山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

冨士北麓花散策 着生植物を中心に  平成30年7月21日

2018年07月23日 | 番外編
 所属している山岳会で冨士北麓の植物探索に行きたいとのことで案内を仰せつかった。そこでまだ山岳会で探索に入った事の無い場所を巡ってみることにした。といっても特別な場所では無くて自分自身では何度も巡っている主に着生植物の生育する場所である。予定では林道の上と下に車を置いて歩く予定だったのだが、猛暑の中を長い距離を歩くのはちょっと大変である。作戦変更して車で2ヶ所を移動することにして1ヶ所は時間を見ながら行けるところまで行くことにした。

 もう花は終わってしまっているだろうが、まずはフガクスズムシソウが生育する森を訪れる。


    林道脇に咲いていたセイタカスズムシソウ。花はもう散り始めていたが、初めて見る植物である。


    まだ蕾のオニノヤガラ。この形はまさに鬼の矢である。


    双眼鏡で何本も木を見上げてやっと発見。


    フガクスズムシソウ。やはりもう花が散ってしまっている。


    苔とシダの中に隠れるように生育している群落。


    こちらはかろうじて咲き残っていた。


    たぶん白花の株だが、散ってしまう直前。


    この場所はもう少し株数が多かったと思ったが?木の地肌が露出している部分が自然脱落してしまったらしい。着生植物の宿命だろう。


    こちらはヤシャビシャク。イガグリ状の種はほとんど付いていない。


    この木にはマツノハマンネングサが着生していた。


    マツノハマンネングサ。白っぽい蕾が付いているが黄色い花が咲く。


    真ん中にあまり見かけないシダが付いている。イワオモダカ(ウラボシ科ヒトツバ属)。絶滅危惧種ではないが、上下に付いているオシャグジデンダというシダは絶滅危惧種。


    イワオモダカ。

 四苦八苦して木を見上げながら探していると、幸運なことに師匠と仰ぐ大先生が人を案内してやって来られ、混じって案内していただき、効率良く見ることができた。ご病気になられてもう歩いていないのかと思っていたのだが、想定外にお元気そうでなによりだった。

 さて、車に戻って移動し、もう1ヶ所訪れてみる。


    コイチヨウランはようやく見ごろを迎えた。


    アリドオシランはほとんど散っている。今年はツルアリドオシがほとんど咲いていないように見える。


    ベニカヤラン。結実した細長い種が付いているだろうと思ったのだがまだ種は熟していなかった。


    ツリシュスラン。昨年は花を咲かせなかったが今年は3本出た。


    1,140㎜望遠で見ると、暑さでなんとなくぐったりしているような気がする。あと2週間もすれば咲きそうである。


    おまけのタマゴタケ親子。保護区の中なので採取してはいけません。

 目的の花だったひとつにキバナノショウキランがあったのだが、5人で探したが一株も見つけることが出来なかった。一昨年も一株しか見つからず、おそらく激減してしまっているのだろう。コアツモリソウが咲くあたりまで行くつもりだったのだが遠雷が轟き始め少し近付いてきているように感じる。天気予報でも午後から夕立があるかも知れないという予報である。時刻は午後4時だが無理せずに本栖第1風穴、第2風穴を巡って撤退となった。

 それにしても今年の夏は暑過ぎる。花もこの暑さにまいってしまっていることだろう。

コメント
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