和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

みずから水やり。

2023-04-02 | 温故知新・在庫本
丸谷才一著「思考のレッスン」が身近にあるので、パラリとひらく。
こんな箇所がありました。

「 自分が読んだ本で、『これは大事だ』という本がありますね。
  あるいは、一冊の本の中で、『ここは大事だ』という章がある。

  そういうものは、何度も読むことが大切ですね。
  繰り返し読んだり、あるいは何年か間隔をおいて読む。 」

           (単行本p135 「レッスン3思考の準備」 ) 

はい。ちょうどこうして『何年か間隔をおいて』読んでおります。
今回ひらいていて、気になった箇所はここでした。

「 よく自分の疑問を人に話す人がいますが、これはお勧めしません。
  というのは、そんなことを他人に話したって、だいたい相手にされない。

  相手にされないと、『 これはあまりいい疑問じゃないのかなあ 』
  と自信をなくして、せっかくの疑問が育たないままで終ってしまう。

  一番大事なのは、謎を自分の心に銘記して、
  常になぜだろう、どうしてだろうと思い続ける。
  思い続けて謎を明確化、意識化することです。・・・ 」

     ( 単行本p188 「レッスン5考えるコツ」 )

うん。こんな私にも『思い続ける謎』があったのかどうか?
私の中で枯れてしまい、ちっとも育てなかった疑問の数々。

そういえば、『 みずから水やりを怠っておいて 』
と詩なかに一行しのばせておいた詩人がおりました。
うん。ここには、詩のはじまりの三行を引用しとこ。


   ぱさぱさに乾いてゆく心を
   ひとのせいにはするな
   みずから水やりを怠っておいて




コメント (4)
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