丸谷才一著「思考のレッスン」が身近にあるので、パラリとひらく。
こんな箇所がありました。
「 自分が読んだ本で、『これは大事だ』という本がありますね。
あるいは、一冊の本の中で、『ここは大事だ』という章がある。
そういうものは、何度も読むことが大切ですね。
繰り返し読んだり、あるいは何年か間隔をおいて読む。 」
(単行本p135 「レッスン3思考の準備」 )
はい。ちょうどこうして『何年か間隔をおいて』読んでおります。
今回ひらいていて、気になった箇所はここでした。
「 よく自分の疑問を人に話す人がいますが、これはお勧めしません。
というのは、そんなことを他人に話したって、だいたい相手にされない。
相手にされないと、『 これはあまりいい疑問じゃないのかなあ 』
と自信をなくして、せっかくの疑問が育たないままで終ってしまう。
一番大事なのは、謎を自分の心に銘記して、
常になぜだろう、どうしてだろうと思い続ける。
思い続けて謎を明確化、意識化することです。・・・ 」
( 単行本p188 「レッスン5考えるコツ」 )
うん。こんな私にも『思い続ける謎』があったのかどうか?
私の中で枯れてしまい、ちっとも育てなかった疑問の数々。
そういえば、『 みずから水やりを怠っておいて 』
と詩なかに一行しのばせておいた詩人がおりました。
うん。ここには、詩のはじまりの三行を引用しとこ。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて