バイデンが日本に到着したというニュース。どの報道も当たり前かのように、バイデンが専用機で米軍横田基地に到着して、米軍のヘリで都心へ入ったと報道しています。トランプも同じルートで来日しました。しかし、それ以前の大統領は(一部、例外を除き)成田か関空といった普通の空港から正規の入国手続きを経て来日しています。しかし、トランプにしてもバイデンにしても直接在日米軍基地に入り、軍用機で国内を移動したということは、日本政府の正式な入国手続きを受けていない可能性が高いということです。この意味するところは、バイデンは、日本を独立国と見做しておらず、他国を訪問する大統領としてではなく、米軍の最高司令官として日本という植民地に来たということを示唆すると思います。バイデンは日本の軍拡とアメリカ軍事戦略への参加について話したそうですから、昔ながらのアメリカ軍事産業、戦争商人の代弁者としてきたのでしょう。幸い、バイデンも二期目はなさそうですが、トランプも御免です。
さて、大統領といえば、今年の選挙では、フランスでは極右候補ルペンを抑えたマクロンが二期目大統領、そして、つい先日のオーストラリアでは保守をおさえて労働党が下院の多数を握り、9年ぶりの政権交代となりました。この世界的趨勢を見ていると、全体主義と個人主義が拮抗しているなかで、それでも個人と庶民の権利を国家よりも上に置く政党が支持されているのかなと思います。問題は日本です。世界の中で日本だけ異常な気がします。
参院選が迫ってきました。先進国で唯一、経済政策の失敗で貧しくなった国、日本。ここまで国民が痛めつけられているのに、さらに消費税増税、改憲による全体主義、侮辱罪、などなど、数えきれないほどの悪法を強行採決し、格差を拡大し、国民の自由を奪い、独裁三流国家に向けてまっしぐらの自民党、その首相の支持率が高い。確かに前任者とその前にくらべては穏やかそうで反感を買いにくいとは言え、無能さにかけてはそれ以上です。アベは言うだけ(それもウソを)、スガはしゃべりもできず、そしてキシダは聞くだけ。その間に悪魔のアジェンダを粛々と実行していく自公維。ま、こういう連中が選挙で当選していくのだから、民意といわざるを得ないわけですが、半数の国民は政治や選挙に関心を持つ余裕がないと状況、貧すれば鈍する、下降スパイラルに入ってしまった以上、抜け出すのは容易ではありません。
れいわや共産党や一部の立民がいくら本気で訴えても聞く耳がなければ国民を選挙に向かわせることさえできませんから、残念ながらこの参院選で野党が逆転できる可能性は極めて少ないと言わざるを得ません。
その後の三年間は三流独裁国への道を真っしぐらでしょう。ヘタをすると自民党はこの隙に、改憲し、どこかの国の戦争にわざわざ介入して、非常事態を宣言し、自民党改憲案99条に基づいて、国政選挙を延期し、独裁政権を永久に続けようとするかも知れません。
その間、政権批判は、先日、成立した「侮辱罪厳罰化」でどんどん取り締まり、政府を批判するものは刑務所にぶちこみ、言論封殺する。ロック歌手が大統領を批判したら五万ルーブル罰金刑のような国になる(もうなってますかね?アベ批判で詐欺罪をでっち上げられて収監された籠池さんの例もありますから)。
いずれにしても、三流独裁国家の国民生活がどんなものか想像するのは難しくないでしょう。日本人で北朝鮮で生活したいと思う人は余りいないと思います。そうした国が栄えて、世界に貢献することはありません。
明治以後、国際社会で一定の存在感を発揮してきた日本でしたが、この参院選以後は急速に国際社会から脱落し、そして忘れ去られていくだろうと想像されます。上がれば落ちる、栄えれば滅びる、それは歴史の必然とはいえ、まだ日本が(少なくとも経済や科学技術で)一流国と思われていた時期に青春時代を過ごした者としては寂しい限りです。