和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「 山の上の家 」

2024-12-11 | 道しるべ
今日は、主なき家の草ぼうぼうの畑の周りの細葉刈り。
細葉(マキ)の天辺を平らにする作業。
半日ですまそうと安易にはじめたのですが、
脚立を持ち出したりして一日仕事。それも道路側のみ。

はい。やっつけ仕事で今年はおしまい。
帰ってきたら、古本が届いている。
「庄野潤三の本 山の上の家」(夏葉社・2018年初版で2019年第三刷)
門外漢なので、当てずっぽうの注文でしたが、
目次をみると、「 庄野潤三全著作案内 」という箇所がある。
以前に古本屋のリストに並んでいた、庄野潤三の本たちの
題名が、どうも、全集以降の本でしたので、これは
どこから手をつけてよいものだか道案内人がほしかったのでした。
その案内本らしいのでした。有難いなあ。夏葉社さん。

その中に上坪裕介の文がありました。こうあります。

「・・それは平成21年に庄野潤三が88歳で亡くなるまで続けられた。
 『愛撫』で文壇にデビューしたのが28歳の頃だから、
 おおまかに活動期間が60年とすると、その全期間の実に八割、
 およそ50年間をこの生田の山の上を描くことに費やしたことになる。

 そういう意味で『 夕べの雲 』は記念碑的な大きな意味を持つ。
 『 貝がらと海の音 』からはじまる晩年の連作シリーズは
 その集大成であり、庄野は自身の文学を最晩年まで深化、
 成熟させた稀有な作家であった。

 庄野潤三というと初期の・・・・評価された作品を思い浮かべる
 読者も多いだろう。しかし、このようにあらためて振り返ってみると、
 それらの作品が書かれた時期はほんの10年ほどの短い期間であり、
 全体を俯瞰してみれば庄野文学の本筋は『 夕べの雲 』以降の
 作品群にこそあるとわかる。・・・・   」( p103∼104 )

ありがたい。格好の道案内人に指示された気がしております。
今年も残り少なくなりました。12月は庄野潤三を読むことに。



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