百醜千拙草

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声をあげる

2013-11-19 | Weblog
折々に見る反体制ブログ(?)、「独りファシズム」の週末の情報エントリーに次のようにありました。

皆様もご承知のとおり、14日の衆院国家安全保証特別委員会の答弁において、「特定秘密保護法案」の処罰対象がブロガーにも及ぶことが明らかとなりました。我々電脳の論者は岐路に立つこととなり、閉鎖を視野に入れ今後を検討しなければなりません。法案の審議を見定めてから次回の記事を更新したいと存じておりますので、ご了承お願い申し上げます。


これまでは、体制側は、言論封鎖するために、痴漢、窃盗、脱税、などとわざわざ面倒な罪状をでっち上げ、影響力のある個人を抹殺してきたワケです。しかし、この法案が通れば、もう痴漢をでっち上げるために、品川線チームを煩わせる必要もなくなり、これからは都合の悪い情報を流すブログを運営する個人をどうどうと逮捕して沈黙させることができるようになったということです。私が生きている間に、こんな野蛮な時代に逆戻りするようになるとは思っていもおりませんでした。(あるいは、単に隠されていた野蛮さがあらわになっただけのことかも知れませんが。)

ほんの100年にも満たない昔に、ファシズムが如何にヒューマニズムを激しく冒涜し、人々の自由と命を奪い、地球を破壊してきたか、われわれは学んだはずではなかったのでしょうか。われわれは「権力は腐敗する」という事実を学び、権力の腐敗と暴走を防ぐために、憲法を作り、人権を謳い、情報を公開するシステムをつくり、三権を分立させようとしてきたのではなかったのでしょうか。
結局は、三権はウラでは手を結び合って連立しており、憲法には抜け道がつくられ、人権は無視され、情報は隠蔽されてきたのでした。われわれが愚かにも、日本は近代民主主義の法治国家であるというウソを小学校で教え込まれて、信じていただけの話なのでした。

歴史は繰り返し、人々は殺し合い、反省してはまた同じ過ちを繰り返す。そういうものなのかも知れません。しかし、われわれは、先人が苦労して築き上げようとしてきた個人の権利が尊重される民主主義社会を目指して努力しつづけることをを止めてはならないと思います。そもそも「民主主義」という反動物的なシステムを維持するのには、たえざるエネルギーの流入が必要です。そうでなければ、封建主義時代、帝国主義時代や、そして今の日本がなりつつあるように、カネのあるもの、力のあるもの、武器を持っているものが、大多数の持たざる人々を支配することになります。人権とかいうものはアプリオリに存在するものではなく、守り維持していかなければ失われてしまう概念です。力のないわれわれが、自らを守る意志をもって努力しなければ、われわれは容易に再び奴隷にされることになるでしょう。(すでに、多くはカネによって支配される奴隷となっていますが)

有名なマルティン ニメラーの詩、『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』が、本当に人ごとでなくなってきました。これまで、外国での野蛮な出来ごとだ思っていたことが、われわれ自身におころうとしています。黙っていてはいけないと思います。

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった
私はユダヤ人などではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった


彼らが、体制批判をする経済学者に対して痴漢事件をでっち上げたとき、贈収賄罪容疑で政治家を逮捕したとき、野党第一党の党首を選挙前に脱税容疑で執拗にガサ入れしたとき、官僚組織の裏金を追求しようとした政治家をヤクザを使って暗殺したとき、多くの人々は声をあげませんでした。しかし、これらは実はすべて、われわれ自身の問題でもあったのです。
今では、彼らがこのような姑息で汚い手を使って、言論封鎖し、真実を隠そうとする手口は、日本人の多くに知られてしまいました。だから、今回のような法案を使って、もうなりふり構わず、力づくでやると本性を見せ始めたのでしょう。彼らは追いつめられているからこそこのような露骨な手を使ってくるのです。

だからこそ、声はあげ続けなければなりません。団結し、諦めず、持続的に声をあげ続け、We Shall Not Be Movedと座り込んだ人々のように、不屈の魂をもって、われわれ自身と将来の世代のために、人権が尊重され民主的である社会を築き守っていかねばならないと思います。
コメント
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