日蝕を求めて足和田山へ 平成21年7月20日&22日
7月20日 天候晴れのち曇り
白馬岳で雨と風に見舞われた連休2日間だったが、3日目(20日)の甲府は朝から青空が広がっていた。2日後の日蝕は既に休みをとってあるのだが、まだどこで見るかは決まっていない。富士山の上で太陽が欠けてゆく写真を撮りたいので、富士山の北側ということになる。いくつか候補地は挙げているのだが、まだ決定しておらず、候補地のひとつ、足和田山に下見に行くことにした。
文化洞トンネル駐車場から見上げる太陽.ほとんど頭上に近い位置.
10分で分岐に到着.足和田山方面へ.
紅葉台まで車で乗り付けてしまうと、遊歩道のように広いなだらかな尾根道を1時間半ほどゆったりと歩けば山頂の五湖台に到着してしまう足和田山だが、西湖側から登ると急斜面の登山道となる。今回は文化洞トンネル(西湖と河口湖の間のトンネル)から歩いてみた。文化洞トンネル河口湖側の駐車スペースに車を止め、歩き始める。時間は午前10時半、もう太陽はかなり高い位置にあり、上に仰がないと17mmレンズの画角内に入ってこない。果たして、富士山を入れてこの太陽を画角内に納めることができるのか?その位置関係も本日確認したい。10分ほどで毛無山・十二ヶ岳方面と足和田山方面の分岐に到着し、左に曲がって足和田山を目指す。こぶを1つ越えたコルのところで右から来る西湖側の道と合流する。その先は徐々に傾斜を増し、岩の混じった場所も出現し、ロープが付けられたところもある。そして12時20分、足和田山山頂(五湖台)に到着した。
途中の登山道.岩の混じる急斜面.
足和田山山頂(五湖台)に到着.空は雲でおおわれてしまっている.
朝は見えていた富士山はこの時間にはすっかり雲隠れし、太陽も隠れてしまった。3年前の極寒の冬に訪れた時は間近に富士山を見た記憶があるが、その時に比べると植林したヒノキがずいぶんと背が高くなった気がする。展望台に登って昼食をとりながら画角を見るが、展望台の上からだと屋根が邪魔して太陽まで入れることは難しそうだ。太陽の位置は若干西側にずれてしまうが、三湖台のほうが無難そうだ。
足和田山から見る富士山方面.下部の木がだいぶ伸びた気がする.
展望台からだと上の屋根が邪魔になって太陽が隠れてしまう.
下山は別ルート、紅葉台側に15分ほど歩いたところで西湖湖畔に下りる道がある。看板を確認してそちらの道を下山するが、岩の混じるところは無いものの、こちらも急斜面で、ロープのつけられた場所もあった。中腹にはヤマブドウのつるが絡み合う、薄暗い原始林のような場所があって、整備された紅葉台側の道とはちょっと違う雰囲気の足和田山を楽しむことができた。下部の左手に草付のような緑の広場が見えたので、登山道を逸れて立ち寄ってみると、西湖を見下ろせる、砂防提の上部だった。バンガローの横を通って、西湖湖畔に到着、そこには案内板が立っていた。西湖側から登ると足和田山も存分に登山の気分が味わえる。
整備の行き届いた三湖台・紅葉台側のルート
西湖への下降点を示す看板
こちらも急斜面.ロープが張られた場所もある.
原始林を思わせるヤマブドウの蔓がからむ林
西湖湖畔到着.案内の看板あり.
7月22日 天候曇り時々小雨
天気予報がはずれてくれることを祈っていたが、こんな時ははずれてくれないもので、朝から曇り空だ。だが、昼ごろには天候が一時回復するかもしれない予報なので、期待を持って、一瞬でも良いから欠けた太陽を見るため、足和田山紅葉台に向かう。精進湖線を走っていると、中腹は完全に霧の中だったが、精進湖に到着すると視界が開けてきた。時折青空が覗く時もあったが、富士山は完全に雲の中、太陽も全く見えない。9時に紅葉台に到着し、三脚2台とカメラ2台を担いで三湖台に移動、といっても徒歩で20分とかからない。三湖台も予想通り、完全に霧の中だった。時折眼下の西湖と毛無山から十二ヶ岳に続く竜の背の尾根が見えるくらいだ。携帯で天気予報を見ると、朝同様、昼には晴れのマークが出ている。期待はきわめて薄いが、これは寝て待つしかない。
紅葉台の駐車場.ガスの中.
三湖台.ここもガスできわめて視界が悪い.セットしたカメラが空しく空を見上げる.
こんな時は寝て待つしかない
11時ごろから空が暗くなってきたが、これは日蝕で暗いのか、それとも雲が厚くなって暗いのか判別できない程度の暗さだった。そのうち、小学生の声が聞え始め、50~60人ほどの団体さんが三湖台にやって来た。日蝕の観察に来たのだろうが、残念ながら完全に厚い霧の中で、全く太陽は姿を現してくれなかった。小学生たちは小休憩して早々に戻っていったが、置き去りにしていったテーブルの上のゴミを私が回収してくるはめになってしまった。
小学生たちが登って来た.太陽は見えないが空は薄暗くなった.
御坂峠の中腹で富士山が見え始めた.
日蝕は不発に終わったが、携帯電話のiモードで沖縄方面の様子を見てみると、石垣島では太陽が見えているが肝心のトカラ列島ではダメだったようだ。山梨県は全域ダメだっただろうと思っていたのだが、のちに南アルプス林道工事の関係者に聞いた話だと、両俣小屋手前のところからは雲間から三日月形に欠けた太陽が見えていたという。ひょっとしたら、富士山山頂あたりでも見えたのかもしれない。御坂峠の道を車で登って行くと、中腹から富士山が見え始めた。もっと早い時間に姿を現してくれれば、と残念な1日に終わってしまった。
7月20日 天候晴れのち曇り
白馬岳で雨と風に見舞われた連休2日間だったが、3日目(20日)の甲府は朝から青空が広がっていた。2日後の日蝕は既に休みをとってあるのだが、まだどこで見るかは決まっていない。富士山の上で太陽が欠けてゆく写真を撮りたいので、富士山の北側ということになる。いくつか候補地は挙げているのだが、まだ決定しておらず、候補地のひとつ、足和田山に下見に行くことにした。
文化洞トンネル駐車場から見上げる太陽.ほとんど頭上に近い位置.
10分で分岐に到着.足和田山方面へ.
紅葉台まで車で乗り付けてしまうと、遊歩道のように広いなだらかな尾根道を1時間半ほどゆったりと歩けば山頂の五湖台に到着してしまう足和田山だが、西湖側から登ると急斜面の登山道となる。今回は文化洞トンネル(西湖と河口湖の間のトンネル)から歩いてみた。文化洞トンネル河口湖側の駐車スペースに車を止め、歩き始める。時間は午前10時半、もう太陽はかなり高い位置にあり、上に仰がないと17mmレンズの画角内に入ってこない。果たして、富士山を入れてこの太陽を画角内に納めることができるのか?その位置関係も本日確認したい。10分ほどで毛無山・十二ヶ岳方面と足和田山方面の分岐に到着し、左に曲がって足和田山を目指す。こぶを1つ越えたコルのところで右から来る西湖側の道と合流する。その先は徐々に傾斜を増し、岩の混じった場所も出現し、ロープが付けられたところもある。そして12時20分、足和田山山頂(五湖台)に到着した。
途中の登山道.岩の混じる急斜面.
足和田山山頂(五湖台)に到着.空は雲でおおわれてしまっている.
朝は見えていた富士山はこの時間にはすっかり雲隠れし、太陽も隠れてしまった。3年前の極寒の冬に訪れた時は間近に富士山を見た記憶があるが、その時に比べると植林したヒノキがずいぶんと背が高くなった気がする。展望台に登って昼食をとりながら画角を見るが、展望台の上からだと屋根が邪魔して太陽まで入れることは難しそうだ。太陽の位置は若干西側にずれてしまうが、三湖台のほうが無難そうだ。
足和田山から見る富士山方面.下部の木がだいぶ伸びた気がする.
展望台からだと上の屋根が邪魔になって太陽が隠れてしまう.
下山は別ルート、紅葉台側に15分ほど歩いたところで西湖湖畔に下りる道がある。看板を確認してそちらの道を下山するが、岩の混じるところは無いものの、こちらも急斜面で、ロープのつけられた場所もあった。中腹にはヤマブドウのつるが絡み合う、薄暗い原始林のような場所があって、整備された紅葉台側の道とはちょっと違う雰囲気の足和田山を楽しむことができた。下部の左手に草付のような緑の広場が見えたので、登山道を逸れて立ち寄ってみると、西湖を見下ろせる、砂防提の上部だった。バンガローの横を通って、西湖湖畔に到着、そこには案内板が立っていた。西湖側から登ると足和田山も存分に登山の気分が味わえる。
整備の行き届いた三湖台・紅葉台側のルート
西湖への下降点を示す看板
こちらも急斜面.ロープが張られた場所もある.
原始林を思わせるヤマブドウの蔓がからむ林
西湖湖畔到着.案内の看板あり.
7月22日 天候曇り時々小雨
天気予報がはずれてくれることを祈っていたが、こんな時ははずれてくれないもので、朝から曇り空だ。だが、昼ごろには天候が一時回復するかもしれない予報なので、期待を持って、一瞬でも良いから欠けた太陽を見るため、足和田山紅葉台に向かう。精進湖線を走っていると、中腹は完全に霧の中だったが、精進湖に到着すると視界が開けてきた。時折青空が覗く時もあったが、富士山は完全に雲の中、太陽も全く見えない。9時に紅葉台に到着し、三脚2台とカメラ2台を担いで三湖台に移動、といっても徒歩で20分とかからない。三湖台も予想通り、完全に霧の中だった。時折眼下の西湖と毛無山から十二ヶ岳に続く竜の背の尾根が見えるくらいだ。携帯で天気予報を見ると、朝同様、昼には晴れのマークが出ている。期待はきわめて薄いが、これは寝て待つしかない。
紅葉台の駐車場.ガスの中.
三湖台.ここもガスできわめて視界が悪い.セットしたカメラが空しく空を見上げる.
こんな時は寝て待つしかない
11時ごろから空が暗くなってきたが、これは日蝕で暗いのか、それとも雲が厚くなって暗いのか判別できない程度の暗さだった。そのうち、小学生の声が聞え始め、50~60人ほどの団体さんが三湖台にやって来た。日蝕の観察に来たのだろうが、残念ながら完全に厚い霧の中で、全く太陽は姿を現してくれなかった。小学生たちは小休憩して早々に戻っていったが、置き去りにしていったテーブルの上のゴミを私が回収してくるはめになってしまった。
小学生たちが登って来た.太陽は見えないが空は薄暗くなった.
御坂峠の中腹で富士山が見え始めた.
日蝕は不発に終わったが、携帯電話のiモードで沖縄方面の様子を見てみると、石垣島では太陽が見えているが肝心のトカラ列島ではダメだったようだ。山梨県は全域ダメだっただろうと思っていたのだが、のちに南アルプス林道工事の関係者に聞いた話だと、両俣小屋手前のところからは雲間から三日月形に欠けた太陽が見えていたという。ひょっとしたら、富士山山頂あたりでも見えたのかもしれない。御坂峠の道を車で登って行くと、中腹から富士山が見え始めた。もっと早い時間に姿を現してくれれば、と残念な1日に終わってしまった。