山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

夏の花探しと標柱整備 茅ヶ岳  平成24年9月12日

2012年09月13日 | 山梨百名山
 偶然空いた平日の水曜日、前日に山に行くことを決めた。行き先は今年3度目となる茅ヶ岳。秋のハイシーズンを前に標柱を整備しておきたいこと、それともう一つは晩夏に咲いているだろう花を見る目的だ。
 いつも通り大明神林道に車を乗り付けるが、ここで腹痛に見舞われ、一旦深田公園の駐車場まで戻ってトイレを済ませる。駐車している車は全て県外ナンバー5台ほど、さらに「○○山歩きの会」なる看板がついた小型バスが1台止まっている。ここから登っても良いのだが午後からの夕立が怖いので再び林道に入り、10時に出発。前夜に小雨が降った女岩に向かう登山道はしっとりとしていて歩きやすい。いつもながらに、道の両脇に様々な花が咲き、目を楽しませてくれる。

    前夜に雨が降った後で、しっとりとして歩きやすい登山道


    道の脇に様々な花が咲く。ツリフネソウ。


    ミズヒキ


    メタカラコウ

 1時間ほどで女岩に到着。春先に崩落があって現在立ち入り禁止になっているが、崩落状況を確かめたく黄色テープを乗り越えて立ち寄らせていただいた。崩落したのは水場の左側で、確かにずいぶん岩が崩れて積もっている。しかし、平らになった手前側まで石が転がって来た様子は無く、水汲み場はそのままの状態だった。落石に気をつけながら水場に近付き飲んでみると、以前と変わらず冷たくておいしい水が流れていた。ただ、放置されたままの水汲み用のカップは中がすっかり汚れて真っ黒になっていた。

    落石のために立ち入り禁止になっている女岩


    水汲み場の左側がだいぶ崩落しているが、水は以前と変わらず流れていた。

 登山道に戻り際、落ち葉の積もった岩の間に靴が挟まって前のめりに転び、顔面を軽く岩にぶつけるというアクシデントあり。軽い擦り傷程度で出血は無かったが、これは天罰が下ったのか、それとも山の神様のたわむれか・・・。顔をタオルで拭いてまた登り始め、茅ヶ岳の森らしい風景が広がる林の中で休憩する。この森は何度来ても心地良い。

    急斜面を登った先に咲いているメタカラコウ。ここはいつも群生して咲く。


    ミソガワソウ


    トリカブト  こちら側の斜面は白っぽいトリカブトが多い。


    茅ヶ岳の森


    この森は何度来ても心地良い。

 さらに登って尾根に出たところで右側の展望岩に立ち寄る。ここは曲岳から黒富士、さらにその向こうの金峰山の眺望が抜群の場所だが、意外に知らない人が多く、ここに立ち寄っている人をあまり見かけたことが無い。そしてもうひとつ、このあたりにお目当ての花があるはず・・・と探すと、2株発見したが既に時期を過ぎており、もう花は半分以上枯れてしまっていた。
 深田久弥慰霊碑を過ぎてさらに山頂に向かって登って行くと、山頂近くに5~6株お目当ての花が咲いているのを発見した。本日一番見たかった花、ミヤマモジズリだ。この場所で発見するのは初めてで、意外とたくさん咲いていてうれしくなった。そして間もなく山頂到着。時間は午後1時、3時間もかかったことになる。

    展望岩から見る曲岳(中央)、升形山(右中)、黒富士(右)。金峰山山頂は雲の中。


    ミヤマモジズリ  今回一番のお目当てはこの花。少し遅かった。


    ミヤマアキノキリンソウ


    茅ヶ岳山頂。珍しく誰もいない。その後、2人の登山者がやって来た。

 標柱はいつもと変わらず元気に立っていた。心配しているのは朽ちかけている古い標柱のひび割れから水が入ってさらに朽ちてしまうこと、もうひとつは新しい標柱の鋸で切られたつなぎ目からの水の浸入だ。ボンドスプレーで何度も固めてはいるが完全な防水には至らない。今回は適当なボンドスプレーが見つからず、速乾性のクリアーボンド(アロンアルファに似た類のボンド)を持ってきて、これをひび割れた部分に詰め込んだ。さらにその上からニススプレーを噴霧して作業終了だ。標柱の裏側に張り付けてあった山日新聞記事は新しいものに変えられていて、何度も被害にあったこの標柱の歴史がさらに追加されて書かれていた。茅ヶ岳の番人、末木さんが管理してくれているものだろうが、ただただ感謝するばかりだ。この山を愛し、標柱を守ってくれている人たちはたくさんいるのだ。

    朽ちてひび割れた部分にボンドを詰め込んで固める。(少し付け過ぎたようだ。)


    標柱の裏側には新聞の切り抜き記事が新しく貼りかえられていた。


    ニススプレーを噴霧して修復完了。

 作業を終えて午後2時ごろから尾根道を下山する。登山道脇にはビランジが咲いており、立ち寄ったザレ場にもまだ咲き残っていた。そのうちの1株は今までに見たことが無いほど大きな株だった。そして春に愛嬌ある姿を見せてくれたあの花は・・・これがあの花かと思うような大きな葉をつけて日を浴びていた。

    登山道脇に咲いていたビランジ。今年のは花が大きい。


    ザレ場の咲き残っていたビランジ。今までに見た中で一番大きな株。


    これが5月連休に見たあの花??花の可愛らしさからすると別物のよう。

 3時10分、下山。職場に向かって車を走らせて行くと、途中でバケツで水をひっくり返したような夕立となった。15分ほどで雨は止んだが、もう少し下山が遅くなったらずぶ濡れになっていたかも知れない。9月も半ばになるというのに、まだ残暑は厳しい。
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プチ籔トレーニング 日蔭山から滝戸山へ  平成24年9月9日

2012年09月13日 | 山梨百名山
 鶯宿峠まで林道を車で行くと、標高差約200m、1時間とかからずに到着してしまう滝戸山は、樹木に覆われた山頂で眺望が無く、山梨百名山制覇を目指しているか、キノコ狩りなどの目的でなければこの山頂に登る人はほとんどいないのではないだろうか。6年前に山梨百名山踏破のためにここを訪れたのはまだ本当に登山初心者の頃だった。鶯宿峠からあっけなく到着したこの山頂は何の達成感も無かったように記憶している。今回はめったに人が歩かず、道標も立てられていない右左口峠から日蔭山を経て滝戸山に至る半籔ルートを歩いてみた。
 
 天気予報が週末は雨だったので登山はあきらめていたが、予報が変わって雨ではなくなった。8日の土曜日は夕立ちを恐れていたが結局甲府は雨が降らず、ちょっと損した気がしていた。9日の朝は6時に目を覚ますが、青空が見えるものの低山の山上には雲が巻いている。朝風呂に入って8時過ぎにゆっくり出発、当初の予定は節刀ヶ岳だった。稜線上にマルバタケブキが咲いているはずだ。コンビニで買い物し、精進湖ラインを車で走らせるが、途中で春に歩いた日蔭山を思い出した。そういえば滝戸山への登山道をようやく見つけたもののまだ歩いていなかった。予定変更して右左口林道に入り、右左口峠に向かう。芦川側からだとこの林道に入れるが、甲府側は崩落しているらしく全面通行止めになっている。峠に車を置き、まずは日蔭山目指して10時半に出発。

    右左口(うばぐち)峠まで車で入る。


    登山道入り口。崩落地だが、木にペンキのマークが着いている。

 日蔭山もほとんど登る人がおらず、道はだいぶ荒れており、倒木も目立つ。もともと山頂へは明瞭な登山道が無い山なので、登山道(林業作業道)のいちばん高いあたりから適当に斜面に取り付いて山頂を目指す。峠から1時間とかからずに山頂に到着する。林の中の山頂には三角点と小さな看板が木にくくりつけられている。

    登山道の一番高いあたりから斜面に取り付いて山頂を目指す。


    三角点のある日蔭山山頂。向こうにちいさな看板が付いている。眺望は無い。

 小休止後、反対側のカラマツ林に下りる。林の中は平らになっていて、中央部が広場のようになっている。看板もテープも無く、初めて来るとどちらに行ったらよいか方向が分からなくなるが、今回で3度目なので大丈夫、と思っていたがそれほど甘くはなかった。春に来た時は草も少なく、なんとなく踏み跡らしきものがあったのだが、今回はそれらしきものが全くわからなくなっていた。たぶんこの方角、と進んで行くと、その先に道を発見した。しかし、春に見つけた道とは若干違うような印象を受けた。ひとまずその道を行ってみると、すぐに方向が違うことに気付く。滝戸山方向に向かって行くはずの道が山から遠ざかって甲府盆地側に進んでいる。戻れば良いのだが、この道はどこに続いているのやら??確認のため20分ほど下り、そこで道は崩落していた。回り込んでその先に行くような細い踏み跡があり、その先の尾根に続いていた。どうやら精進湖ラインの登り始めのあたり、甲陽学園あたりに続いているようだ。

    カラマツ林の中央部は広場のようになっている。


    道発見。しかし、方向がおかしい。


    途中で崩落していた。その先は甲府盆地の方向に尾根伝いに道が続いている。

 道を登り返して広場に戻るが、ここで1時間近く時間を費やし、汗だくで体力も消耗した。広場で休憩して、今度は日蔭山を背にして先ほどとは90度ほど違う方向に進む。そして見つけた赤テープ、今度こそ間違いなく道は滝戸山方向に続いている。少し下って平らになり、今度は尾根に取り付いて登りになる。登山道は若干窪んでいて道らしくは見えるものの、倒木や木の枝が延びていてかなり荒れている。ほぼ一定な傾斜の尾根を外さないように、赤テープを追いかけてひたすら登ると、やがて尾根が広くなり、山頂部にぽんとたどり着いた。そこにあった古い看板は「千畳敷 1246m」と書かれていた。

    登り返して広場に戻り、別の方向に進む。


    発見!赤テープ。この先に春に見つけた道があった。


    赤テープが付いていて何となく道があるのはわかるが・・・倒木と木の枝の張り出す荒れた道が続く。


    山頂部近くなると尾根が広く平らになってくる。赤テープはしっかり付いている。


    山頂到着。「千畳敷」・・・ここはどこ??

 いったいここはどこなのか?林の中で眺望は悪いものの、あたりをぐるりと廻って見渡してもここより高い山は見当たらない。地図を持ってこなかったので滝戸山がどちらになるのかわからないが、しかし、このピークで方向を直角以上に曲げて、尾根沿いに赤テープが点々と付けられているのが見える。そちらに進んでみることにする。高度を少しずつ下げながら、小コブをいくつか越えて尾根伝いに赤テープを追いかけて行くと、35分ほど歩いたところで左側から来る道と合流し、その合流点に「滝戸山頂上まで 0.14km」と書かれた道標が立っていた。間もなく見覚えのある石柱に到着、そのすぐ先に滝戸山の山梨百名山標柱が立っていた。午後1時50分、滝戸山山頂に到着。ここは標高1,221mで、先ほどの千畳敷よりも25mほど標高が低かった。どうやら滝戸山界隈の最高点は千畳敷のようだ。

    方向を左に変えて赤テープが点々と続いているのが見える。


    左側から来る道と合流し、そこに滝戸山山頂を示す道標が立っていた。


    山頂裏にある石碑。ここは以前に来た時に見覚えがある。


    滝戸山山頂到着。標高差は450mほどしか無いが、想定外に苦労した。


    ここは山梨の森百選に選ばれている。


    ミズナラの巨木が立ち並ぶ森


    山頂で記念撮影。初登頂の時は登山用ズボンを忘れ、どうせ誰もいないからとスパッツだけ穿いて登って来た。3段腹と下半身のモッコリが格好悪くてとても人に見せられず、未掲載になっていた。いつか撮り直そうと思っていた1カット。

 昼食をとって休憩、さらに1度目の登頂以降は山頂の標柱と記念撮影することはめったに無いのだが、前回の写真がとても人に見せられるようなものでは無かっただけに、撮り直す。あとは登って来た道を間違えないようにひたすら下るだけだ。滝戸山から千畳敷までは40分ほどかかり、想定していたよりも遠かったことがわかった。3時40分、カラマツ林、4時5分、右左口に到着した。空はどんよりとした曇り空に変わっていたが、なんとか雨に降られずにすんだ。

    下山時に気付いたが、こちらには「登山道」の看板があり、正規ルートは途中で合流した道がそうらしい。

 簡単に登れるルートもある滝戸山・春日山(いずれも山梨百名山)だが、ルートを選べば魅力的な登山が楽しめる山と言える。しかし、富士山の展望にはあまり恵まれず、どちらかといえばマニアックな山だろう。


    右左口峠ー日蔭山ー滝戸山ルート


    高低差
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