではないでしょうか。逆に言えば、ニューハンプシャーは共和党候補者の誰にも期待できないのでオバマでよいと思っているということなのかも知れません。現状を考えると、アメリカ経済がこれから上向きか現状維持のまま本戦に突入すれば、ロムニーではオバマに勝てる可能性はまずありません。
ポールは共和党内では異端者なので最終的に大統領候補に指名されることはないだろうとは思いますが、彼は色々な面で興味深いです。まず最高齢者の候補でありながら、支持層はもっとも若い人々、ネットユーザーに多いということ、そして、彼の主張する、個人の自由の尊重、政府の教育や療制度への干渉の否定、これらはある意味、昔のヒッピーの思想にも近いワケで、体制側から見れば、国家としての社会の安定を否定する「過激」思想とも言えます。その他の一般共和党党員の考えとは隔たりがあるでしょう。
選挙後のスピーチで、ポールは若者のように語っています(下のビデオの3分ぐらいから)。「われわれの運動はだんだんと大きくなっている。この勢いは止まらない。... われわれはメディアから随分無視されてきた。しかし、最近、ついに認知されてきて、つい笑ってしまうことがある。それは、メディアや対抗馬の人々が、私を『危険』と形容することだ。しかし、彼らは一つ、真実を語っている。われわれは、事実、『既存体制』にとって、危険なのだ。そして、われわれはFRB経済システムにとっても危険であり続ける」と述べて喝采を浴びていました。FRBシステム、日本で言えば、日銀が銀行券の発行を握っており、そして日銀の銀行券しか「金」として使用できないというシステム、は、いわば、国民を一括して「金」の奴隷としてコントロールするシステムです。もし、FRBや日銀の銀行券以外に地域コミュニティー自身が独自に、物品交換のための地域の金、例えば、テキサスドルとか関西円とかを発行する権利を持てば、地域の力はもっと大きくなり、税金も地方が独自に管理でき、連邦政府に地方がコントロールされて国民全員が中央政府の奴隷となっている現状が変わる可能性があります。もちろん、地方や一般国民から吸い上げた金を自由に使いたい既存体制が許すわけがありません。ポールの主張は極端には地方分権の促進、連邦政府に縛られている個人の自由の回復ということでしょう。
主に税金ベースの研究費で生きている研究者としては、彼の政策には必ずしも賛成できませんけど、彼の政治に対する姿勢はひたむきで正直でよいと思います。76歳になって、「俺たちはデインジャラスだぜ!」とか言って若い支持者を湧かせるのも好感が持てます。愉快な老人です。頑張ってもらいたいと思います。
スピーチが盛り上がっていて楽しいので貼付けておきます。