先日のガンツの辞任を受けて、ネタニヤフは「戦争内閣」の解散を宣言しました。だからといってパレスティナ殲滅作戦が終焉に向かうわけではなく、統一教会に洗脳された信者のような大半のイスラエル国民はいまだにジェノサイドを支持しているようです。カルト宗教というのは度し難いものです。
さて、イスラエルのジェノサイド、ウクライナ戦争を支えているのはアメリカを中心とする欧米諸国ですが、先週は、欧米から独立した経済圏を構築しようと努力してきたBRICSの躍進の一方で、いよいよアメリカ帝国主義が終焉に近づきていることを思わせられることがありました。軍事力と人口と経済力という点で見れば、BRICSは、アメリカと欧米と日本を含むその他アメリカの属国を凌駕するパワーを持ちつつあります。
先週、ロシアの中央銀行は、中国元をロシアの主な外国貿易基軸通貨とすると発表しました。そしてサウジアラビア、イラン、エジプト、UAE、エチオピアがBRICSに加入。NATO加盟国でありながら、イスラエルのジェノサイドを強く批判しロシア-ウクライナ紛争にも独自の対応をとるトルコもEU諸国から離れてBRICS経済圏に移行するそぶりも見せています。
そして、今回のサウジアラビアのBRICS加盟とPetrodollarと呼ばれる50年にわたるアメリカとのオイル協定(サウジアラビアは石油貿易にドルを基軸通貨として使い、アメリカ国債を購買する代わりに、アメリカが防衛軍事力を提供する)の終焉は、アメリカ経済に大きなインパクトを与える可能性があります。
そして、先週のG7では、欧米+日本の首脳がイタリアに集まり、記念撮影しました。そのThe lame ducks とでも呼ぶべき面々の集まりがネットではさまざまに揶揄されています。G7の最終声明では、「我々は、イスラエルとその国民に対する全面的な連帯と支援を表明し、イスラエルの安全保障に対する揺るぎないコミットメントを再確認する」と宣言、G7が如何なる集まりなのかがよくわかります。受けて、ネットではG7 とは "Genocide 7"のことだ、との批判が続出。平たく言えば、カルト宗教団体と癒着した暴力団アメリカ組系列の集会がG7。
そのほか、集まったメンバーの記念撮影についたコメント
"The losers' club"
The losers club. pic.twitter.com/NK5jCWDI3B
— Olga Bazova (@OlgaBazova) June 13, 2024
集まったメンバーに共通しているのは、全員が国民から嫌われていることだ。
Approval ratings among G7 leaders: the irony of those who claim to be the camp of "democracy" all being, without a single exception, disliked by their own people... pic.twitter.com/vURB0K3iwp
— Arnaud Bertrand (@RnaudBertrand) June 13, 2024
このグループを名づけるとしたら?では、
"Genocide 7 (G7)" "Team Genocide", "The Geno Ciders", "Gang 7" "Terror Squad", "Warmongers ", "The Usual Suspects", "The Pretenders", "8 Horsemen of the Apocalypse", "Ali baba and the seven thieves", "The seven dwarves plus one intruder" ...
などなど、G7 国がイスラエルのジェノサイドの共謀者であることを批判するものが多い一方、リーダーであるはずの彼らが自国の国民からの支持されていないことを指摘する内容のものが多かったです。
G7につづいてスイスで行われたウクライナ和平会議、上記の指定暴力団アメリカ組系列の集まりのペップトーク。ウクライナとロシアの和平のための会議なのに、一方の当事者であるロシアは招待さえされず。欠席裁判でアメリカとNATO側に都合のように言われてプロパガンダを流されるのがわかっているプーチンは先だって、「和平案」を提案。
プーチンは、(ウクライナを含めて)ヨーロッパ諸国がアメリカの手下となって、対ロシアに使われていることを強調して下のように述べました。
「ロシアがヨーロッパを攻撃するという発言は全くのナンセンスである。ヨーロッパにとって危険なのはロシアではなく、米国にほぼ全面的に依存することだ。ヨーロッパの政治家たちはアメリカに監視され、圧力をかけられ、(パイプラインで供給されてきたロシア産天然ガスを止めて)高価なアメリカ産ガスの購入を強制されている。もしヨーロッパが世界の中心であり続けたいのであれば、ロシア連邦と良好な関係を保つ必要がある」
そして、ウクライナとの戦争に関しては、「ウクライナ軍が新しい地域(独立を宣言している東部のドネツクとルガンスク)から完全に撤退し、キエフがこのことを発表し、NATOに加盟しないと約束し次第、モスクワは停戦と交渉開始の命令を下すだろう」と述べました。
ウクライナのNATO加盟を防ぐことが今回の侵攻のロシアの主目的の一つであるのは明らかです。冷戦終結時の西側諸国は「NATOは東進しない」という合意をロシアと交わしましたが、例によってアメリカとNATOは合意を守らず、当初12国であったNATO加盟国をこの30年で30カ国にまで増やしてきました。ロシアにとってはNATOの拡大は35年来の脅威であり、ウクライナは譲れない最終ラインでしたが、アメリカはそこに手を突っ込んできました。他国の政治に介入し政府を転覆させるのはアメリカのいつもの手口。事実、アメリカは、2014年のマイダン革命で親ロシア大統領であったヤヌコービッチ大統領失脚を支援したとオバマはかつて語っています。それがなければ、クリミアの独立とロシアのクリミアへの介入もなかったでしょうし、ドネツクとルガンスクでの武力紛争も早期に終結していたしょうし、今回のウクライナ戦争もなかったでしょう。今回のプーチンの発言は、アメリカとNATOに対し、あらためて35年前の約束履行を求めたものと言えます。特に、以前からウクライナ政府軍と独立軍との戦闘が続いてきたウクライナ東部のドネツク、ルガンスクは、2014年にウクライナからの独立を宣言しており、シリア、北朝鮮と共に両州の独立を承認しているロシアは、これらの州の特別地位の承認を重ねて要求しました。
これらのことは歴史的な経緯から眺めると、ロシアにとっては譲れない要求と考えられますが、これに対して、ウクライナではなくNATOが反応し、「ロシアは和平を求めているのではなく、ウクライナの東部を占領したいだけだ」とプーチンの和平プランを拒否。このことからも、ウクライナの戦争は誰がやらせているのか明らかです。
一方、 ゼレンスキーの和平プランは、「ロシアがウクライナの全領土から撤退し、賠償金を支払い、戦争犯罪の処罰を受ける」ことらしいです。これでは交渉の余地はありません。すでに大統領任期が切れての特例暫定政権にしかすぎないゼレンスキー政権が、兵士不足で18歳未満の子供を軍隊にリクルートしているという異常事態を見ていると、いくらアメリカが金だけ出しても戦争継続には限界があるし、ウクライナ国民もいつまでも勝てる見込みのない戦争を続けるゼレンスキーを支持はしないでしょう。
NATO東進が国家存続に直結するプーチンの要求には一貫性がありますが、一方、アメリカはなぜ、ウクライナにこれほどまでの支援をするのでしょうか?朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラクにリビア、などなど、これまでアメリカが世界中でやってきたことを考えれば、その理由は「戦争がしたいから」としか思いつきません。戦争をすると当事国に衰退しますが、軍需産業は儲かります。だから、戦争で儲ける最も良いやり方は戦争は遠い外国でやらせて武器支援だけするということでしょう。アメリカの予算の多額を東ヨーロッパの小国の勝ち目のない戦争に注ぎ込む最大の理由がそういうことだと思います。
「平和憲法」のおかげで、戦後80年近くにわたって積極的に戦争に関わらずにすみ経済発展できた日本で、その憲法を変えてまで、大っぴらに戦争をできる国に変えようと自民党がしているのも、同様の理由でしょう。広く国民から集めたカネ(予算)を組織票や献金と引き換えに軍需産業に回す、いつものネポティズムと利権。
さて、ウクライナ戦争に関して欧米に直接要求を伝えた一方、ロシアはキューバに原子力戦艦を派遣して軍事演習を行いました。アメリカが60年前のキューバ危機を覚えているならば、そのメッセージは明確ではないかと思います。
プーチンも第三次世界大戦を望んではいないし、アメリカ軍産もそこまでは望んでいないでしょう。なぜなら第三次世界大戦は、もはや代理戦争では済まず、ロシア対アメリカの直接対決となって、アメリカ本土への核攻撃を覚悟しなければならないからです。
ウクライナ戦争を通じてロシアとの対立が深まりつつある状況に反応してか、アメリカの下院は、18歳から26歳のすべての男性を自動的に徴兵登録する法案を可決しました。第三次世界大戦を実際に想定しての動きかも知れません。ワシントンのシンクタンクではシミュレーションぐらいはすでにやっているでしょうし。
耄碌が著しいシオニストのバイデンですが、さすがにギリギリで留まってプーチンを本気で怒らせることは避けてくれることを望んでいます。しかし、BRICS経済圏が独立し、米ドルのパワーが失われたらどうなるか、ちょっと予想がつきません。
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