山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

櫛形山で見たシダ植物  令和1年9月15日

2019年09月18日 | 番外編
 まだ分からないことばかりのシダ植物だが、生えているのを見ると近付いて裏側の胞子嚢群(ソーラス)配列を見るのが癖のようになってきた。薄暗い場所で撮影するのでシャッタースピードが遅くなるため手持ちで撮るのは難しく、やはり三脚が必須となり、撮影には普通の花以上に多大な時間を要してしまう。コースタイムの2倍はかかるのがここのところの山行では当たり前になりつつある。普通に見られるが何だか分からないシダがほとんどであるが、時としてこれは・・・というシダに出会うこともある。


    オシダ。櫛形山の少し湿った斜面には群生が見られる。


    このシダは裏側を見なくても判別できるようになってきた。


    イワデンダ


    シシガシラ、だと思うが根元の鱗片を見ないとオサシダとの区別が出来ないらしい。


    普通にたくさんあるが何だか知らないのがこのシダ。裏側にソーラスは付いておらず胞子葉を別に出すタイプのシダと思われる。


    あちらこちらにゴッソリと茂っているこのシダもたぶん同じもの。シラネワラビと思われる。


    そしてもう1種類、登山道脇のあちらこちらに普通に生えているが何だか分からないシダ。このシダもソーラスが付いていない。


    クラマゴケの仲間。(と思っていたが・・・)


    マクロレンズで覗き込んでみると葉の形は米粒型で先端に小さな棘がある。


    花のような胞子嚢を出していた。➡これはクラマゴケの仲間では無くツボゴケあるいはコツボゴケという苔の仲間と判明。


    コケシノブの仲間だが、コケシノブにしては丸っこい感じがする。


    コウヤコケシノブかと思ったが葉はギザギザしていない。裏側を見て来なかったので葉軸に毛が生えているかどうかは不明。毛が生えていればキヨスミコケシノブだが、たぶん普通のコケシノブだろう。


    コケの中から生えていた小さなシダ。いつも見ているイワトラノオかと思ったが・・・


    近付いて見てみると驚き!


    葉の先端部を主に毛が生えている。


    裏側のソーラス。葉脈に沿ってあふれんばかりに付着している。


    判別が間違っていなければこれはカラクサシダだろう。山梨県絶滅危惧種ⅠA類のちょっと珍しいシダである。

 カラクサシダと思われる小さなシダの撮影には1時間近い時間を費やした。びっしりと付着したソーラスにも驚いたが毛の生えた葉にはもっと驚いた。3年間で山梨県絶滅危惧種のシダ類8割制覇が目標であるが、判別が間違っていなければヤツガタケシノブに続いて新たに1種類ゲットしたことになる。



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初秋の花咲く櫛形山へ  令和1年9月15日

2019年09月18日 | 山に咲く花
 アヤメの復活が著しい櫛形山はアヤメ咲く7月やクガイソウとシモツケソウのお花畑になる8月には何度も訪れているが9月になってから訪問したことはほとんど無い。おそらく、マツムシソウのお花畑がそろそろ終わりかけている頃だろう。探していた花の情報が花仲間から入ってきたことがあり、見に行ってみることにした。


    苔生した登山道を行く。出発時間が遅くかつ途中でシダ植物の撮影に多大な時間を要したためもう木の影が長く伸びている。


    斜面を覆い尽くすシダ。こんな普通にありふれたシダの名前も分類も実は知らない。


    午後3時に裸山に到着。こんなにたくさんタムラソウが咲くとは知らなかった。


    毎度の定点からの撮影。向こうに見えるのが櫛形山山頂。マツムシソウはもう終わりかけているがこれでもかというくらいにマツムシソウとタムラソウが競って生えている。


    本日は天候に恵まれてスッキリした富士山がお目見え。


    裸山山頂の花たちと富士山


    タムラソウと富士山


    花が散ってしまっているマツムシソウの群落。もう少し早い時期に訪問していれば薄紫色のお花畑と富士山が見られたのであろう。


    色鮮やかなトリカブト


    裸山山頂から見る白根三山

 貴重な生育情報をいただいて見に行ったのは、かつて山梨県絶滅危惧ⅠA類だったが確認されていた生育地から消滅してしまい、2018年版から情報不足(DD類)になってしまった花である。ほとんど情報が無く探す術も持っていなかった花の情報が偶然舞い込んできた。


    目的の花はこの鮮やかな黄色の花。


    3出複葉のこの葉、間違い無さそうである。


    隣の長野県では結構見られるようだが山梨県で見るのは難しい、ナガミノツルキケマン。


    それなりに個体数はあったが、先が千切れていて食害に遭っているらしいのが心配である。

 山梨県では初めて見るナガミノツルキケマン、探してはいたが全く見つかる気配が無く、ようやく出会えたといった感じである。ごく限られた範囲にしか生育しておらず、食害跡らしきものがあるのが心配である。

 午後4時に裸山を出発して日没前には下山出来た。


    夕暮れの富士山


    この季節にしては珍しくアースシャドウが見えた。

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