山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

アヤメ咲く櫛形山を訪れる(富士山編)  平成30年7月1日

2018年07月03日 | 山梨百名山
 池の茶屋を朝9時に出発して裸山、アヤメ平と廻ってきたが、さほどの距離を移動しているわけではないのにもう時刻は5時である。日が長くなったおかげでこの時間でもまだ空は明るい。お昼過ぎに訪れた裸山は霧が湧いて周りの景色はほとんど見えなかったが、夕暮れが近付くにつれて霧が晴れて青空が見えてきた。特に東側の空はくっきりとした青空が広がっている。これならば、ひょっとして富士山が見えるのではないだろうか?


    本日2度目の裸山に到着。


    もう誰も居ない。満開のアヤメを独占。


    裸山山頂に登って行くと・・・おお!見える。富士山だ。

 ここ5~6年は恒例になっているこの裸山だが、ここから富士山を見たのはもう10年くらい前に一度だけである。その頃はもうアヤメは鹿の食害で激減しており山頂付近ではほとんど咲いていなかった。植生が復活してきてアヤメが増殖し、いつかアヤメ越しの富士山が見られるようになるだろうと期待していた通り、ようやくアヤメと富士山のコラボレーションを見ることが出来た。手前のアヤメは既に陽が陰ってしまっており光量が足りず写真としてはいまひとつの出来であるが、この景色が見られるようになったことは大きな喜びである。


    裸山のアヤメと富士山


    同上。ズームで捉える。

 時刻は6時近くになった。櫛形山山頂を越えて下山する頃には日没になっているであろうが、折角見えている富士山を撮らずに下山するのはもったいない。櫛形山山頂で残照の富士山を眺めた後は三脚を担いだまま稜線上をゆっくりと富士山を眺めながら歩く。


    櫛形山山頂から見る夕映えの富士山。


    同上。櫛形山稜線から。


    アースシャドウの富士山。櫛形山稜線から。


    同上。


    夕焼け空の白根三山。展望台から。


    夕焼け空の北岳


    雲海に浮かんだ夕暮れの悪沢岳

 途中でヘッドライト点灯し、池の茶屋駐車場に到着したのは7時45分になった。さほど歩いたわけでは無いが、10時間近くも櫛形山界隈をブラブラしていたことになるが、それだけの時間を費やす価値のある山行だったと思う。

 本日の月の出は9時15分ごろだったはずだ。現在地球に接近している火星の赤い輝きが素晴らしく、本日の17夜の月と火星は横並びに接近して東の空から昇って来る。当初は朝霧高原を予定していたが富士山中腹に雲が巻いている様子を見ると近距離からの富士山は見えない公算が強い。高下か、丸山林道展望台か、あるいは櫛形山林道か迷ったが、明るい月を想定して町灯りが前景に入る櫛形山林道を選択して移動する。到着した当初は富士山が見えていたのだが・・・


    櫛形山林道から見る夜景と富士山。到着した8時45分ごろには富士山が見えていた。


    しかし、9時を過ぎた頃から富士山は雲に隠れてしまった。空にはうっすらと天の川が流れる。


    月が昇る。残念ながら富士山は見えず。


    雲の中にうっすらと火星が見える。富士山は見えず、これにて撤退。

 帰宅したのは11時になってしまったが、アヤメを前景にした富士山を眺めることが出来て充実した1日になった。
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アヤメ咲く櫛形山を訪れる(後編)  平成30年7月1日

2018年07月03日 | 花・花・花
 池の茶屋を9時に出発して裸山に到着したのが午後1時、さらに裸山出発が2時過ぎとなりアヤメ平に到着したのは2時半近くになった。そろそろ登山客の姿も少なくなりほんの数人とすれ違っただけだった。さらに3時を過ぎた頃にはもう誰も居なくなり、アヤメ平のお花畑は独占状態となり三脚を出して存分に写真を撮らせてもらった。


    樹林帯の中に咲いていたマムシグサ。ユモトマムシグサは全て花は終わっていた。


    コバノイチヤクソウ


    アヤメ平に到着。もうほとんど人が居ない。


    だいぶ草が茂ってきてアヤメも増えてきた。


    キソチドリか、それともオオヤマサギソウか?


    アオスズランはようやく頭を持ち上げてきたところだった。


    避難小屋の前のキンポウゲ


    咲き始めたばかりのキンバイソウ


    200㎜望遠レンズで捉えたキンバイソウ。


    復活したアヤメ平のお花畑。素晴らしい!


    テガタチドリとアヤメが半々くらいだろうか。


    元気なテガタチドリ。


    咲き始めたクガイソウ


    テガタチドリ


    アヤメ

 裸山の植生の変化から見ると、現在のアヤメ平の様子は3~4年前の裸山と同じような感じである。おそらくは2~3年するとアヤメが増殖してテガタチドリが減少してくるのではないかと予想される。


    植生の変化に伴って年々減少しているのがこの花。


    当初はキソチドリだと思っていたのだが距が長くて前方に曲がる様子からホソバノキソチドリと思われる。まだ咲いていなかったのが残念。


    お花畑を良く見ると踏み跡があり、どうやら鹿の仕業らしい。食害の跡も見られる。ネットのどこかに破損があると思われる。


    保護柵の外と中ではこれほどの植生の違いが現われてきた。

 今年で保護柵が設置されて6年になるだろうか。絶大な効果が現われているアヤメ平であり、現在はアヤメが増殖する途中の段階にあると推定される。アヤメの花はまだ少ないものの幼弱な葉は多数出現してきており、次第にアヤメ主体の紫色のお花畑に変わって来ると予想している。それに伴ってテガタチドリやホソバノキソチドリは減少することになるであろう。自然界では植物同志の熾烈な生存争いが繰り広げられているのである。アヤメは強い植物だと思う。

 時刻は4時半を過ぎた。そろそろ撤退の時間である。モミジ谷を経由しての周回歩道を歩く予定だったが撮影に夢中になっていてストックを避難小屋の近くに置き忘れてきてしまったようだ。回収しながら東の空を見ると青空が広がっていた。ひょっとしたら富士山が見えているのではないかと淡い期待を抱いて、もう一度裸山に立ち寄って帰ることにする。(富士山編に続く)
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