百醜千拙草

何とかやっています

フレンチサルサ

2007-04-10 | 音楽
YouTubeで昔の音楽を聞いていて、Lambadaのビデオクリップに行き当たりました。20年近く前、すごくはやりました。私はその頃は余りラテン音楽には興味が無かったし、そもそも、ラテンと言えば、それより更に一昔前の日本のラテンブームの頃にはやったマンボとかブガルーとかの暑苦しいイメージがあったので興味が持てないでいたのです。Lambadaも流行したから耳に覚えがあっただけのことでした。Lambadaが大流行した後に、ふとしたことで手にしたレコードが、フランスでのズークの祭典、”Le Grand Merchant Zouk”のライブ版でした。例によってズークの流行が過ぎ去ってから初めて聞いたのです。ズークはラテンにしては比較的単調なリズムを持つダンス音楽ですが、カリブのフランス領グアドループ島やマルティニーク島で発達したもので、フレンチクレオールの歌詞とあいまって独特の雰囲気を持っています。その中で歌われたバラード、Caresse Moinはズークとは言えませんが、単調ながら哀愁を帯びたメロディーで、ラテンというよりは歌謡曲ののりで印象に残ったのを覚えています。Caresse Moin (Caress me) はMarie-José Alieの歌でヒットしたのですが Marie-José Alieは、マルティニークのグループ、Malavoiで一時歌っていました。Malavoiが最も有名だったころ、多くのラテングループが管楽器を使ってリズム重視の演奏をするなかで、Malavoiは厚い弦楽器のセクションによるメロディアスで、ヨーロッパ音楽の雰囲気の強い音楽を演奏していました。独身のころ週末のアパートで一人でビールを飲みながらMalavoiを聞いては、南国にあこがれたものでした。地図で見るとカリブのマルティニークは日本からだと最も遠い場所の一つで、お金も時間の自由も無かった昔の私にはそこを訪れることは夢の中の話でした。もちろん未だに行ったことはありません。メキシコのユカタン半島に去年行く機会があったので、何となくカリブの雰囲気もわかるような気はしますが、同じカリブでもスペイン語圏とフレンチクレオールの文化圏は違うのでしょう。グアドループやマルティニークからの音楽は、独特のアイデンティティーを保持しながらもその他のラテンやアメリカ音楽を取り入れています。妙な話ですが、マルティニーク出身のEdith Lefelが歌うフレンチクレオールのサルサを聞いて、私はサルサが好きになりました。スペイン語とは違って、ひと味違う繊細なサルサです。今インターネットで調べていて知りましたが、Edith Lefelは2003年に40歳で亡くなっていたようです。好きな歌手が一人一人去っていきます。これが嫌ならもっと若い人の音楽を聞くべきなのでしょう。
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