先日、十年ほど前から起業した某大学の研究者だった人が知り合いの知り合いという絡みでやってきてくれました。数年前に大学も辞めて自分の会社に専念しているとのこと。私と同年代ながら、そのバイタリティには敬服の限りです。こちらはこのまま研究から足を洗って隠居生活へ摺り足で向かおうとしている状況ですから。
会社のウリにしている技術の性質上、大学の施設でさえもできない研究なのに色々な別業種の人の協力を募り、研究を軌道に乗せてきたとの話。ただただ、尊敬します。ビジネス面でも大変なはずで、人も雇っているし、かなり運営資金もかかっていると思ったら、自己資金と奥さんのビジネスでの利益、それからエンジェルの投資金を会社に注ぎ込んでいるという話。むしろ奥さんの方がノリがよくて、「私が稼いでくるからアンタは夢を追いかけなさい」というような感じでした。
私のところは、私が長年、痛い目に遭ってきたせいで、ロマンを追うよりはまずは老後資金の確保、大きく賭けてアドレナリン ブシューよりは、昆布茶でセロトニンというタイプなので、人生の伴侶と共に夢を追いかける人生というのは正直羨ましいです。
私は、リーダータイプではないし、クリエーターというわけでもありませんが、物事を評価し、再解釈する批判者としては、多分才能があると思っております。彼らの夢を追う姿勢は眩しいのですが、ビジネスのネタにするにしては、その技術の成果はまだ足りないとしかいいようがないと思います。これがビジネスではなく、大学の大学院生の研究なのであれば、それなりに良い論文になって学位にはなるでしょうけど、今のままではまだビジネスになるには遠いように思います。少なくとも一つの重要なデータを確定させて、それでパテントを申請してからでないと、難しいだろうと思いました。ま、もちろん私がそういうことを言っても、関係が悪くなるだけで何もいいことはありません。つまり、私の能力(批判能力)が、実際に役に立つことは滅多にないのです。選べるのあらもうちょっとパッとした能力をもらいたかったですね。