百醜千拙草

何とかやっています

本能と理性のコンフリクト

2014-10-21 | Weblog
先日、読んだ話。この三つの話には、共通点があると思います。いずれも、解決は困難な問題であり、その理由が、長期的な繁栄よりも目先の利益、社会全体よりも自分の利益を何より優先するという動物的本能によるものであるからです。

続壺齋閑話から

クローニー・キャピタリズム (Crony capitalism)とは、文字通りに受けとれば、縁故がものをいうような不透明な資本主義ということになるが、ここでは、競争を排除して独占的な利益を追求するような経済活動を指している。日本の原子力村はクローニー・キャピタリズムの重要な特徴をそなえている。政府と密接な関係で結ばれている。様々な規制を通じて利害が守られている。彼らが受け取る利益に対して、彼らが社会に還元する貢献が少ない。もっと率直に言えば、利益は自分たちの仲間で分配して、損害は社会のツケに回す。福島原発の事故で起きた事態がその典型的な例だ。

ネットの書き込みから。
夏休みに海外にボランティアに行った。比較的十分な設備が整ってる地域だと聞いた。
現地では農作業や井戸の整備などをすると聞いていたのだけど、現実は違った。
現地の人たちはユニセフやNPOの手厚い支援を受けて、食器から食べ物を自分の口に運ぶ機械と化していた。
金属製の汲み上げ機があるはずの井戸は解体され、金物屋に売りさばかれたらしい (完成した翌日に)。
子どもたちは学校に通ってるのかと思いきや、小さい子たちは昼寝か遊んでる。
大人たちは配給所を撤退させまいと農地を荒らしたり、農機具の破壊に勤しんでいる現実。
こんな人たちに支援する人の気がしれない。
 
東京新聞から
意欲や能力はあるのに、お金がないばかりに大学を中退する。そんな憂き目に遭う若者が多い。教育格差は貧富の差を広げ、世代を超えて連鎖する。高等教育の無償化をもっと真剣に考えるべきだ。
 文部科学省調査では、二〇一二年度の大学や短大などの中途退学者は七万九千人。このうち20%は経済的な理由だった。
 問題なのは、国の奨学金だ。貸与型のみで、返済不要の給付型がない。しかも、無利子より有利子の貸出枠の方が大きく、大学進学を諦めたり、卒業後の返済に行き詰まったりする若者が大勢いる。
 多くの先進国では大学授業料が無償だったり、公的な給付型奨学金が出たりする。
 目先の経済成長にとらわれ、次世代への投資を怠っては未来は開けない。高等教育の無償化は、教育基本法や子どもの貧困対策法の要請であるだけでなく、国際人権規約に基づく国際公約でもある。

将来の国の存続と繁栄よりも、目先のカネ。国民全体の利益を上げて税収を上げるのではなく、国民生活を犠牲にしてでも増税によって一時的に税収を上げようとする態度。将来の日本よりも今の自分の生活。人間の理性と知恵よりも動物的本能に従う人々が「国家」という人間特有の組織を率いている現実。

国を率いるのに不適格といえば、アベ政権です。アベ政権が歴史の事実とその国際的解釈を無理矢理にねじ曲げて、日本近代史ロンダリングして「美しい国」に整形手術して劣等感を払拭したいとでも思っているようですが、それに関して国際社会が示している批判を紹介するに二つのブログ記事を読みました。

テッサ・モリス=スズキ教授の語る安倍政権と慰安婦問題 (内田樹の研究室)

安倍首相とその支持者たちがそのような否定を行う一方で、これまで「慰安婦」に関する歴史を伝えようとしてきた日本の記者、歴史学者、出版者その他のひとびとがいま右翼グループからの激しい攻撃にさらされている。
 朝日新聞は、この問題に関して比較的バランスのとれた報道を行おうとしてきた機関であるが、競争関係にある右翼の報道機関や有力政治家たちによって激しく非難されてしまっている。、、、最近、安倍首相も菅官房長官もともに、「日本の国際的名誉を損なった」として朝日新聞を断罪した。、、、、大半の有力マスメディアが沈黙を強いられてしまっている。今もなお日本政府による強制連行否定を批判的にとりあげていたり、強制連行されたことを証言している元「慰安婦」の記事を掲載していたりするのは、せいぜい一、ニ社の勇気ある小規模な新聞だけだ。、、、、 しかし日本が、女性に対する過去の重大な暴力を否定しているあいだは、またその歴史について語る自国民たちを攻撃し抑圧しているあいだは、この主導的役割を果たせはしまい。


世界中に恥とバカを晒し続けて、日本の評価を落とし続け、日本の国際的名誉を損なっているのが誰かは国際社会はよく知っています。知らぬは当人ばかりなり(?)です。

イギリスの新聞「Times」がNHKの内部文書を暴露!日本政府がNHKに南京大虐殺や慰安婦などへの言及禁止を指示していた (真実を捜すブログ)
イギリスの新聞紙「Times」がNHKの内部文書を暴露しました。Timesが暴露した文章によると、NHKは安倍政権から南京大虐殺や慰安婦問題などへの言及を禁止されていたとのことです。安倍政権側はNHKに強く日本の保守的な民族主義と政府の立場を反映するように命令し、NHKもそれに従っていたと報じられています。
Timesは「イギリスでは話題になっている情報も取り上げられない」と述べ、安倍政権とNHKが癒着していることの問題性を指摘しました。

安部首相が政権を取ってから真っ先にやったことがNHKへの脅しだったので、今回の件も予想通りだと言えます。そして、この内部文章のお陰で、日本政府が南京大虐殺や慰安婦問題などを誤魔化そうとしていることが改めて分かりました。前に外務省がホームページの慰安婦関連の記述を削除するということがありましたが、これも政府の方針と何か関係がありそうです


外務省は慰安婦関連のウェッブサイトをこっそり削除しました。「村山談話」をなかったものにしようとしているのです。そのお粗末過ぎる姑息さには「情けない」としかいいようがないです。
コメント
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