和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

へつらいを笑えない。

2016-10-30 | 道しるべ
高山正之著「朝日は今日も腹黒い」(新潮社)のあとに、
高山正之著「アメリカと中国は偉そうに嘘をつく」(徳間書店)
を読みはじめ、今日ようやく読みおえました(笑)。

前著は、週刊誌掲載で
後著は、月刊誌掲載の文をまとめたもの。
後著の読後感が充実しております。

それはそうだ。
毎週の連載コラムと
一か月一回の連載コラムと
時間のかけ方が違います。

週刊誌はたとえていえば、
歌を唄っているような
月刊誌は、数値を確認している
余裕を感じました(笑)。
後著を読んでよかった。

ということで、
一箇所だけでも引用することに


・・・ 南イリノイ大の准教授ギルバートが
『暴走するトヨタ車のエンジン回転計』を
ABCテレビから流した。議会が騒ぎ、
運輸長官ラフードは『トヨタに乗るな』とまで言った。
・・・・事故車両は米航空宇宙局(NASA)に
持ち込まれた。欠陥が見つかるのは時間の問題と思われた。
カリフォルニア州の検事局は
『トヨタは欠陥を隠して利益を得る詐欺商法をした』と
一台二千五百ドルの罰金を科す訴えを州地裁に起こした。
議会はトヨタ章男CEOを公聴会に呼びつけて吊し上げて罵った。
朝日新聞の主筆(当時)の船橋洋一は一面で
『トヨタはいまや欠陥商品の代名詞になった』と書き、
『トヨタがこれほど無能とは驚きだ』
『トヨタには経営の明晰さが欠けている』という
米国人の一方的な罵詈雑言をそのまま並べた。・・
船橋は彼らの尻馬に乗ってトヨタの滅亡を語り
『いずれ支那の電気自動車が米国を制覇する』と予言した。
しかし二年経ってNASAは欠陥を発見できず、
逆にギルバートの実験は悪意ある捏造で、
暴走車のドライバーの多くも
トヨタからカネを強請(ゆす)る目的だったとばれた。
・・・・
いま、米メディアはタカタのエアバッグで大騒ぎだ。
・・・
しかし日本の新聞はいつも通り、タカタの言い分すら載せない。
『まるで散弾銃に狙われながらの運転だ』とか
米メディアの悪口雑言をそのまま並べるだけ。
米国に媚びる船橋流だ。
おまけに肝要なことも載せない。
今度の欠陥エアバッグは
『同社のメキシコ工場で2007年前後に生産された製品に集中する』
とロイターが伝えている。
この工場には日本人スタッフはいない。
米国人が管理し
『過酷なノルマを課してまるで奴隷工場だった』
『不良製品の発生率は他工場の八倍も高く、中から異物も見つかった』。
タカタはその時点で対応した。
搭載したトヨタやホンダの全車種のリコールでなく、
その工場出荷分からリコールを進めている。
『全車両を一斉リコールしろ』という
米公聴会の罵声には合理性はない。
日本企業を潰して快哉を叫びたい
歪んだ米国人心理が加わっている。
しかし日本の新聞はその部分を書こうともしない。
船橋洋一のへつらいを笑えない。


こんどから、
高山正之の雑誌掲載文を丁寧に読むことにします。
新しく聞く、新聞より、指摘は斬新。
コメント
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