はい。11月も半分過ぎました。
堀田百合子著「ただの文士 父、堀田善衛のこと」(岩波書店・2018年)
の「おわりに」が思い浮かびます。そこから引用。
「 夏。
暑い日が続くと、母の運転する車・・蓼科の山荘に移動します。
初秋まで、ここで仕事をします。どこへも行きません。
秋。
山荘のベランダに黄葉、紅葉が降りしきるようになると、
逗子の家に戻ります。
『 もうすぐお正月ですね 』としきりに言います。
なぜか、正月の行事や、おせち料理が好きでした。
冬。
毎年、年末になると、父は原稿用紙を折りたたみ、鋏を入れ、
御幣を作ります。玄関に飾る若松に添えるためです。
お供え餅には、半紙の代わりに父が原稿用紙を敷きます。
書斎に新しい原稿用紙を用意して、父は新年を迎えます。 」
( p209~210 )
堀田善衛の本は、2冊くらいしか読んでいないのですが、
何か、堀田百合子さんの父のこんなイメージが印象深い。