和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

芳賀徹の父親。

2020-03-03 | 京都
追悼文集を手にしました。
「一山行盡 芳賀幸四郎追悼文集」。
古書ワルツからで、本540円+送料510円=1050円。
503頁あり、表紙は何というのでしょうか布張り。
見返しは、幸四郎の般若心経の写経。
追悼文集なので、写真も豊富。そこで
見るともなく、写真をめくっていると、
まるで、黒澤明監督映画「まあだだよ」の
パーティー場面を彷彿させるような写真もある。

価格がはいっていないので、非売品のようです。
ですが、「非売品」とは明記してありません。
1998年8月1日発行。ページも真新しく、りっぱな作りです。
目次をめくっていると、その中に、
「ほがらかな声」平川祐弘とある。
うん。そこから引用することに。

「・・・幸四郎氏はよく『馬鹿野郎』と言った。
徹がおとなしく黙って馬鹿呼ばわりされているので、
私が一度見かねて
『そう馬鹿野郎呼ばわりしなくてもよくはありませんか』
と幸四郎氏に言ったことがある。

しかし幸四郎・徹の父子関係は
ある意味ではまことに見事なもので、
徹の天衣無縫の振舞い方は、良かれ悪しかれ、
父君の感化の賜物と信ずる。
小西甚一・・が・・講演に見えた時、雑談で、
『芳賀幸四郎の教育の最大の成果は息子の芳賀徹だ』
という趣旨を述べたが、同感だ。
 ・・・・・・
いまこの一文をしたためると、幸四郎氏のあの
独特の声音がどこからか聞こえてくるような気がする。
幸四郎先生は『馬鹿野郎』という時でさえ、
その山形弁の声はほがらかで明るかった。」
(p309)

うん。芳賀幸四郎著「東山文化の研究」を、わたしは
古本で買おうかどうか、ちゅうちょしているのですが、
そうすると、どこからか、山形弁で『馬鹿野郎』という、
「ほがらかで明るい声」が聞こえてくるような(笑)。









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