

変形田んぼの狭く尖った部分が、帯状に生えている立木のせいで朝晩の数時間だけしか陽が当たらない。
そうなると稲は育たないので何十年も放置されて湿地状態になり、ハナショウブが自生したりしている。
それなら土手(あぜ)を作って小さなビオトープにしようと計画した。
別方向にも立木が枝を伸ばして陽当りを悪くしている田んぼがあり、昨年に立木の太枝をいくらか枝下ろしした。
その太枝を運べる長さに切り分けたのを、あぜ代わりに並べ、湿地状態の田んぼを掘り下げた土で土手にする予定。
丸太を置いて枠ができた時点で、廃棄処分される予定のFRP製水槽があるけれど要らないかという話があった。
渡りに舟とばかりにもらうことにして、ビオトープの中に沈めるべく湿田を掘り始めた。
縦横をもらうことになった水槽の大きさに決め、掘り始めたのが土色の水たまりで、それは良しとしても深さが問題。
田んぼは、数十センチ下に硬くしまった耕(硬)盤層というのがあるのだが、そこまでかそれ以上に掘り下げることが必要になる。
表面は雑草の根が絡まって表面10センチ余りは掘るというより剥がす作業となった。
その下の粘土層は重くて、耕盤に行き着く前に速攻、腰を痛めた。
品物を引き取ってみると、1.7m✕1.2m✕0.7mの水槽は大きくて、埋めるのはもったいないどころか不可能かもしれない。
お湯を張ったら豪華な露天風呂が味わえるに違いない水槽なので、使い道を考えるだけでかなり楽しめそうだ。
エディマーフィー主演の『星の王子ニューヨークへ行く』を思いだしてニヤニヤしたりもする。
ビオトープの方は30センチほどしか掘れていないけれど、雨が溜まるどころか掘っているときに直ぐに水は周りから滲みて溜まった。
溜まった水が濁ったまま抜けていかないので、それならハナショウブの生えていない部分をすべて同じくらい掘ったらビオトープとして十分ではないか。
向こう側土手にある枡は、左側に広がる田んぼのための水道栓で、水利組合に使用量に関わらず料金を払っているので、その水を利用したら濁った水はすぐに綺麗になるだろう。
とにかく腰が治るのを待って、はやくビオトープを育てたい。