和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

本の読みたくなり方。

2022-11-24 | 書評欄拝見
新聞は見出ししか読まないし。
本は表紙に目次にあとがきに、
せいぜい書評と解説チェック。
ハウツウ本で育ってしまった、
ハウツウ本に足むけ寝れない。

そんな横着者にも、何か楽しみがあるはず。
本は楽しまなくちゃいけないとは丸谷才一。

『 僕はおもしろがって読むことだと思うんですね。
  おもしろがるというエネルギーがなければ、
  本は読めないし、読んでも身につかない。
  無理やり読んだって何の益にもならない。 』
  ( 丸谷才一著「思考のレッスン」そのレッスン3の最初のページ )

このレッスン3は「思考の準備」でした。
そのなかに「本をどう選ぶか」があります。

「 問題は『どういう本を読みたくなるか』
  というところにあるんじゃないでしょうか。

  要するに『本の読みたくなり方において賢明であれ』
  と言うしかない。  」 ( p113 単行本 )


寝て起きたら、この『思考のレッスン』が思い浮かびました。


夕刊フジ( 2022年11月19日〈18日発行〉 )にあった
新刊の鎌田浩毅氏の角川新書の紹介文。
インタビューのようです。その最後の方を引用。

―― 2035年プラスマイナス5年で南海トラフ巨大地震が起きる予測が

『 日本人の半数にあたる6000万人が被害を受け、
  被害規模は東日本大震災の10倍で、国も自治体も頼れません。

  だから自力で生き延びる方策を立て、今から準備する。
  自立と自律が大事。地球科学の知識を得て、
  人生の知恵と教養で乗り切ろう、という発想です。 』


いちばん最後の質問に、『体の知恵を駆使する』という言葉が出てくる。
そこも引用。

――今後は新しいテーマも

『 通産省地震調査所時代が第一の人生、
  次の京大教授が第二の人生。

  ここまで研究という頭脳の世界で
  学問に没頭しましたが、今度は
  体の知恵を駆使する身体論。

  野口晴哉が編み出した整体の勉強をずっとしていたので、
  地球生命とか身体の研究もしたい。
  
  地震予測、噴火予知には限界があり、
  危険が迫ったら逃げ出す動物的な身体能力も必要なんです。
  まだ研究は緒についたばかりですが・・・ 』

はい。これがインタビューの最後の箇所。
ここに、野口晴哉という名前が出てくる。

鎌田浩毅著『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』
をさっそく買ったのですが、まえがきだけ読んで、後でまたと本棚へ。

そうして、あたらしく野口晴哉の本をひらいてみたくなる。
まったく、横着者の王道を突き進んでゆくような開き直り。
 


 

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