後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

一般人が乗れる大型帆船、AKOGARE号

2008年05月02日 | うんちく・小ネタ

「まだ現役大型帆船日本丸」のシリーズ記事を掲載していましたら、一度、航海の体験もしたくなりました。そこで少し調べてみましたところ、大阪市が1993年に建造し所有している362トン、3本マストの帆船、Akogare を見つけました。

ご存知の方も多いとは存じますが、以下に情報をお送りします。草々、藤山杜人

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大阪市が建造・所有する帆船「あこがれ」は、1994年から広く一般市民の方を乗せてセイル・トレーニングを行っています。日本各地はもとより、グアム・フィジー・ニュージーランド・オーストラリア・インドネシアへ航海、そして2000年の世界一周と、これまでに地球を6.6周分航海したことになります。

セイル・トレーニングってどんなことをするんだろう?
どうすれば参加できるんだろう?料金はいくら?
どんなことをするの?持ち物は?
「あこがれ」ってどんな船
このサイトではいろいろな疑問に答え、情報を提供します。

乗船申し込みフォームはこちら

1993年に建造された「あこがれ」も13歳、1994年のセイル・トレーニング事業開始10周年も終わり、新しいセイル・トレーニングを目指してがんばっていきます。また、2005年7月には山形県酒田港で開業以来のトレーニー数が2万人に達しました。現在、2008年9月までの入門型と年間航海型スケジュールを発表しています。 


セイル大阪 地図はこちら
559-0034 大阪市住之江区南港北1-14-16 WTCビル3階 メールボックス70
Tel:06-6615-6070 Fax:06-6615-6071 E-mail: sail@akogare.or.jp

Copyright 1999-2005 Sail Osaka

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大坂市が建造・所有する帆船、665トン、AKOGARE号の詳細は、

http://www.akogare.or.jp/top.html をご覧下さい。


万葉の歌のお好きな方へ

2008年05月02日 | 写真

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日本最古の歌集、万葉集に歌われた植物、約160種を集めて栽培、公開してる寺がある。ご存知の方も多いと思うがご紹介したい。JR西国分寺駅から南の方角へ歩いて15分のところに、上の大きな写真のような、現在の、むさしのくに国分寺がある。

下列の10枚の写真はこの万葉植物園の案内文や説明板の様子を示している。

また境内には昔の国分寺の瓦や出土品を展示している建物もある。これもご覧下さい。

山門を出て30mほど歩くと聖武天皇の建てた国分寺の礎石群が並んでいる広場に出る。

なお国分尼寺の礎石群は西の方角へ約600mあり、府中街道とJR武蔵野線の向こう側にある。歩くと10分以上かかる。

また寺の白壁の塀にそって東方向へ10m行くと「お鷹の道」の入り口があり、案内板がある。(お鷹の道はすでに2度、このブログで紹介している)

万葉植物園の植物名と和歌を読みながら散歩をしていると、なにか大らかな気分になり

当時の国分寺の境内を歩いているような錯覚をおぼえる。万葉集の本を持って行くともっと

興趣が高まってくる。

しかし現在は花が途切れる時期で、ほとんど咲いていない。いろいろな季節に訪問することをお勧めする。

詳細情報の出ているURLは、http://club.pep.ne.jp/~t.mizuno/ind_st1.html です。

撮影日時:5月2日午前10時頃 (終わり)


外国体験のいろいろ(42)欧米の退学制度とキリスト教

2008年05月02日 | 旅行記

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○学校入学は契約

明治時代に欧米の教育制度が急いで輸入された。学校建物、教員組織、学年進級制度、教育プログラム、時間割編成などはかなり忠実に輸入した。しかし、教員の処遇の仕方、校長の権限、生徒の進級条件、飛び級制度、強制退学制度のような運営の具体的方法は輸入されなかった。運営方法は教員や生徒に重大な影響を及ぼす。日本の学校が欧米の学校と似て非なるものとなった原因はここにある。

日本で一番困難なものは強制退学制度―毎年一定以上の成績を取らなかった生徒を全員例外なく退学させる制度である。欧米では退学させる生徒の数や割合は成績基準に達しているか否かで決める。もちろんこの制度が無い学校もある。あるいは退学させる生徒の割合が非常に少ない学校もある。しかし学校にとっても生徒にとっても、強制退学制度は教育効率を上げる有効な制度と考えられている。

生徒がどの学校へ入学するかは個人の自由である。入学した学校が悪い場合、退学するのも生徒の自由である。もちろん転校も生徒の自由である。入学とは校長と生徒(とその親)が「教育サービスを受ける条件の契約」を交わすことである。契約である以上、校長と生徒(とその親)の双方に責任と義務がある。校長の義務も重いが、生徒も努力して一定の成績を上げる義務がある。怠けてその義務を果たさなければ契約不履行で強制退学になる。親は月謝を支払う義務がある。

さて、日本にはどの学校へ入学しても良いという自由があるだろうか。学区制があるので難しい。転校もあまり自由ではない。退学した生徒は人生の落伍者という目で見られる。入学は校長と生徒(とその親)の間の対等な契約という考えも無い。退学すれば生徒が一方的に不利な人生を歩むことになる。これでは、師弟愛に燃える教師は生徒を退学させるわけにはいかない。

しかし、人間は本来怠け者である。退学が無ければ怠けられるだけ怠ける。特に高度成長が完了し豊かになった日本では、怠けてもよいという社会風潮になっている。

○学校と人間の価値

最近はそれほどでもなくなったが、以前は卒業した大学によって人間の価値が決まるような表現があからさまに用いられていた。一方、人間の価値は学校と無関係だと悔しがる人々もいた。

欧米では、人間の価値はこの世でも神様が決めるものであり、学歴は関係ないという信仰が根強い。宗教的な信仰が学歴重視を弱めて来た。この信仰がなければ、人間の価値は学校と無関係ということも、学校へ行けなかった者の恨み言葉にしかならない。

キリスト教が社会の基盤になっている欧米の人間のコアメンタリテー(深層心理)をのぞいて見よう。欧米人は心の中で、自分が所属している学校や会社はあくまでも一時的で仮のものであり、自分はイエズス・キリストを頭にした共同体に永遠に所属していると信じている。日本人はよくハーバード大学出身だとかMIT卒業生だとか言うが、そんなことを欧米人の前で明言するのは軽蔑されるだけである。親しいアメリカ人が筆者へ言う、

「「私はハーバード大学を卒業した。貴方の卒業した大学は何処ですか?」と聞く日本人に先週会ったが、これは物凄く不愉快な会話だ!」「どうしてですか?」「アメリカでは学歴の会話は禁句です。それをする人は軽蔑されるだけです」「でもハーバード大学卒業を自慢したいときはどうするのですか?」「露骨に卒業したと言わずにフットボールの話や大学のあった町の自慢をするのです。それでアメリカ人は察するのです。ハーバード大学を卒業しているな、と」「なるほど!」「日本人は英語に敬語が無いとすぐ言うが、丁寧な言い回しや、尊敬した言い方が無数にあるのです。日本人は単純すぎますね」、日本人の弱みをついてきたので話題を変えた。

学歴の話はヨーロッパでも禁句である。パーティーで話題に困ったら、お釈迦様の教えを、ああだこうだと話している方が尊敬される。

学校教育に限らず、西洋の制度の形は輸入できるが、制度運営の精神は輸入不可能であると理解した方が日本文化の理解を深める。(続く)