(写真枚数が多いので前編・後編の2部に分けてお届けします)
7月26日の夜、北海道の土産話が聞きたいということで久しぶりにヨッシー隊のメンバー6人が集まって夕食会を開いた。写真を見たかったようだが、新病院に移転後自分で自由に使える部屋が無くなってしまい、プリンター等の写真関係のセットアップが出来ておらず現在写真プリントはほとんど出来ない状態になってしまっている。旧病院内にあった写真コーナーも新病院移転後は無くなってしまっている。壁に自由に壁掛けピンが打てないこと、デザインの問題等いろいろあるようで、再開の話はあるものの全く進んでいない。そういうことで集まったメンバーの皆様には申し訳なかったが、写真は無しの雑談と愚痴の会になった。
メンバーの一人が夏休みをとって明後日から1泊2日で仙丈ヶ岳に行くという話題になった。しかもわざわざ長野側戸台側からバスに乗るという。花の終わっているこの季節に何故に仙丈ヶ岳?八ヶ岳ならコマクサが満開の頃だという話をしていたところ、一緒に行くはずだった友人から都合悪くなって行けなくなったというメールが届いた。ではどうするのだということになり、最終的に八ヶ岳に行くことになった。しかも私と植田さんが着いて行くことに。当直疲れがまだ抜けていないので早立ちは避けて27日ゆっくり出発、赤岳鉱泉宿泊でおいしい食事をいただき、翌日硫黄岳・横岳を越えて南沢から下山というプランを立てた。
27日は10時に職場駐車場に集合する。メンバーは3人、まずは赤岳鉱泉に電話を入れて予約すると、あっさり部屋がとれた。美濃戸まで車で入り、12時半に出発、赤岳鉱泉に向かって北沢の林道を進む。もちろん花を探しながら歩くが、かつて咲いていたクリンソウの姿は無く、イチヤクソウ以外は目ぼしいものは何も見つからなかった。
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林道終点。ここから登山道。止まっている車は赤岳鉱泉関係者か林業関係者の許可車両。
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林道脇に咲いていたイチヤクソウ
橋を渡り北沢沿いの登山道に入るとさっそく植田さんが花を発見。未だに判別ができないキソチドリらしきラン科の花が数本咲いていた。形は先日釈迦ヶ岳で見つけたものとほとんど同じだが、ここに咲いているものは花が緑色をしている。そしてその先で偶然発見した花は・・・一見した時はイチヤクソウかと思ったのだが、近付いて良く見れば花の形はイチヨウランにそっくりだ。最近図鑑のラン科植物ページを再三見ているので、すぐにその花とわかった。それは、超稀少な植物、コイチヨウランだ。
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発見!キソチドリ(だと思う)
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別株
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イチヤクソウほどの背丈と花の大きさしかないこの花は・・・コイチヨウラン。
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コイチヨウラン。1株しか発見できず。もう2度とお目にかかれないかもしれません。
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テガタチドリ。赤岳鉱泉周辺の草むらには結構生えていた気がしますが、今回見つけたのはこの1株だけ。
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赤岳鉱泉手前の草地。ほとんど雑草の草ばかり。ここも鹿の食害か?
午後3時50分、赤岳鉱泉に到着。団体客が何組も入っており混雑してはいるが、4人分の布団に3人で寝ることができたので寝場所にはゆとりがあった。夕食は5時半からということで、それまでの間に外を散歩したりお茶を飲んだりして過ごすが4時過ぎあたりからぽつぽつと雨が降り出す。そして夕食時間の5時半になると土砂降りの大雨になった。夕立なので止むだろうが、明日の沢沿いの道は大丈夫なのかと心配するほどの雨だった。1時間ほど降って雨は小降りとなった。
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テント場と赤岳鉱泉。ぽつぽつと雨が降り出し、その後土砂降りに。テントの人はちょっと大変だっただろう。
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食事が豪華なことで知られる赤岳鉱泉。この日の夕食は牛ステーキ。ご飯とスープはおかわり自由。激おいしかったです!(今回の目的のひとつはこの豪華な夕食です。)
翌朝は可能ならば硫黄岳山頂で日の出を迎え、写真を撮りたかった私は、夕食後すぐに睡眠薬マイスリーを2錠服薬した。5時半山頂として逆算して未明3時には赤岳鉱泉を出発したい。1錠で4時間、2錠で6時間眠れることは今まで星空の撮影のために使用した経験からわかっている。6時半には眠りに就いたので、おそらく目が覚めるのは深夜1時ごろだろう。
そして目が覚めたのは・・・時間通り深夜12時半。窓の外を見ると星も月も見えない曇り空のようだ。布団の中で2時まで横になり、周りの人を起こさないようにそっと布団から出て洗面所に行き、歯磨きと洗顔後準備して2時半に赤岳鉱泉を一人で出発した。霧に巻かれた登山道を道迷いに注意しながら登り、赤岩の頭手前あたりで夜が明け始めて明るくなりヘッドライトを外す。うまくすれば雲海の上に抜けられるのではという期待も空しく、霧に巻かれて何も見えない。予定通り5時10分、硫黄岳山頂に到着した。
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霧に巻かれた赤岩の頭分岐点。4時45分通過。
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何も見えない硫黄岳山頂。5時15分。
折角暗い中を登って来たのにこの天候では写真にならない。自然が相手だけにこればかりは仕方無い。赤岳鉱泉で作ってもらった朝食弁当を石室の脇で風を避けながら食べていると、西の空が明るくなり青空の下に御岳山と中央アルプスが一瞬姿を現した。消えたかと思うとまた姿を現し、次第にその山容がはっきりと見えるようになる。そして遂に・・・(後編に続く)。
7月26日の夜、北海道の土産話が聞きたいということで久しぶりにヨッシー隊のメンバー6人が集まって夕食会を開いた。写真を見たかったようだが、新病院に移転後自分で自由に使える部屋が無くなってしまい、プリンター等の写真関係のセットアップが出来ておらず現在写真プリントはほとんど出来ない状態になってしまっている。旧病院内にあった写真コーナーも新病院移転後は無くなってしまっている。壁に自由に壁掛けピンが打てないこと、デザインの問題等いろいろあるようで、再開の話はあるものの全く進んでいない。そういうことで集まったメンバーの皆様には申し訳なかったが、写真は無しの雑談と愚痴の会になった。
メンバーの一人が夏休みをとって明後日から1泊2日で仙丈ヶ岳に行くという話題になった。しかもわざわざ長野側戸台側からバスに乗るという。花の終わっているこの季節に何故に仙丈ヶ岳?八ヶ岳ならコマクサが満開の頃だという話をしていたところ、一緒に行くはずだった友人から都合悪くなって行けなくなったというメールが届いた。ではどうするのだということになり、最終的に八ヶ岳に行くことになった。しかも私と植田さんが着いて行くことに。当直疲れがまだ抜けていないので早立ちは避けて27日ゆっくり出発、赤岳鉱泉宿泊でおいしい食事をいただき、翌日硫黄岳・横岳を越えて南沢から下山というプランを立てた。
27日は10時に職場駐車場に集合する。メンバーは3人、まずは赤岳鉱泉に電話を入れて予約すると、あっさり部屋がとれた。美濃戸まで車で入り、12時半に出発、赤岳鉱泉に向かって北沢の林道を進む。もちろん花を探しながら歩くが、かつて咲いていたクリンソウの姿は無く、イチヤクソウ以外は目ぼしいものは何も見つからなかった。
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林道終点。ここから登山道。止まっている車は赤岳鉱泉関係者か林業関係者の許可車両。
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林道脇に咲いていたイチヤクソウ
橋を渡り北沢沿いの登山道に入るとさっそく植田さんが花を発見。未だに判別ができないキソチドリらしきラン科の花が数本咲いていた。形は先日釈迦ヶ岳で見つけたものとほとんど同じだが、ここに咲いているものは花が緑色をしている。そしてその先で偶然発見した花は・・・一見した時はイチヤクソウかと思ったのだが、近付いて良く見れば花の形はイチヨウランにそっくりだ。最近図鑑のラン科植物ページを再三見ているので、すぐにその花とわかった。それは、超稀少な植物、コイチヨウランだ。
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発見!キソチドリ(だと思う)
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別株
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イチヤクソウほどの背丈と花の大きさしかないこの花は・・・コイチヨウラン。
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コイチヨウラン。1株しか発見できず。もう2度とお目にかかれないかもしれません。
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テガタチドリ。赤岳鉱泉周辺の草むらには結構生えていた気がしますが、今回見つけたのはこの1株だけ。
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赤岳鉱泉手前の草地。ほとんど雑草の草ばかり。ここも鹿の食害か?
午後3時50分、赤岳鉱泉に到着。団体客が何組も入っており混雑してはいるが、4人分の布団に3人で寝ることができたので寝場所にはゆとりがあった。夕食は5時半からということで、それまでの間に外を散歩したりお茶を飲んだりして過ごすが4時過ぎあたりからぽつぽつと雨が降り出す。そして夕食時間の5時半になると土砂降りの大雨になった。夕立なので止むだろうが、明日の沢沿いの道は大丈夫なのかと心配するほどの雨だった。1時間ほど降って雨は小降りとなった。
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テント場と赤岳鉱泉。ぽつぽつと雨が降り出し、その後土砂降りに。テントの人はちょっと大変だっただろう。
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食事が豪華なことで知られる赤岳鉱泉。この日の夕食は牛ステーキ。ご飯とスープはおかわり自由。激おいしかったです!(今回の目的のひとつはこの豪華な夕食です。)
翌朝は可能ならば硫黄岳山頂で日の出を迎え、写真を撮りたかった私は、夕食後すぐに睡眠薬マイスリーを2錠服薬した。5時半山頂として逆算して未明3時には赤岳鉱泉を出発したい。1錠で4時間、2錠で6時間眠れることは今まで星空の撮影のために使用した経験からわかっている。6時半には眠りに就いたので、おそらく目が覚めるのは深夜1時ごろだろう。
そして目が覚めたのは・・・時間通り深夜12時半。窓の外を見ると星も月も見えない曇り空のようだ。布団の中で2時まで横になり、周りの人を起こさないようにそっと布団から出て洗面所に行き、歯磨きと洗顔後準備して2時半に赤岳鉱泉を一人で出発した。霧に巻かれた登山道を道迷いに注意しながら登り、赤岩の頭手前あたりで夜が明け始めて明るくなりヘッドライトを外す。うまくすれば雲海の上に抜けられるのではという期待も空しく、霧に巻かれて何も見えない。予定通り5時10分、硫黄岳山頂に到着した。
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霧に巻かれた赤岩の頭分岐点。4時45分通過。
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何も見えない硫黄岳山頂。5時15分。
折角暗い中を登って来たのにこの天候では写真にならない。自然が相手だけにこればかりは仕方無い。赤岳鉱泉で作ってもらった朝食弁当を石室の脇で風を避けながら食べていると、西の空が明るくなり青空の下に御岳山と中央アルプスが一瞬姿を現した。消えたかと思うとまた姿を現し、次第にその山容がはっきりと見えるようになる。そして遂に・・・(後編に続く)。