(写真は旭川の近辺の就実の丘の風景です。出典:http://www.kitakaido.com/daisetsu/asahikawa/asahigawa_26.html# )
現在の地球上では毎日のように少数民族の言語が消えているそうです。民族も次第に他民族に融合、同化して固有の文化が永遠に消えて行きます。この青い惑星の上に住んで居る人々の多様性が失われる事は惜しむべき事です。淋しい事です。
我々のすんでいるこの日本でも少し前までは固有の文化を保持していたアイヌ民族が消えてしまいました。しかし完全に消える代わりに日本各地の地名として永遠に残ったのです。富士山がその代表的な実例です。
北海道に住んでいる人々は北海道の地名の8割ほどがアイヌ語をカタカナや漢字で表現した地名であると知っています。しかし北海道以外の日本人は意外にこの事実を知っていません。札幌も稚内も石狩川もすべてアイヌ語の地名を漢字で書いたものです。
その上、驚くべきことは、富士山や利根川や能登半島もアイヌ語だそうです。そして神佛などというときの「神」もアイヌ語から来ているそうです。このことは明治時代に、東京帝国大学の教授であったバジル・ホール・チェンバレン教授によって明らかにされたのです。彼は英・アイヌ・和語辞書を作った学者です。
アイヌ人は縄文時代末期まで、関東地方にも広がって住んでいたのです。その後、大和朝廷によって少しずつ北方へ追いやられ、江戸時代には北海道(蝦夷地)にだけになりました。しかし本州の関東以北にはアイヌ語の地名をいくつも残して退却して行ったのです。
話はいきなり飛びますが、アメリカの内陸部の地名、河の名前がインディアン語のものが多いのです。オハイオもそうですが、オハイオ州の河や地名の多くはインディアン語由来のものです。先住民は消えて行いきます。しかし先住民から受け継いだ貴重な名前は永遠に残ったのです。
ご参考までに、「北海道の地名・駅名」についての資料を付記しておきます。
「北海道の地名・駅名」というキーワードで検索すると、北海道のアイヌ語由来の地名をカタカナや漢字で表すときの一般的な規則らしいものが分類され出ています。
=========Wikipediaの「北海道の地名・駅名」より抜粋======
北海道の地名・駅名は、概ね以下のように分類できる。
- アイヌ語に由来するもの
- アイヌ語に日本語(漢字)表記をあてたもの
- アイヌ語をそのまま使用しているもの
- 内地からの開拓・入植に際して地名が決められたもの
- 周辺に存在した施設・自然状況、あるいは周辺の風土などから命名
- 上記によって定められた地名・駅名に、方向や大小などの接頭語・接尾語をつけたもの
@アイヌ語に由来するもの
アイヌ語地名に日本語風の地名・駅名につけるにあたっては、以下の方法が見られた。
- アイヌ語に漢字の表記をあてたもの
- アイヌ語の音に漢字をあてずカタカナで表記しているもの(日本語を割り当てていない)
@アイヌ語に漢字表記をあてたもの
漢字の当て方には、次の2通りが見られる。
- 音訳 - アイヌ語の「音」を流用し、漢字を当て字(仮借)したもの
- 意訳 - アイヌ語の「意味」を解釈し、似た意味の日本語を割り当てたもの
- 音訳したもの
音訳の例としては、「ホッキ貝の多い所」を表す「ポク・オ・イ」からとった母恋や、「川口の汚染された所」を表す「オ・トイネ・プ」からとった音威子府・音稲府(枝幸町)などがある。また、アイヌの地名をそのまま日本語地名としては冗長であったりごろが悪かったりする場合には一部短縮・省略したものもある(オペレケレケプ->帯広、ピウカ->美深))。
これらは音のみに着目した「当て字」である。漢字は表意文字であるが、あてられた漢字の意味にアイヌ語原義との直接的な関連性があるとは限らない。例えば、道内に数多く見られる「内」「別」は、それぞれアイヌ語で川を意味する「ナイ」「ペツ」に当て字されたものであり、「内側」「別れる」の意味は持たない。同じように「幌」は「大きい・広い」を意味する「ポロ」の当て字で、「幌」の字の持つ意味とは関係がない。
========以下省略==================