はい。新刊なのですが、つい気になり購入しました。
柳澤健著「2016年の週刊文春」(光文社・2020年)。
全525ページ。その最終章は「文春オンライン」とある、
とりあえず、そこを読んでみる。
「『文春オンライン』が広告収入で成り立つ無料サイトを目指した
のは必然だった。広告収入を得るためにはPVを増やさなくてはならない。」
(p489)
2017年末から翌年も、
「『文春オンライン』・・・収益を上げるまでには至っていない。」
(p491)
「デジタルの最前線で戦う・・判断を
理想論を掲げて邪魔するべきではなかろう・・・
この期に及んでもなお、ビジネスの論理とは異なる考えで動く人間も
社内には多く、デジタルへの生理的な嫌悪と拒絶もなお存在した。」
(p493)
このあとに、肝心の費用についての具体的な指摘があり、
なるほどと、思う箇所(p498~p500)なのですが、ここでは省略。
「確実にデバイスチェンジ(媒体の変化)が起っている。」
という加藤晃彦氏の言葉から、以下を、引用してみます。
「三つの壁を越えた」という箇所なのでした。
「ひとつは時間の壁。『週刊文春』は毎週木曜日発売ですけど、
ほかのメディアに追いつかれそうなら『文春オンライン』に
もっと早く出すこともできる。
ふたつめは量の壁。紙の雑誌は、いくら刷ってもせいぜい50万部から
60万部。回し読みされても100万人にしか届かない。でも
『文春オンライン』なら、時には何千万人が読むわけです。
三つめは世代の壁。いまの若い世代は、そもそも紙の雑誌を
手に取らない人も多い。でも、スマホで『文春オンライン』に
アクセスしてくれればその壁を越えられる。
だったらデジタルファーストで、紙の雑誌をやめた方がいいのか?
そうじゃない。自分が編集長になってみてわかったんですけど、
紙という制約があることで記事のクオリティは間違いなく上がります。
〆切りと字数制限があり、校正も二回通る。一度刷ったら直せないから、
裏取りの緊張感も半端ない。『週刊文春』がウェブオリジナル記事を
出すこともありますが、やっぱり緊張感が違う。その上、
ウェブでは長いストーリーはなかなか読んでもらえない。
本物のスクープは、やっぱり紙で出すべきなんです」
(p500)
はい。わたしは、最終章だけ読んで満腹感。
ということで、ここまで。
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