あれっ、『地上の星』と題する詩が、
竹中郁の、詩集のなかにありました。
『地上の星』といえば思い浮かべる中島みゆき。
『ヘッドライト・テールライト』の中島みゆき。
それで、すぐに忘れやすい私のことですから、しばらくすれば、
それが、いったい誰の詩でどこにあったのやらも思い出せない。
これが、機会だと竹中郁の詩『地上の星』を引用しておきます。
竹中郁年譜をひらく(「竹中郁詩集成」沖積社・平成16年)と
昭和32年(1957) 53歳
5月8日 NHK第二放送より詩を放送とあり、
7つの詩の題が並んでいてそこにありました。
のちに、第八詩集『そのほか』(昭和43年・中外書房)にはいり、さらに、
それが、第九詩集『ボルカ マズルカ』(昭和54年)に再録されています。
ちなみに、詩集の目次をみても、『地上の星』は見つからずさがせない。
はい。目次には『三いろの星』とあるのでした。その三つのひとつの詩。
うん。これだと、いざ探そうとしても、目次では判断できないのでした。
地上の星 竹中郁
こちらで振る
踏切番の白いランプ
あちらで答える
もう一つの小さな白いランプ
どしゃぶりの雨のなか
話しあっているようだ
うなずきあっているようだ
やがて来る夜更けの電車を
夜更けて帰りの人人のいのちを
いのっているようだ
ね ここに一人のぼくがいるよ
雨とくらやみとにまぎれて
それとなく見つめているぼくだよ
ぼくも振っているんだよ
ランプの話しあいに加っているんだよ
ランプのいのりに加っているんだよ
黒い蝙蝠傘を
大きく大きく打ち振っているんだよ
昭和43年の詩集「そのほか」には、最後の行が
「・・行ってみたい星もある 」となっている詩もありました。
はい。最後にこの詩も引用しておきます(途中端折ります)
別世界 竹中郁
ゆきずりの郵便局の窓口で
はがきを求める
一枚七円
・・・・・
・・・・・
『 つばめになれ 鳩になれ 』
一字一字 一行一行
ただ なんとなしに書く
俗事にかまけたおれの躰から
俗事一ぱいのおれの脳みそから
つばめは羽ばたいて立つ
鳩は羽ばたいて立つ
ポトリと落しこんだ投函口の奥は暗いが
そこは果しのない大宇宙
そこには行ってみたい星もある
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