5月1日(3日目)
普段ののんびり家族旅行よりは少し早目の6時半に起床し、7時半に朝食を済ませて早速松島五大堂を見学に出かけた。テレビで良く見かける津波の大きさからすると、重要文化財であるこの建物も粉々になっているだろうと思っていたのだが、前述の通り、松島、塩釜は沖に浮かぶ小島のおかげで津波の勢いが減弱されて被害が少なかった。五大堂にかかる橋も、その向こうの小島にかかる長い橋も健在だった。松島湾観光フェリーは連休に間に合わせて、4月29日から運行されていた。瑞巌寺にも立ち寄ろうかと思ったのだが、帰りの渋滞のことを考えると時間的に難しく、次の目的地に向う。

松島五大堂 手前の堤防は一部破損しロープが張られた場所があったが、五大堂は全く無傷に見える。

五大堂にかかる橋

松島五大堂 全く損傷は見られない。

向こうの小島にかかる橋も健在

松島湾観光フェリーは4月29日から運航が開始されていた。
仙台南道路に乗り、再び自動車道から津波の爪跡が深く残る仙台市若林地区、名取市を左手に見ながら、ひたすら南下して福島県相馬市、さらに原子力発電所20km避難区域ギリギリの南相馬市まで行ってみた。途中通過した相馬市の国道6号線沿いは、遥か彼方の海から流されてきた漁船が田んぼの中に何艘も打ち上げられていた。消防自動車が数台田んぼの脇に止まっており、まだ捜索活動を行なっているようだった。南相馬市陸前大田あたりまで行くと走る車もまばらになり、町を歩いている人の姿もほとんど見かけなくなった。南相馬市に行った理由は、ゴーストタウン化した町に飼い主に置き去りにされた犬や猫が餌を求めて町の中をさまよっているという情報を得て、動物好きの妻が餌を置いて行きたいという希望で訪れることにしたものだ。国道6号線の行けるところまで行ったが、道路が閉鎖されていて警察官が立っていた。その場所は田んぼの中の道で、そこには犬や猫はおらず、引き返して陸前大田付近の市街地を通ってきたが、やはり犬や猫がさまよっているような場所は見当たらず、また、人家に車は止まっているものの人の歩いている姿はほとんど見かけなかった。

相馬市の田んぼに打ち上げられた漁船

同上

田んぼのあぜ道に咲くタンポポと打ち上げられた漁船

国道6号線沿いに流れ着いた瓦礫の山

国道のすぐ脇まで大きな漁船が流れ着く。
山を越えて東北自動車道に抜けるのだが、カーナビで見て南相馬から距離的にいちばん近そうに見えた県道62号を行った。途中に「この先悪路、砂利道8km」の看板があり、覚悟して行ったが予想通りの悪路で、RV車でないとややきつい道だった。抜けたところは飯館村で、20km圏外ではあるが風の向きによっては放射能濃度が高い場所だ。(もっともこの年齢になると少しくらい浴びても問題ないが。)さらに二本松に抜けたが、途中の山村は桜や花壇の花が咲き、静かでのんびりした良い場所だった。早く原発を安全に停止させて安心して暮らせる場所に戻して欲しいと願う。