下の写真は伊達正宗が支倉常長を太平洋を横断させ、ローマへ派遣したとき用いた帆船を復元した船です。宮城県の石巻の東の方向30Km位の所に係留して公開しています。サンファン号と言います。このような帆船の欠点は向かい風の日には絶対に出港できないということです。昔なのでエンジンが付いて居ません。
今日は自分のクルーザーでエンジンを使わないで出港する実験をして来ました。結果は失敗でした。港の奥へ吹き寄せられ、岸壁と衝突しそうになりました。仕方なくエンジンを始動し、危機を脱しました。やっぱり帆船は完全な追い風の時しか出港してはいけないのです。
もう少し正確に書きます。左のようにすぐに帆を出せるように準備します。風が右から左へ吹いていました。
係留ロープを解き、手の力で後の係留杭に繋がったロープを引きます。船はゆっくり係留杭の後ろの航路にでます。そこで前の帆を出して、船首を右へ向け、風上45度へ登ろうとしました。所が船が動いていないので舵が全然ききません。右からの風で、船は無情にも左の港の奥へ流されて行きます。それなら追い風にして港のおくへ向かって速度を上げて、舵を効せて反転しようとしました。所が航路の幅が30mくらいしかありません。そんな事を繰り返していたら次第に港の奥へ吹き寄せられ、終いには奥の岸壁に衝突しそうになりました。万事休すです。エンジンを始動し、危機を脱しました。エンジンさえ動いていれば実に易々と港の外へ出れました。今日は天気が良くて気持ちの良いセイリングをして帰ってきました。風は弱かったので危険な目には会いませんでした。