新聞は見出ししか読まないし。
本は表紙に目次にあとがきに、
せいぜい書評と解説チェック。
ハウツウ本で育ってしまった、
ハウツウ本に足むけ寝れない。
そんな横着者にも、何か楽しみがあるはず。
本は楽しまなくちゃいけないとは丸谷才一。
『 僕はおもしろがって読むことだと思うんですね。
おもしろがるというエネルギーがなければ、
本は読めないし、読んでも身につかない。
無理やり読んだって何の益にもならない。 』
( 丸谷才一著「思考のレッスン」そのレッスン3の最初のページ )
このレッスン3は「思考の準備」でした。
そのなかに「本をどう選ぶか」があります。
「 問題は『どういう本を読みたくなるか』
というところにあるんじゃないでしょうか。
要するに『本の読みたくなり方において賢明であれ』
と言うしかない。 」 ( p113 単行本 )
寝て起きたら、この『思考のレッスン』が思い浮かびました。
夕刊フジ( 2022年11月19日〈18日発行〉 )にあった
新刊の鎌田浩毅氏の角川新書の紹介文。
インタビューのようです。その最後の方を引用。
―― 2035年プラスマイナス5年で南海トラフ巨大地震が起きる予測が
『 日本人の半数にあたる6000万人が被害を受け、
被害規模は東日本大震災の10倍で、国も自治体も頼れません。
だから自力で生き延びる方策を立て、今から準備する。
自立と自律が大事。地球科学の知識を得て、
人生の知恵と教養で乗り切ろう、という発想です。 』
いちばん最後の質問に、『体の知恵を駆使する』という言葉が出てくる。
そこも引用。
――今後は新しいテーマも
『 通産省地震調査所時代が第一の人生、
次の京大教授が第二の人生。
ここまで研究という頭脳の世界で
学問に没頭しましたが、今度は
体の知恵を駆使する身体論。
野口晴哉が編み出した整体の勉強をずっとしていたので、
地球生命とか身体の研究もしたい。
地震予測、噴火予知には限界があり、
危険が迫ったら逃げ出す動物的な身体能力も必要なんです。
まだ研究は緒についたばかりですが・・・ 』
はい。これがインタビューの最後の箇所。
ここに、野口晴哉という名前が出てくる。
鎌田浩毅著『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』
をさっそく買ったのですが、まえがきだけ読んで、後でまたと本棚へ。
そうして、あたらしく野口晴哉の本をひらいてみたくなる。
まったく、横着者の王道を突き進んでゆくような開き直り。
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