和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

騒雑の気味。

2009-08-08 | 安房
幸田露伴著「観画談」のはじめのほうに、
房総が登場しておりました。
その少し前から引用。


「晩成先生は、多年の勤苦が酬いられて前途の平坦光明が望見せらるるようになった気の弛みのためか、あるいは少し度の過ぎた勉学のためか何か知らぬが気の毒にも不明の病気に襲われた。・・・・
そこで山水清閑の地に活気の充ちた天地の灝気(こうき)を吸うべく東京の塵埃を背後にした。
伊豆や相模の歓楽郷兼保養地に遊ぶほどの余裕のある身分ではないから、房総海岸を最初はえらんだが、海岸はどうも騒雑の気味があるので晩成先生の心に染まなかった。・・・」


そこから、主人公は野州上州へ、そして奥州の或山間へ。
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