和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

多くは知っている。

2022-11-21 | 地震
ちっとも読み返してないけれど、
本棚にはちゃんと置いておきたい一冊。

曽野綾子著「揺れる大地に立って」( 扶桑社・2011年9月 )。
副題に「東日本大震災の個人的記録」とあります。

はい。たまには思い出してひらくことに。

「今度の地震でも、比較的老年の人は
 ほとんど動揺を示さなかった。

 多くの人は、幸福も長続きはしないが、
 悲しいだけの時間も、また確実に
 過ぎて行く、と知っている。

 どん底の絶望の中にも、
 常に微かな光を見たからこそ、
 人は生き延びてきたのだという
 事実を体験しているのである。・・・」  ( p20 )

もう一箇所引用。

「 東日本大震災による困難に直面しながら、
  今日私が書くことは不謹慎だという人も
  あろうが、やはり書かねばならぬと感じている。
  ・・・・・

 〇 泣きわめくような、付和雷同型の人は、
   被災地にはほとんどいなかった。
   感情的になっても、ことは全く解決しないことを
   日本人の多くは知っている。

   風評に走らされた人は、むしろ
   被災地から離れた大都会に見られた。  」( p29~30 )


ふ~っ。私はこれを引用しただけで満腹。胸がいっぱいになります。
本棚にもどして、また折りがあればひらくことに。

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