百醜千拙草

何とかやっています

カネ集め

2019-04-05 | Weblog
ウチの施設の内部の研究発表シンポジウムに付随して、施設の研究支援の取り組みに関する会議がありました。会議はオープンでウチの施設に所属する研究者や関係者はだれでも会議場に入ることができます。この研究支援組織は10人ほどの外部のアドバイザーからなる委員と年に一度シンポジウムの翌日に会議をしているのですが、今年は、その昼食会に一般研究者として参加しました。
同じテーブルになった委員の人はこれを数年やっている人で、その昼食会でのトップ トピックは、常に、研究資金の絶対的不足の中でいかに研究者を支えていくか、ということだと、ま、当然のことを確認してくれました。いつもカネの話で食傷気味です。しかし、「キャバレー」の歌の文句ではないですが、カネが世の中を回しているわけですから仕方がありません。
この研究支援金はピンチのときに申請すれば、審査に通れば受け取ることができます。私もかつて二度ほどこの支援金でピンチを救ってもらったことがありますので、大変、ありがたいシステムですが、その資金が底をつきつつあるという現実をこの間、知りました。

研究者の立場からすると、自前でカネをなんとかするには限界があるわけで、組織がそのリーダーシップを発揮して、内部での継続的な研究支援金を配布できるようなシステムをつくる必要がありますが、一般研究者の立場から見ると、どうもそれが今のところうまく行かなくなってきているようです。

問題はカネの出所です。ウチの施設では、基本的には、篤志の寄付金や臨床からの余剰収入などで賄ってきたようです。その外部の委員の人のいた施設では、研究費について支給される間接経費の一部も研究支援目的で使っていたと言っていました(それが、法的に許されるのかどうか知りませんが)。

昨日のシンポジウムのあとのレセプションで資金管理の人と話していて知りましたが、ウチの施設でも寄付を募る専門部門があって、職員を雇い、寄付者を探すような努力はしているそうで、私も少額ながら毎月寄付しています。
その委員の人の話で興味深いと思ったのは、その人がかつて所属していた施設の近辺にも別の有名な研究施設があるのですが、そこは寄付金集めが非常にうまいという話でした。特別なグループの人々にカスタマイズした寄付金集めをしているのがその理由ではないか、という話でした。例えば、女性研究者を支援するための寄付を女性権利向上を目的に活動しているグループに対して募るといったように、各グループの活動目的にあったような形で支援をお願いするのだそうです。ウチの施設もそのような形での寄付活動をするように委員会で進言してもらいたいです(してくれているとは思いますが)。

しかし、現状を知ると、このままカネが尽きたら、研究支援どころか研究支援組織そのものが崩壊するかも知れないな、と思った次第です。
コメント
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