山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

凍りつく樹氷の森 北八ヶ岳中山周回  平成25年2月11日

2013年02月12日 | 番外編
 連休初日の2月9日は北八ヶ岳黒百合ヒュッテの予約がいっぱいになり、メイン登山口の渋ノ湯駐車場は大混雑が予想された。この日を避けて10日早朝に出かけることを考えていたが完全に寝過ごし、11日に行くことにした。朝6時に自宅を出発し、中央道を南諏訪インターで降りて渋ノ湯に到着したのは8時過ぎ、途中の路上脇に薄雪の積もった車がたくさん路上駐車されていたので、車を止められないのではないかと心配したが、渋ノ湯駐車場は意外と空いていた。本日目指すは天狗岳。だが、想定外に空模様が悪く、しかも強風が吹き荒れている。果たして登れるのか??8時20分、十二本歯アイゼンを装着して渋ノ湯を出発する。

    渋ノ湯駐車場。途中の路上に駐車されていた車は前日泊の人たちで、駐車場は想定外に空いていた。


    踏み跡しっかりしており、足を取られる事も無く快適に歩く。


    唐沢鉱泉分岐。たっぷりの雪、だが、空模様が心配。


    やや黒ずんだ雲が流れ行く空

 人気の高い冬山コースだけあって、しっかりしたトレースあり快適に歩く。下山して行く登山者とはたくさんすれ違ったが、登って行く人たちは少ないようだ。連休3日目ということもあるが、空模様がいまひとつということもあるのだろう。高度を上げるにつれて風が強くなり、それと引き換えに凄い樹氷の森が広がり出す。予定通り約2時間強で黒百合ヒュッテに到着した。

    強風と雪が作り出した樹氷の森。景色が凄いが、寒さも凄い。


    黒百合ヒュッテ手前の樹氷の森。日が差さないと白黒写真のようだ。


    黒百合ヒュッテ。下山の支度をしている人たちをたくさん見かけた。これから天狗岳に行こうという人は見当たらず。

 黒百合ヒュッテ周辺は窪地になっているので風はさほど強くはなかったが、空は黒ずんだ雲が足早に流れて行き、ゴーゴーと音を立てている。ヒュッテから天狗岳への取り付きは急斜面になっており、ひとまずはその上まで行ってみることにした。一応トレースはあるが、強風に煽られて不明瞭になっている。上に見える岩を目掛けて登ってみると・・・そこは目も開けていられないほどの強風が吹き荒れる。眼前に見えるはずの天狗岳はビュービューと流れ行く雲の中に隠れている。おそらく上は吹雪になっていることだろう。一人尾根に取り付いて登っている登山者の姿が見えたが、かなり苦戦しているようだ。無理はせず、即座に登頂をあきらめてヒュッテに下りる。

    天狗岳取り付きの急登。まずはあの上まで行ってみよう。


    登り着くと目も開けていられないような強風が吹き荒れる。雲の中に天狗岳が隠れている。


    凍りつく岩と道標


    凍りつく木々  樹氷どころではない、完全に凍っているように見える。


    わずか10分で自分のトレースは半分隠れてしまう。

 ヒュッテ前のベンチで食事にしようと思っていたのだが、下山準備の人たちで混雑しており、止む無くテント撤収後の雪の上に座って軽い昼食をとる。天気が若干回復してきたのか、雲の切れ間から一瞬だけ太陽が姿を覗かせた。
 さて、天狗岳が無理ならば難易度の低い反対側の中山に登り、高見石を経由して周回して渋ノ湯に戻るコースに変更することにした。このコースは2年前に所属する山岳会の人たちと一緒に歩いたことがある。中山峠から中山への登りは緩やかだが、風が猛烈に冷たく、指先と耳たぶが凍傷になるのではないかと思うほど寒かった。

    一瞬の日射し  強風で雪が宙を舞う。


    中山峠。ここでも一瞬陽が射し込む。


    時折青空が見え出すが、天狗岳は相変わらず雲の中。中山展望台から。


    立ち枯れの樹氷


    樹氷のドーム


    中山山頂付近の樹氷


    中山山頂の標柱は樹林帯の中にひっそりと立つ。

 中山山頂を越えて高見石側には真っ白な雪原と樹氷の森が広がる。しかし、そこは天狗岳取り付きと同様に強風が吹き付ける場所、目を開けているのも容易ではない。天気が良ければ休憩するに絶好の場所だが、この日はとてもではないが休んでいられるような状態ではない。写真をとって足早に通り過ぎ、樹林帯の中に逃げ込む。

    凄い樹氷が立ち並ぶ。強風が吹き付けるからこそこのような樹氷が出来上がる。


    雪原の彼方、陽が射し込む。


    通り過ぎる一瞬の陽射し


    中山の樹氷


    樹氷の枝

 風の無い樹林帯の中で小休憩後、高見石に向かってひたすら下る。40分ほど下ったところで高見石小屋に到着した。時間は午後1時だった。ここでも小休憩のみで渋ノ湯に向かって下って行くと、賽ノ河原という岩の堆積する広場に出る。眺望が開けるが、ここもまた谷筋から強風が吹き上げる場所で、トレースも半分消えてしまっている。写真を撮りながらも足早にこの場所を通り過ぎる。

    高見石小屋。建物の右手に高見石なる岩があり、その上から見下ろすと眼下に白駒池が見える。今回は岩に登らずに下山。


    賽ノ河原から見上げる中山。相変わらず強風が吹き、山頂には雲がかかる。


    振り返って見る賽ノ河原

 再び樹林帯に入り、トレースがはっきりした緩い傾斜の道を歩いて行くと右下に川の流れが見えてくる。その向こうにはもう渋ノ湯の建物が見え始める。やがて朝登った黒百合ヒュッテへの道と合流し、間もなく渋ノ湯に到着した。時間は午後2時を少し過ぎた頃だった。空には青空が広がっていた。もう半日早く天候が回復してくれれば、もっと良い景色が見られたに違いない。

    登山道から見下ろす川の流れ。その向こうには渋ノ湯の建物が見える。


    渋ノ湯到着。この頃には青空が広がり出す。

 帰りの車の中から雪化粧した蓼科山と北横岳が美しい姿を現しているのが見えた。あちらの山も、きっと凄い樹氷の景色が広がっていることだろう。冬山初級の山だが、残念ながら今回は冬の天狗岳に登りつけなかった。青空が広がる好天時に是非登ってみたい山だ。
コメント (2)
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夕暮れのダイヤモンド富士 高指山  平成25年2月10日

2013年02月12日 | 山梨無名山
 目を覚ませばもう太陽が高く昇り、時間は9時半になっていた。連休は北八ヶ岳の樹氷を見たいと思っていたのだが、出発するにはあまりにも時間が遅過ぎる。ようやく当直の疲れは抜けたが、登る元気は出ず昼過ぎまで自宅で怠惰な時間を過ごす。ふと思い立ったのが夕暮れのダイヤモンド富士だ。7年ほど前の山梨百名山1ラウンド目の時、道志の菜畑山に登ろうとして雪道で車を側溝に落としてしまい、JAFを呼んで引き上げてもらった後に気を取り戻して登ったのが高指山、確か2月10日だったと思う。この日は富士山の山頂に太陽が沈む夕暮れのダイヤモンド富士がこの山から見られる日だ。時計を見ればもう午後1時半、ダイヤになる時間は午後4時半ごろだ。急いで準備して山中湖に向かう。

 混雑が予想される中央道は避けて御坂道、河口湖を経由して山中湖に行くが、雪はわずかで若干の渋滞のみで順調に走り、3時半に山中湖の湖畔に到着した。湖畔からのダイヤモンド富士狙いの車だろうか、駐車場にはあふれんばかりの車、駐車枠以外のスペースにまでぎっしりと車が止まっている。それを横目で見ながら高指山の登山口に向かうが、登山口周辺に良さそうな駐車スペースが見つからず、通り過ぎてまた戻って最終的に道路脇の小スペースに横付けして駐車する。既に時間は3時40分、確か山頂まで1時間ほどかかったような記憶があるので、下手をすると間に合わないかもしれない。薄雪の残る登山道を急ぎ足で登り、別荘地の中を通り過ぎると眼前にカヤト野原の広がる高指山が姿を現す。休憩せずに登ると・・・想定していたよりも山頂は近く、4時15分、30分ほどで山頂に到着した。

    高指山(たかざすやま)登山口。ここは東海自然歩道の一部。


    別荘地の中の道を登る。


    眼前に迫る高指山


    高指山山頂付近。30分で到着。

 既に先客が二人、三脚とカメラを構えて夕暮れを待っていた。しかし、今日の富士山は山頂付近に雲が巻いていていまひとつだ。山頂から一段下がったところの刈り払われた展望地で、地元都留市から来られたカメラマンの方と並んでカメラを構えさせてもらう。

    高指山山頂。一人は大きなカメラ(EOS MarkⅢレベル)を構えて夕暮れを待っていた。


    雲が巻く富士山頂


    なんとか雲が飛び、富士山頂が見えるようになる。

 午後4時37分、いよいよ山頂に太陽が沈み始める。確かにダイヤはダイヤだが・・・凍りつく朝のダイヤモンドに比べるとなんとなく霞んだ富士山とダイヤモンド、いまひとつだ。やはりダイヤモンド富士は朝のほうが感動的だと思う。

    高指山のダイヤモンド富士


    同上


    富士山頂から光の筋が放射する。


    夕暮れの富士  あまり焼けることも無く日が暮れる。

 今回この山に出かけた理由はダイヤモンド富士もあるのだが、もうひとつは3月中旬にやって来るパンスターズ彗星の下見もある。3月10日ごろに近日点(太陽に最も近い位置)を通過した後、夕暮れのほぼ真西の低空(10度以下)の位置に彗星が姿を現して来る。西側の展望が適しており、最も簡単に登れると思われるのがこの高指山と考えている。月の影響がまだ少ない、3月13日から17日あたりまでがこの山から彗星を見るのに適していると推測している。彗星の尾が大きく棚引いてくれれば、富士山の上に彗星のアーチがかかるかもしれない。天候に恵まれることを願っている。
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