つぎに、注文した古本は、ちくま新書で
「ことばの教育を問いなおす」(鳥飼久美子・苅谷夏子・苅谷剛彦)。
届くのは、16日~18日の間とあります。
うん。その古本が届くまでの、待ち時間で思い浮かぶこと。
大村はまの教室での話し合いを思っていたら、
梅棹忠夫著「知的生産の技術」(岩波新書)を思いうかべておりました。
たとえば、大村はまさんがこう言っている箇所など、
「知的生産の技術」へと連想の補助線を引きたくなります。
大村】 国語では、この文章を読みなさいと言うことが多いでしょう。
・・・けれども、読んでいるとき読む力がぐっと伸びることを
なんにもしてやらない。
書きなさいとも言いますね。でも、書いているときに
その人がいい書き手になるコツを教えない。
先生は教えることをやめてしまった感じ。
なにかをなさいという指導案だけは立派でも、
・・・教える人がいない。させる人だけ。だから
学ぶ喜びを知ることができないんじゃないかしら。
( p142 「教えることの復権」ちくま新書 )
はい。こんな箇所や、それこそ技術という言葉が出てくる箇所もあります。
あと、平川祐弘氏のことも思い浮かびました。
うん。どちらも私が読んでいる範囲へと補助線を引くのでした。
さいわい、産経新聞の11月10日『正論』欄で平川氏が書いておられる。
忘れないうちに引用しておきます。
「・・・天安門事件の後、北京で教えたが・・・・・
英語と中国語は主語・動詞・目的語の順が同じ、
発音も似ている。だから、中国人の方が日本人より
英語はよほど達者だ。・・・
日本の大学語学教師より、中国の方がよく喋る。・・・・
私は塾や予備校、家庭教師に頼らずにすんだが、
塾の功能は学生からいろいろ聞かされた。
わが国でも英語の教え方がよほど上手な人が
塾にはいるらしく・・・・・
大学紛争のせいで東大入試が中止になった昭和44年春、
大学院だけは入試を行った。キャンパスは入試会場に
使えない。それで予備校の代々木ゼミナールの建物を
借りて筆記試験を実施した。
台湾では予備校も名門校となると、制服制帽がある。
中国や韓国では親の所得による教育格差が日本より深刻だ。
塾や家庭教師の教育費負担が出生率低下にまで響いている。
そこで中国当局は、学習塾の新規開設は不可とした。
中国は社会保障制度がうまく機能しない。
頼りになるのは肉親の助けだけだ。
塾が閉鎖されれば、親は勤務先を早退してでも、
子供の勉強を手伝おうとする。
習近平は主席となるや、『中国夢』を語って・・
ナショナリズムは高揚する。だがそれでも
陰で子供たちは英語を習って、内心いつか
アメリカへ行きたいと思っているに相違ない。
うん。注文した新書が届くのを待つ間。
はい。古本は何より届くまでが楽しみ。