平成20年3月9日 天候晴れ
3年前の夏に芦川側から大石峠を経て節刀ヶ岳に登った時は、完全に霧に巻かれ、富士山どころか隣の十二ヶ岳や鬼ヶ岳さえ見ることができなかった。御坂山塊で富士山を見ていない山はここだけと言って良く、いつか天気の良い日にもう一度登りたいと思っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/08/dd2b7add23c85917095114abe3804c97.jpg)
河口湖から見る富士山
この日は天気予報では晴れ、午後から雲が広がるとの予報で、風が穏やかで暖かく、登山には絶好の天候となった。今回はまだ歩いたことのない河口湖側の大石から登ることにした。河口湖の湖畔から富士山を眺めると、見えてはいるもののなんとなくモヤがかかったようなすっきりしない富士山だ。最近こんな富士山ばかり。大石の林道を行くと、現在大きなトンネルを掘る工事をしていて、いずれ甲府盆地と河口湖が大きな道でつながるらしい。登山口まで車で行けるが、雪が少し残っていてアイスバーンになっていたので、10分ほど手前の工事用プレハブ小屋があるところに車を止め、8時少し前から歩き始める。
先週の三方分山が手頃な雪だったので節刀ヶ岳もそんなもんだろうと多寡をくくって出発。大石峠に登る道は整備され、道標もしっかりとつけられた良い道。そのまま道をたどって行けば間違いなく大石峠なのだが、1時間ほど登ったところで左側に鋭角に曲がる細い道が目に留まる。踏み跡もついているし、節刀ヶ岳の方向はそちら側になる。もちろん地図にはない道なのだが、途中で尾根を右に取り付けば節刀に行く稜線に抜けられるはず。ということでそっちの地図にない道を歩くことにした。15分ほど歩くと予想通り尾根に取り付く。踏み跡はそのまま山腹を横に辿ってついているが、私はここで右に曲がって尾根を直登、ここから踏み跡はないが、林業作業をした痕跡がありところどころにテープがついており、何となく道らしいところもある。しだいに傾斜がきつくなり、15~20cmほどの雪を踏みながら稜線に出ると、予想通り大石峠から節刀ヶ岳に向う道に着いた。しかしそこは・・・予想に反してノートレース。歩けないことはないが、簡単に膝まではまる30~40cmの積雪がある。しかも悪いことにスパッツを置き忘れてきてしまった。とりあえず行けるところまで、と節刀側に歩いて行くと、100mほど進んだところでトレース発見。どうも稜線上は風でトレースが消えてしまっていたらしい。しかし、このトレース、やたらと大きな足跡で、スノーシューかなにかの跡らしく、私が踏むとさらに深く沈んでしまう歩きにくいトレースだった。少し歩くと富士山を見るのに絶好の岩場があり、その上に乗って写真を撮る。毛無山から十二ヶ岳に向う稜線の上に富士山が立ち、河口湖で見た霞を抜けてすっきりとした富士山が見えていた。やはり山の上から見る富士山は良い。
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なんとなく道? 今回登った尾根道。ところどころに林業作業用のテープがついている。(登山道を示すテープではないので注意。)
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毛無山-十二ヶ岳尾根の上に立つ富士 下界のモヤの上に富士が聳える。
11時山頂の予定だったのだが、時間は既に10時。夏ならばここから1時間で行けるのだろうが、この雪ではどうなることやら。途中で6本歯アイゼン装着し、靴の中に入ってくる雪をしばしば払いのけつつ、ズポズポの雪道を一歩ずつ進む。途中にとんでもない急斜面があり、膝上まで雪にはまりながら足場を踏み固めつつなんとか越える。節刀ヶ岳が目の前に迫ってきた。苦節2時間あまり、12時半に金山への分岐に到着、節刀ヶ岳はすぐそこだが、すでにヘトヘト、しばし休憩。結局山頂到着は予定を2時間もオーバーした12時50分だった。
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十一・十二ヶ岳と富士 節刀ヶ岳山頂からの眺望。
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河口湖方面の眺望 左が御坂山塊最高峰の黒岳、その右が三つ峠、いちばん右が杓子山と鹿留山。
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南アルプスの眺望 荒川三山から白根三山の山々が軒を連ねる。
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雪道のトレース 足がはまって歩きにくい。
天気が良いのにこの日の節刀ヶ岳山頂は私一人だけ。十二ヶ岳や鬼ヶ岳側から来る人もいない。十二ヶ岳から鬼ヶ岳へのコルに大きく富士山が聳え立つ。右手には荒川三山から白根三山、仙丈岳へと、南アルプスの山々がずらりと軒を連ねる抜群の眺望。山頂からわずかに下った岩の上からは河口湖側の眺望が楽しめ、裏側には八ヶ岳と奥秩父の山々が顔を出す。下山するのがもったいない気がするが、1時間ほどのんびりしてさて、下山だ。また登って来た雪道を戻るのはちょっと辛いが、歩くしかない。大石峠までのトレースを心配していたのだが、幸いなことに帰りは途中まで数人登って来た人がおり、しっかり踏み跡がつけられていた。雪が多くて途中であきらめて引き返したらしい。そのトレースに沿って大石峠に到着したのは3時40分、2時間かからずに到着できた。ここから見る富士山もまたすばらしい。西日が差し込む斜面がまた格別に美しい。結局ここでまた1時間も時間を費やしてしまうことになる。
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大石峠
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西日射す富士山 午後4時過ぎの大石峠から見る富士山。
急ぎ足で峠からの道を降り、45分で林道まで下り、駐車場に到着したのは午後5時30分だった。思った以上に雪が深くて足をとられ、大幅に予定時間を超えたが、富士山を見ることができ、山頂を踏むことができた満足感のある登山だった。ただ、この雪道を一人で行くのはちょっと辛いものがある。
参考(にならない)タイム
大石林道7:45-大石峠登山道入り口8:00-中腹の分岐8:45-尾根取り付き9:00-稜線9:45-ガレの淵10:50-金山分岐12:30-節刀ヶ岳12:50(昼食休憩約1時間)-大石峠15:30(1時間休憩)-林道17:15-駐車場17:30
3年前の夏に芦川側から大石峠を経て節刀ヶ岳に登った時は、完全に霧に巻かれ、富士山どころか隣の十二ヶ岳や鬼ヶ岳さえ見ることができなかった。御坂山塊で富士山を見ていない山はここだけと言って良く、いつか天気の良い日にもう一度登りたいと思っていた。
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河口湖から見る富士山
この日は天気予報では晴れ、午後から雲が広がるとの予報で、風が穏やかで暖かく、登山には絶好の天候となった。今回はまだ歩いたことのない河口湖側の大石から登ることにした。河口湖の湖畔から富士山を眺めると、見えてはいるもののなんとなくモヤがかかったようなすっきりしない富士山だ。最近こんな富士山ばかり。大石の林道を行くと、現在大きなトンネルを掘る工事をしていて、いずれ甲府盆地と河口湖が大きな道でつながるらしい。登山口まで車で行けるが、雪が少し残っていてアイスバーンになっていたので、10分ほど手前の工事用プレハブ小屋があるところに車を止め、8時少し前から歩き始める。
先週の三方分山が手頃な雪だったので節刀ヶ岳もそんなもんだろうと多寡をくくって出発。大石峠に登る道は整備され、道標もしっかりとつけられた良い道。そのまま道をたどって行けば間違いなく大石峠なのだが、1時間ほど登ったところで左側に鋭角に曲がる細い道が目に留まる。踏み跡もついているし、節刀ヶ岳の方向はそちら側になる。もちろん地図にはない道なのだが、途中で尾根を右に取り付けば節刀に行く稜線に抜けられるはず。ということでそっちの地図にない道を歩くことにした。15分ほど歩くと予想通り尾根に取り付く。踏み跡はそのまま山腹を横に辿ってついているが、私はここで右に曲がって尾根を直登、ここから踏み跡はないが、林業作業をした痕跡がありところどころにテープがついており、何となく道らしいところもある。しだいに傾斜がきつくなり、15~20cmほどの雪を踏みながら稜線に出ると、予想通り大石峠から節刀ヶ岳に向う道に着いた。しかしそこは・・・予想に反してノートレース。歩けないことはないが、簡単に膝まではまる30~40cmの積雪がある。しかも悪いことにスパッツを置き忘れてきてしまった。とりあえず行けるところまで、と節刀側に歩いて行くと、100mほど進んだところでトレース発見。どうも稜線上は風でトレースが消えてしまっていたらしい。しかし、このトレース、やたらと大きな足跡で、スノーシューかなにかの跡らしく、私が踏むとさらに深く沈んでしまう歩きにくいトレースだった。少し歩くと富士山を見るのに絶好の岩場があり、その上に乗って写真を撮る。毛無山から十二ヶ岳に向う稜線の上に富士山が立ち、河口湖で見た霞を抜けてすっきりとした富士山が見えていた。やはり山の上から見る富士山は良い。
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なんとなく道? 今回登った尾根道。ところどころに林業作業用のテープがついている。(登山道を示すテープではないので注意。)
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毛無山-十二ヶ岳尾根の上に立つ富士 下界のモヤの上に富士が聳える。
11時山頂の予定だったのだが、時間は既に10時。夏ならばここから1時間で行けるのだろうが、この雪ではどうなることやら。途中で6本歯アイゼン装着し、靴の中に入ってくる雪をしばしば払いのけつつ、ズポズポの雪道を一歩ずつ進む。途中にとんでもない急斜面があり、膝上まで雪にはまりながら足場を踏み固めつつなんとか越える。節刀ヶ岳が目の前に迫ってきた。苦節2時間あまり、12時半に金山への分岐に到着、節刀ヶ岳はすぐそこだが、すでにヘトヘト、しばし休憩。結局山頂到着は予定を2時間もオーバーした12時50分だった。
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十一・十二ヶ岳と富士 節刀ヶ岳山頂からの眺望。
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河口湖方面の眺望 左が御坂山塊最高峰の黒岳、その右が三つ峠、いちばん右が杓子山と鹿留山。
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南アルプスの眺望 荒川三山から白根三山の山々が軒を連ねる。
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雪道のトレース 足がはまって歩きにくい。
天気が良いのにこの日の節刀ヶ岳山頂は私一人だけ。十二ヶ岳や鬼ヶ岳側から来る人もいない。十二ヶ岳から鬼ヶ岳へのコルに大きく富士山が聳え立つ。右手には荒川三山から白根三山、仙丈岳へと、南アルプスの山々がずらりと軒を連ねる抜群の眺望。山頂からわずかに下った岩の上からは河口湖側の眺望が楽しめ、裏側には八ヶ岳と奥秩父の山々が顔を出す。下山するのがもったいない気がするが、1時間ほどのんびりしてさて、下山だ。また登って来た雪道を戻るのはちょっと辛いが、歩くしかない。大石峠までのトレースを心配していたのだが、幸いなことに帰りは途中まで数人登って来た人がおり、しっかり踏み跡がつけられていた。雪が多くて途中であきらめて引き返したらしい。そのトレースに沿って大石峠に到着したのは3時40分、2時間かからずに到着できた。ここから見る富士山もまたすばらしい。西日が差し込む斜面がまた格別に美しい。結局ここでまた1時間も時間を費やしてしまうことになる。
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大石峠
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西日射す富士山 午後4時過ぎの大石峠から見る富士山。
急ぎ足で峠からの道を降り、45分で林道まで下り、駐車場に到着したのは午後5時30分だった。思った以上に雪が深くて足をとられ、大幅に予定時間を超えたが、富士山を見ることができ、山頂を踏むことができた満足感のある登山だった。ただ、この雪道を一人で行くのはちょっと辛いものがある。
参考(にならない)タイム
大石林道7:45-大石峠登山道入り口8:00-中腹の分岐8:45-尾根取り付き9:00-稜線9:45-ガレの淵10:50-金山分岐12:30-節刀ヶ岳12:50(昼食休憩約1時間)-大石峠15:30(1時間休憩)-林道17:15-駐車場17:30
ダイヤモンド富士の事や色々山の話をしていただき、
先生から名刺を戴いた者です。
今回あの時の名刺を頼りにこのHPにきてみました。
(ちょっと遅いですが・・・)
節刀ヶ岳には自分も、今年の3月3日に芦川村から大石峠を経て節刀ヶ岳山頂まで往復しました!
我々は3人で行きましたが、確かに雪深く大変な山行でした。
過去の記録を見ても似たような時期に同じ山に登っていたりして、
つい嬉しくなってつまらないコメントをしてしましました。
コメントありがとうございました。またどこかの山でお会いできそうですね。