五年前のアベとプーチンの記者会見の映像がネットで話題になっていたました。この時のすでにプーチンに茶番を記者会見で指摘され、「処置なし」の巨大な溜め息を吐かれたアベ。プーチンにしてみれば、アベと話すことは時間の無駄と思ったのでしょう。それから五年、何が悪いのか全く理解できないくせに、北方領土問題で名をあげたいアベと外務省はしつこくロシアに絡み続け、それが、プーチンとロシアをイラつかせ、「北方領土と呼ぶな、南クリル区だ」、「日本は唯一第二次世界大戦後の条約を理解していない国だ」と態度を硬化させてしまいました。先日は日本国内向けにアベがついたウソに抗議、また、記者会見でそのウソがばれるのが嫌で外相会談後の記者会見をしないように河野太郎がロシア側に求めたことも暴露されました。
ニュースによると、この売国奴はこれまでの日本政府の主張を全部反故にして、正式に北方領土、全土の主権がロシアの帰属することを決定し、代わりにその5%に過ぎない二島の引き渡す可能性を残す(しかし主権はあくまでロシア)、という無条件降伏で決着させようとしているようです(安倍政権、2島決着案を検討ー北方4島返還「非現実的」)。このニュースでは、言葉を選んで「引き渡し」と「返還」を使い分けていますが、もはや「返還」は二島であってもありえないのです。全島の主権はあくまでロシア。それを確定した上で二島なら引き渡す(可能性)について合意しようとしているわけで、外交的には「完敗」、アベはそれでも日露平和条約が成立すればOKなのでしょう。株価を維持するためだけに、日銀のカネで株を買い支えさせるようなことをするような連中ですから、己の体裁のためには、戦後の日本政府の努力をすべて水に泡にし、ロシアには徹底的にバカにされた挙句、国土を売り渡すことなど「へ」とも思っていないのでしょうな。
「原稿のアベ」https://twitter.com/toubennbenn/status/1086400933334941696
五年前の記者会見で、原稿を読みながら質問する記者と、それに原稿を読みながら回答するアベを見て、プーチン、自分の意見を言う前に「今、記者の人が原稿を読みながら質問したことに気がつきましたが、質問を書いた人に伝えてください」と、アベの自作自演を皮肉っています。
さて、気分の悪い話はここまでにして、オーストラリアン オープンテニスもいよいよ後半。先のUSオープンの大坂選手の優勝以来、またちょくちょくテニスを見るようになりました。大坂選手、素晴らしい。グランドストロークのパワーと読みのよさ、カウンターのキレ、昔のマルティナ ヒンギスをよりパワーアップしたような感じです。やや早いタイミングで放つパワーショットの破壊力は抜群です。女子テニス界でもトップではないでしょうか。弱点と思うのはややスロースターターなのと、あとはセカンドのスピンサーブかな、と思います。
スピンをかける必要のあるセカンドでは、腕の下から上への振りでスピンをかけつつ体の前への移動を使ってラケットの後ろから前への動きを補いますが、大坂選手の場合は、ファーストとあまり変わらないフォームで体が開き伸びきったぐらいの位置で打っているようで、そのために後ろから前への運動が弱いように思えます。
サーブといえば、私がテニスを見始めてから今まで、メカニカルに最も美しいサーブを打つのは男子ではサンプラスだと思います。体、肩、肘、手首のすべてを連動させて、パワーとスピンを両立させています。女子では、(異論もあるでしょうが)リサ レイモンドのスピンサーブ。レイモンドのスピンサーブは教科書的に美しい(と私は思います)。インパクトまで体を横向きに保ち、腕の振りでスピンをかけつつ、トスしたボールの眞下に体を前に移動させることでスピードを出しながら、そのままネットへと出て行きます。
自分でプレーしていた時は、女子テニスもよく見ていました。これまでの女子テニスプレーヤーの中で抜群のテニスセンスを持つと思うのは数人います。一人はマルティナ ヒンギス。ボールのスピードや破壊力はないものの、安定したフォームで左右に自在に打ち分けるトップスピンのグランドストロークは素晴らしい。しかし、大坂選手は絶頂時のヒンギス以上だと思います。それからベルギーのジャスティン アナン (Justine Henin)。彼女のシングルハンドのバックハンドトップスピンの切れ味は鋭く、小柄ながらもキレとパワーのストロークでとチャンスをつくり、ネットで決める、美しいテニスでした。それから、リサ レイモンドです。シングルスプレーヤーとしては、あまり知られていないかもしれませんが、ダブルスではグランドスラムで10回以上は優勝しています。レイモンドのスピン サーブはボレーのためのサーブ、そして知る限り、女子最後のネットプレーヤー。パワーテニスの時代はシングルスではネットプレーヤーは不利で、自然とダブルスが主な活躍の場となりましたが、レイモンドはストロークプレーのレベルも高いと思います。彼女より前の世代の女子ネットプレーヤーといえば、ナブラチロワ、それから最近若くして亡くなりましたが、ヤナ ノボトナ。ノボトナのスピンサービスも悪くないですけど、ノボトナもナブラチロワもストロークプレーが弱点。レイモンドのストロークプレーは、同じような体格のアナンほどのパワーはないものの、シングルハンドのバックハンドのトップスピンは美しい。もうちょっと身長とパワーがあったらシングルスでも大活躍できたのではと思うのですけど。
さて大坂選手。体格にもテニスセンスにも恵まれ、近い将来、彼女がランクNo1となる可能性もかなり高いと思います。最近は女子テニスもヘビー級の格闘技のような迫力ですが、日の丸を背負った選手が、パワーで相手をねじ伏せるのを見るというのはなかなか感慨深いものがあります。一方で、小柄な選手が技と頭で戦う試合が見れた昔もよかったなあと思います。
2004オーストラリアンオープン、ヴィーナス ウィリアムス戦でのリサ レイモンドの教科書的なスピンサーブからのボレー。その次のポイントでは、ライジングでの片手打ちバックハンドトップスピンでのカウンター。