スーパーチューズデーが過ぎ、現在、アメリカ大統領選の共和党候補では、ロムニーとサントーラムがどうもトップ2となっています。ロムニーもモルモンでサントーラムのような保守というわけでもないので、共和党の主な支持ベースとなっている人々の票を集められず、金にまかせたキャンペーンでなんとかトップを維持しているという状態です。この二人のどちらかが最終的に指名されるのでしょうが、どちらが共和党候補になったところで、オバマには勝てないでしょうから、私はすっかりこのレース、興味が冷めてしまいました。
数日前、アメリカ共和党議員、ウォルタージョーンズが、新聞のインタビューで「ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺、ホロコーストは、実際に全く起こっておらず、そのような出来事は世紀の大嘘である」と述べて、論議を醸しました。そして、イタリアの新聞、レププリカも、フランス人作家ロベール フォーリソンが「ホロコーストは現実のものではない」という論説を掲載しました。ユダヤ人強制収容所があったことや、ユダヤ弾圧があったことは事実のように思いますが、ホロコーストが本当にあったのかどうか、私は判断する術を持ちません。世界の情報が新聞やテレビだけに依存していた二十年ほど前までは、うまくついたウソなら世界中を騙すことも可能だったでしょう。日本でも「南京大虐殺」はでっちあげだと言って、中国の反発を買った市長がいました。ホロコーストが現実にあったのかどうか、南京大虐殺が本当にあったのか、本当に人類は月に行ったのか、確たる証拠はなさそうに思います。ただ、ホロコーストや南京大虐殺や人類の月面到達は、殆どの人々の頭の中では、本当にあったことと認識されているので、その「ドグマ」に異議を唱えると、すでに人々の感情的な抵抗にあうレベルに達しているということは言えるでしょう。ちょうど「9-11は本当はイスラム系テロリストの犯行ではなく、アメリカの自作自演ではないのか」とアメリカ人に問いかけるようなものです。ホロコーストがウソだとして、誰がそのウソを何のために仕組んだのか、その連中は今、どういう立場にいて何を目指しているのか、ちょっと考えておく価値はあると思います。そして、何十年も経ってから「ホロコーストはウソだ」と主張する人々が現れ始めたということが示唆することは何か、興味深いです。私はアメリカ、ヨーロッパ経済を牛耳ってきた連中の力が弱まってきたしるしではないのかと想像したりしています。
同様のことが、「イランが核兵器を開発しようとしている」というイスラエルの主張にも言えるでしょう。イスラエルの強硬な態度は、ちょっと異常なものを感じます。何の証拠も無いのです。これは、「フセインが大量破壊兵器を隠している」と言いがかりをつけて、アメリカがイラクへ侵攻し、破壊兵器など何もみつからなかったら、急に「イラクは民主主義でない」と理由を変えて、フセインを殺したブッシュのやり方を思い出させます。イランを第二のイラクにしたいと、ブッシュの黒幕だった連中は浅はかにも考えているのでしょう。イランに侵攻するその口実として「イラン核武装」を声だかに叫んでいる、そのように聞こえます。果たして、オバマはこの筋書きに乗るのかどうか、幸い、今年の11月の大統領選を控えていますから、少なくとも、再選まではイラン侵攻は引き延ばしたいと思っているでしょう。クリントンも「イランの核開発は軍事目的ではない」と言ったというニュースもありましたから、余計、イスラエルの「イランが核兵器を開発しようとしている」という主張が不自然に聞こえます。いずれにせよ、アメリカ抜きでイスラエルはイランを攻撃できませんし、そのアメリカはイラン侵攻におよび腰になっているというのは、とりあえず世界平和のためにはよいことだと思います。これもアメリカの黒幕といわれる一部のユダヤ人の力の衰えを示しているのではないかと思います。