映画とライフデザイン

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ウォールストリート  マイケルダグラス

2011-07-08 19:18:55 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ウォールストリート」は87年の「ウォール街」の続編という触れ込みでできた作品だ。前作に引き続いてマイケルダグラス登場、主人公「ゲッコー」が服役を経て出所する設定である。リーマンショックによる株価急落の場面を舞台に、一時は絶縁した娘とそのフィアンセとの関わりの中、もう一度復活しようとする「ゲッコー」の姿を描く。マイケルダグラスの投資に関するセリフがなかなか粋だ。
この映画で特徴的だったのが、ニューヨークを俯瞰する撮影とその映像だ。現代ニューヨークの都会としての一面を見事に映像で映し出している。25年前と比較してみるといい。


主人公「ゲッコー」ことマイケルダグラスが2000年に刑務所を出所するシーンからスタートする。高価なアクセサリーや前作で使っていたバカでかい携帯電話を返還してもらいシャバに出る。
そしてその8年後に時間は飛ぶ。2008年のニューヨークが舞台だ。投資銀行に勤める主人公ことシャイア・ラブーフは結婚を前提に付き合っている女性ことキャリー・マリガンとの交際も順調で高収入で満足いく生活を送っていた。サブプライム問題で揺るいでいく中、勤める投資銀行が急激な業績悪化に見舞われる。株価は暴落し、突然破綻する。金融当局の救済話はうまくいかず、経営者は自殺の道を選ぶ。彼自身も資産を失う。それが、金融業界の黒幕ブレトンの陰謀だと知ったシャイア・ラブーフは、刑務所を出た元大物投資家のゲッコーに接近する。そのゲッコーは、フィアンセことキャリー・マリガンの父親でもあった。自分からゲッコーにその旨を伝えて、ゲッコーに近づいていく。彼女のゲッコーへの気持ちは冷え切っていたが。。。



「ゲッコー」ことマイケルダグラスはインサイダー取引で長い懲役を科せられる。その経験を生かして、服役後本を出す。日本でいえば、HとかMとかが出所後本を出すようなものだ。講演会のシーンが出てくる。そこで彼は大きなレバレッジを効かせた取引に疑問を投げかける。「難しい金融商品の内容を理解しているのは世界で75人しかいない。レバレッジで膨らんだファンドに投資しているのは誰なのか?それは一般の投資家だ。」危ないよと警鐘を投げかける。気のきいたセリフだった。

この間、内田樹氏が書いた「映画の構造分析」という本を読んだ。
こういう見方があるのかと感心した本だった。いずれこのブログでも触れたいが、この中でマイケルダグラスを評する文がある。「ハリウッド映画は女性嫌悪にドライブされている。。。。私が初めて気づいたのはマイケルダグラスによってである。彼はそのときどきアメリカの人気女優たちを抹殺してきた。。。。マイケルダグラスの映画では例外なく女性が「悪役」になる。」読んでこれには笑った。
この映画ではその相手はすでに抹殺されていて、かわいい娘しかいない状態だった。もはや彼も年をとったということなのか?



チャーリーシーン久々の登場には驚いた。映画では長い間、鳴りを潜めていた。前作当時は生きのいい彼の動きも大きな変化をとげた。表情的に落ちぶれた感じであった。

中国ビジネスのウェイトの高まりがこの映画でも顕著に出る。投資銀行の顧客として中国人実業家に投資を勧めるシーンが出てくる。相対的な中国経済の地位の向上を示す。アメリカ映画では華僑マフィアくらいしか出てこなかった。前作のころであれば、確実に日本人ビジネスマンへの商談話が出てきた。非常にさみしい限りだ。
関係ないことであるが、原発再開が暗中模索の状況となった。これっていったい何なの?といった感じだ。このまま原発復活しなければ大変なことになる。菅総理も単なる意地っ張りにしか見えない。これだけは言える。おそらくは日本ビジネスマンが米国映画で金の虫として登場することは今後なくなるであろう。

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