tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

古事記1300年に、八百万(やおよろず)のイベント(2012Topic)

2012年05月08日 | 記紀・万葉
いよいよ最近になって、「古事記完成1300年」を記念したイベントなどが目につくようになってきた。五條市の「うちのの館」(同市近内町526)では、5/13(日)午後1時30分から「青葉の舞台」と題して、やすきひろこさんの1人芝居「阿礼の背中」(『古事記』より)と、補陀義恵尼さんの琵琶語り「青葉の笛~熊谷と敦盛~」(『平家物語』より)が上演される。入館料のみで鑑賞でき、希望すれば11時30分から食事(「梅が枝点心」吸物つき1,200円)も楽しめる(要予約)。

宇陀と吉野では、5/27(日)と6/30(土)、「八咫烏の影を追え」というバスツアーが開催される。雑誌「まほろびすと」と奈良交通のコラボ企画である。各のりば→八咫烏神社→菟田の高城→桜実神社(昼食)→浄見原神社→宮滝→吉野歴史資料館→梅谷醸造元(宮滝醤油蔵見学)→各のりば、というコースで、@9,500円(昼食付)である。

田原本町の「記紀・万葉歴史講座」では、6/2(土)に和田萃氏(京都教育大学名誉教授)による講演会「古事記と安萬侶さん」が開催される。大和郡山市ではシリーズものの講演会「当世語り部“口座”」が好評実施中のほか、「ふるさと語り部エッセイ」(6/29締切)も募集中だ。

奈良市では6/30(土)「語る、古事記」という大規模なイベントがある(県後援、奈良市観光協会など協力)。県新公会堂能楽ホールでは「京極夏彦氏&志水アキ氏」(第1部)と「夢枕獏氏&安彦良和氏」(第2部)のトークセッション(前売り4,800円、当日券5,000円)。元興寺(極楽坊)禅堂では「多田克己氏、村上健司氏、京極夏彦氏(ゲスト)」によるトーク(前売り2,300円、当日券2,500円)がある。

こんなサイトもできた。天理市のHP「記紀・万葉でめぐる天理」である。《『記紀・万葉をめぐる』と題して、地元の方々と一緒に天理の素材を掘り起こし、『古事記』『日本書紀』『万葉集』のゆかりをベースに、史実だけではなく地元に伝わる「伝承」「伝説」なども併せて、天理の魅力を皆さまにご紹介するコーナーです。ちょっと知っていれば、見えてくる風景も、感じる風も、想いも違ってきます》。

《ご紹介するページは、一枚一枚、地元の方々と一緒に手作りで進めていきますので、当初は、内容も厚みもまだまだ少ないですが、半年、一年…とページを増やしていきますので、 どうぞ末永く温かく見守ってください》と謙遜しておられるが、シンプルながらとてもよくできたサイトである。天理市には、石上神宮と布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)、大和(おおやまと)神社とちゃんちゃん祭りなど、記紀にゆかりが深い。

大和郡山市では、純米酒「こをろこをろ」も販売中だ。遊休農地の解消と市経済活性化を狙った試みで、上田市長が『古事記』の「国作り」の場面からネーミングした。イザナキ・イザナミが、「沼矛(ぬぼこ)を指し下ろして画(か)かせば、塩こをろこをろに画き鳴らして、引き上げたまふ時…」というシーンである。矛の先からしたたり落ちた海水が凝り固まって、大八嶋国(おおやしまくに=日本の国土)が産まれるのである。

「難しい」というイメージのある『古事記』は、うまく加工・演出しないと受け入れてはもらえない。ここへきて、それぞれ工夫を凝らした分かりやすいイベントなどが出てきているのは、とても頼もしい。出雲では7/21から「神話博しまね」が始まるので、この頃から『古事記』は全国的なブームとなりそうである。奈良県下でも、このイベントと歩調を合わせ、古事記ゆかりのヤマトを大いに盛り上げていただきたいものだ。

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